「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 様々な人間関係の「絆」が見えるドラマ
「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 様々な人間関係の「絆」が見えるドラマ
毎週水曜日は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」について、見ての感想を書いてゆきたいと思っております。一応歴史小説を書いていて、戦国時代の本も出していますので、この時代のことを少しはわかっているような気がしますので、その意味で演出とか表現の部分も見てゆきたいと思っております。
さて今回は墨俣城の築城の件でしたので、その墨俣城についてみてゆきましょう。
木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)の名を天下に知らしめた「墨俣一夜城」の伝説は、戦国時代における最も劇的なエピソードの一つとして語り継がれています。織田信長が美濃国の斎藤氏を攻略しようとしていた当時、長良川と犀川の合流点に位置する墨俣は、軍事的な拠点として極めて重要な場所でした。しかし、この地は敵陣の目と鼻の先であるうえ、湿地帯で足場が悪く、それまでに佐久間信盛や柴田勝家といった織田家の重臣たちが築城を試みたものの、ことごとく失敗に終わっていました。
そこで名乗りを上げたのが、当時まだ足軽大将の身分であった藤吉郎でした。彼は従来のような現地で一から積み上げる工法ではなく、あらかじめ上流で木材を加工しておき、それを筏で流して現地で一気に組み立てるという、現代で言うところのプレハブ工法に近い画期的な策を用いたと伝えられています。さらに、蜂須賀小六をはじめとする川並衆などの野武士集団を味方に引き入れ、彼らの機動力と地理的な知識を最大限に活用したことが成功の鍵となりました。わずか数日のうちに楼閣が姿を現した光景は、斎藤軍に「一夜にして城が建った」という驚愕を与え、心理的にも大きな打撃を与えたと言われています。
この墨俣城の完成によって、織田軍は美濃攻略のための強固な橋頭堡を確保することに成功しました。信長はこの城を足場として斎藤氏の本拠地である稲葉山城(後の岐阜城)への圧力を強め、ついに1567年に美濃を平定します。この際、信長は「井ノ口」と呼ばれていた地名を、古代中国の周の文王が起こった「岐山」と、儒教の聖地である「曲阜」から一文字ずつ取り「岐阜」と改称しました。これは信長が「天下布武」、つまり武力をもって天下を平定し、泰平の世を築くという壮大な決意を公に示した瞬間でもありました。
しかし、歴史学的な視点で見ると、この墨俣一夜城の物語には多くの謎が残されています。江戸時代に成立した『武功夜話』などの記述が主な論拠となっていますが、当時の一次史料には一夜城に関する詳細な記録が乏しいため、後世の創作や誇張が含まれているという説も有力です。それでもなお、この物語が愛され続けているのは、身分の低い藤吉郎が知略と人脈を駆使して不可能を可能にし、信長の天下取りを加速させたという象徴的なドラマが、戦国という時代のダイナミズムを象徴しているからに他なりません。墨俣城は、単なる軍事施設という枠を超え、秀吉の立身出世物語の原点として、今も歴史ファンの想像力をかき立て続けています。
<参考記事>
「豊臣兄弟」墨俣一夜城へ“軍神”蜂須賀正勝&前野長康の絆も復活「本物の兄弟 ツンデレ率」ネット胸熱
[ 2026年2月22日 20:45 ] スポニチ
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2026/02/22/articles/20260222s00041000287000c.html
<以上参考記事>
さて、この「豊臣兄弟」というのは、常に「兄弟」として「人の絆」ということがテーマになっています。実際に、そのテーマで最終回までゆくのかということは不明ですが、しかし、少なくとも第一回から今まではその二つのテーマがしっかりと書かれていました。
今回は「義兄弟」となる前野長康(渋谷謙人さん)と蜂須賀正勝(高橋努さん)という川並衆のトップ二人ということになります。ちなみに川並衆はそれまで斎藤家に仕えていた野であるが、斎藤家は斎藤道三の時代は良かったが徐々に変わってきてしまっており、そのうえで、囮に使われ、どこにも仕えないということになった。しかし、それでは川並衆の将来がないと考えた前野長康は斎藤ではなく織田家に仕え、蜂須賀は独立を守るというように路線が変わってしまった。そして前野は織田家に行き、路線が変わったということになったのです。
その一度裏切った前野と蜂須賀が藤吉郎(池松壮亮さん)の説得から仲が元に戻るというような話になっていました。一度裏切って仲たがいしても、実はお互いが分かり合えるということになります。
豊臣兄弟に関しては特に問題はないのですが、一方で寧々(浜辺美波さん)と直(白石聖さん)との関係も問題になります。藤吉郎と小一郎(仲野太賀さん)の兄弟ですが、藤吉郎は寧々と結婚しますが、直は中途半端な状態のままになっています。その直がこのままでは小一郎を嫌いになってしまうということを言い、中村に帰ろうとしてしまいますが、病気で倒れてしまい、そのまま寝込んでしまい、小一郎が直との絆を改めて見直すということになります。
単純に男同士の兄弟の話ばかりになってしまいますが、そうではなく、女性の内容まですべて書くことができるのがドラマの良いところではないでしょうか。兄弟の絆だけではなく、男女の絆、夫婦の絆、家族の絆、織田家の家臣や主従の絆、それぞれの絆とその絆の強弱ということがあり、その中で様々なことが見えてくるということになるのではないでしょうか。
さて、次回は竹中半兵衛(菅田将暉さん)が出てくるようです。私は個人的に竹中半兵衛が戦国武将の中で最も好きなのです。それに、4年前の「鎌倉殿の13人」で北条義時(小栗旬さん)が織田信長で、源義経が竹中半兵衛になります。なにか非常に面白い幹事になってくるのではないでしょうか。非常に期待しています。