知っておきたい「睡眠薬」の今 2.気になる「睡眠薬と認知症」の関係
2026.03.08 11:22
睡眠薬は「ずっと飲み続けるもの」ではなく、一時的に生活リズムを整えるための「補助具」です。
今回は、最近の睡眠治療の大きな変化と、多くの方が気にされている「睡眠薬と認知症の関係」、最近の睡眠治療・睡眠薬について解説します。
2.気になる「睡眠薬と認知症」の関係
「睡眠薬を飲むと認知症になりやすいって本当ですか?」
外来でよく受ける質問です。
現時点では、睡眠薬そのものが認知症を引き起こすという明確な因果関係は証明されていません。 ただし、多くの研究で、古いタイプの睡眠薬を長期間・多量に服用している高齢者では、認知機能の低下や一時的な「せん妄」が起こりやすいことが報告されています。
これが、「睡眠薬=認知症」というイメージの背景にあります。
一方で、近年明らかになってきた重要な事実があります。
それは、「不眠を放置すること自体が、アルツハイマー型認知症のリスクを高める可能性がある」ということです。
脳は睡眠中に、認知症の原因物質とされるアミロイドβを排出(掃除)しています。
眠れない状態が続くと、この「脳のゴミ」がたまりやすくなると考えられています。
つまり、
• リスクの高い古い薬を漫然と飲み続けることは避けるべき
• 安全性の高い新しい薬を適切に使い、しっかり眠ることは、結果的に脳の健康を守る可能性がある
このように理解されるようになってきました。 次回は現在主流となりつつある新薬についてお話しましょう、
(木村 新)