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管理組合ができるマンション保険料値上げ「防衛策」

2026.02.20 23:57


― 受け身ではなく“選択する”ための実務ポイント ―

近年、マンション総合保険の保険料は上昇傾向が続いています。

背景には、平成30年7月豪雨 や 令和元年東日本台風 などの大規模災害、修繕費の高騰、築古化、再保険コスト上昇などがあります。

しかし、

「値上げは仕方ない」で終わらせないことが重要です。

本サイトでは、管理組合が実務的に取り得る“防衛策”を整理します。



管理組合が取り得る“防衛策”

① 補償の棚卸し(守る範囲を再設計する)

✔ 水災補償の適正化

 ハザードマップで浸水想定を確認

 地下電気室や機械式駐車場の有無を点検

実際のリスクと補償内容が一致しているか検証

👉 「とりあえず全部付ける」から脱却する。


✔ 免責金額(自己負担額)の戦略設定

免責5万円 → 10万円や20万円へ引き上げることで保険料を抑制可能

ただし、

 小規模事故が多い物件

 修繕積立金に余裕がない物件

では慎重判断が必要。


✔ 重複補償の整理

 専有部分保険との重複  ⇒例:個人賠償特約

 無駄な特約がないかを確認。



② 事故を減らす「予防型管理」

保険料は“事故履歴”の影響を受けます。

✔ 漏水事故対策

 給排水管の定期点検

 バルブ・止水栓の整備

 専有部改修時の事前届出徹底

✔ 水災対策

 排水ポンプの点検

 側溝清掃の強化

 逆流防止弁の検討

✔ 外壁・屋上の予防保全

 タイル打診調査

 屋上防水の劣化診断

👉 「事故を減らすこと」が最大の防衛策。



③ 契約戦略の見直し

✔ 複数社相見積もり

同条件で比較し、

 保険料

 免責

 特約内容

を精査。


✔ 代理店依存からの脱却

管理会社紹介保険のみで決めない。


✔ 契約更新タイミングの計画管理

満期直前の慌ただしい判断は不利。



④ データ管理の強化

✔ 事故履歴の一覧化

 発生日

 原因

 保険請求額

 再発防止策

これを整理して保険会社へ提示すると、交渉材料になることもあります。



⑤ 長期修繕計画との連動

保険料上昇は、

 管理費

 修繕積立金

に影響します。

長期修繕計画に保険料上昇リスクを織り込み、

「突発値上げで積立不足」にならない体制づくりが必要です。



⑥ 組合内合意形成の工夫

値上げは感情的対立を生みやすいテーマです。

説明時のポイント:

 全国的傾向であること

 災害増加という社会背景

 防衛策を講じた上での判断であること

「努力した結果の値上げ」と

「何もせず値上げ」では、納得度が大きく異なります。


⑦ やってはいけない“危険な節約”

 水災補償の安易な全削除

 免責過大設定

 建物評価額の過小申告

万一の大事故で、

修繕積立金が一気に枯渇するリスクがあります。



まとめ:防衛の本質は“主体性”

保険料上昇は外部要因が大きいものの、

管理組合ができることは確実にあります。

 ✔ 補償の再設計

 ✔ 事故予防

 ✔ 契約戦略

 ✔ データ管理

 ✔ 合意形成

保険は「コスト」ではなく

マンション資産価値を守る“リスク管理投資です。






《参考》

マンション保険料値上げ「防衛策」チェックリスト(○×式)

※各項目を「○=実施済/適正」「△=一部実施」「×=未実施」で確認してください。

※×が多い分野が“値上げ耐性の弱点”です。


Ⅰ.補償内容の棚卸し

□ 1 現在の補償内容を理事会で説明・共有している

□ 2 建物評価額が最新の再調達価額に基づいている

□ 3 水災補償の必要性をハザードマップで確認している

□ 4 免責金額(自己負担額)を戦略的に設定している

□ 5 不要な特約が付いていないか点検した

□ 6 専有部分保険との重複を確認した

□ 7 機械式駐車場・電気室など高額設備の補償範囲を確認した


Ⅱ.事故予防(料率悪化防止)

□ 8 過去5年間の事故履歴を一覧化している

□ 9 漏水事故の原因分析を行っている

□ 10 給排水管の定期点検を実施している

□ 11 屋上防水の定期診断を実施している

□ 12 外壁タイル打診調査を計画的に実施している

□ 13 排水ポンプ・側溝清掃の定期点検を実施している

□ 14 専有部リフォーム時の届出ルールが徹底されている


Ⅲ.契約戦略

□ 15 満期の6か月以上前から検討を開始している

□ 16 複数社から同条件で相見積もりを取得した

□ 17 管理会社紹介以外の選択肢も比較した

□ 18 免責変更による保険料差を試算した

□ 19 水災補償の有無による差額を試算した

□ 20 契約期間(1年/5年)の比較検討を行った


Ⅳ.財務との連動

□ 21 保険料上昇を長期修繕計画に反映している

□ 22 保険料増額時の財源(管理費・積立金)を試算している

□ 23 小規模事故を保険請求すべきか基準を定めている

□ 24 保険請求と自費修繕の判断基準を文書化している


Ⅴ.組合内説明体制

□ 25 保険料上昇の全国的背景を説明できる資料がある

□ 26 自然災害増加の事例を共有している

(例:平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風)

□ 27 「防衛策を講じたうえでの判断」であることを説明している

□ 28 総会で質疑応答を想定して準備している



判定目安

● ○が22以上 → 防衛体制は概ね良好

● ○が15~21 → 改善余地あり

● ○が14以下 → 早急な見直しが必要


重要ポイント

✔ 値上げをゼロにすることは難しい

✔ しかし“上げ幅を抑える努力”は可能

✔ 事故予防こそ最大の防衛策




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マンション保険の保険料の推移とその背景