発達に特性をもつ子の親へ"心の居場所"──「そらいろのこえ」が紡ぐ、つながりと安心
発達に特性をもつお子さんと向き合う家族には、周囲に見えにくい悩みや不安があります。「そらいろのこえ」は、長岡京市を拠点に、そんな家族が"ひと息つける居場所づくり"に取り組む団体です。昨年12月、初の試みとして行われた暮らしランプなかの邸で開催された交流会では、年少から大学生まで、幅広い年齢のお子さんを持つママたちが集まり、それぞれの経験や想いを語り合いました。
*この記事は、市民ライターが企画・取材・執筆しています。
1人じゃない──活動に込めた想い
長尾美夏さん
「そらいろのこえ」の活動を始めたのは、主催者の一人である、長尾美夏さんが発達の特性が見られるものの診断には至らない、いわゆる“発達グレー”の長男を育てる中で感じた、不安や悩みがきっかけでした。
3歳から就学前まで通った療育では、自然と保護者同士が話せる場ができていました。けれど療育を卒園後、そういった交流の場がなくなり、「わたしにとって大切な場所だったんだ」と気がついたそうです。
子育ては、次から次へと悩みが舞い込んでくるもの。
特性がある子の子育ては、なおさら多く感じるかもしれません。
未来を想像して楽しみになる気持ちの余裕がなくなることや、"今、何をしてあげられるのか" で頭がいっぱいになることもあります。
そんな中で長尾さんが救われたのは、親でも友人でもない、"同じ環境にある人と話せる安心感"でした。「1人じゃない」「同じように悩んでいる人がいる」そう感じられるだけで、心がずっと軽くなる―。
「声にならない"こころの声"に、そっと耳を澄ませたい。誰かの心を少しでも明るくできるように」その願いを込めて、活動を始めました。
「そらいろのこえ」は、空が毎日違うように、子どもたちも誰一人同じじゃないという想いから名づけられました。社会にはまだ「普通」という物差しがあり、特性や個性のある子どもたちの家族は、周囲には見えにくい困りごとを抱えてしまいがちです。
地域の中でほっと息をつける居場所を作る活動として、ワークショップや座談会を通して、"つながり"と"理解"のきっかけを育てています。
語り合うことで見えてくる、それぞれの道
今回開催された交流会には、年少から大学生まで子育て中のママ4名とスタッフ4名が参加。
さまざまな話題があがりました。
就学の壁: 「普通学級、通級指導教室、特別支援学級」どの選択が子どもにとって最善なのか、小1の壁を前にした葛藤。
地域の差: 全学年合同なのか、特性ごとなのか。自治体によって異なる支援級のあり方。
家族内の温度差:家族の中で、子どもの特性に対する認識や受け止め方が違うこと。
周囲の理解: 「もしかして?」と感じてからの揺れる心や、周りの人からのサポート内容への戸惑い。
こうしたリアルな悩みや経験を共有することで、参加者の間には「自分だけじゃない」という安堵と、新しい気づきが生まれていきました。
参加者の声
交流会に参加したママたちからは、こんな声が聞かれました。
「心が軽くなった」
「子どもが幼いころのことを思い出して懐かしくなった」 「ことばにしたことで整理できた」 「自分のしたかったことを思い出した」
そして、情報や視点が広がったという声もありました。
「支援級のイメージが変わった」 「選択肢が広がった」 「色んな形があるのだと知った」
何より多かったのが、「自分だけ悩んでいるんじゃないんだと思った」という言葉でした。
まとめ
子どもたちの成長のかたちは本当にさまざまです。同じ環境で育つきょうだいでもそれぞれ違う性格、個性があります。
けれど、その多様性を受け止める社会の理解は、まだ十分とは言えません。「そらいろのこえ」は、子育ての中で不安やさまざまな想いを抱えるご家族が、安心してつながれる居場所を地域に作る活動をしています。
同じ環境にある人と話すこと。それだけで、心が軽くなることがあります。誰かの"こころの声"に耳を澄ませ、寄り添い合える場所が、長岡京の地にきらりと輝いています。
「そらいろのこえの黄色」インスタグラム
https://www.instagram.com/sorairo.semi?igsh=MnZrYXExZjBwazN1
担当市民ライター:岡松沙和香
7歳小学1年生の男の子を子育て中です。 一緒に学んで成長しようと日々挑戦中。