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クレリックの話

2019.03.09 04:55


「クレリックシャツ」とか「クレリックカラー」というのを聞いたことがあるかもしれない。


クレリック(Cleric)は「聖職者」という意味である。


欧米にも、名前が似ているClerical collar(クレリカルカラー)というシャツのカラーがある。


クレリカル(Clerical)というのは、「聖職者の」という意味である。


名前は似ているものの、日本のクレリックカラーと、欧米のクレリカルカラーは全く異なる。


まず、日本で「クレリックシャツ」と呼ばれているシャツは、カラー(襟)とカフス(袖口)が白で、身頃の部分に色や柄が入っているシャツで、そのシャツの白いカラーをクレリックカラーと呼んでいる。


これは、取り外し式のカラーやカフスがまだ多かったWW1前後頃、身頃に水色などの色物や、ストライプなどの柄が入ったものに、白いカラーやカフスを取り付けることが流行したものの名残である。


下の画像が、カラーが付いていないシャツである。


この画像のシャツにはカフスが始めから付いているが、カフスも付いていない(=取り付け式カフスを装着する必要がある)ものもある。


下は、取り外し式カラーとカフスのカタログである。

(余談ではあるが、このことからも、カフリンクスの和製英語である「カフスボタン」を「カフス」と省略することは根本的な誤りであることがわかる)


さて、上の画像のような、いわゆる「バンドカラー」は、カラーが付いていない状態のシャツで、明治時代の書生などは、カラーが汚れたら洗濯して毎日付け替える、などという経済的な余裕はなかったため、カラーなしのバンドカラーの状態でシャツを着ていたらしい。


もちろん、このままでは一人前のシャツとは認められないので、カラーを取り付ける。すると下の画像のようになる。



これが「クレリックシャツ」の原型である。

さて、話はクレリカルカラーに移るが、下の画像の首元の白い部分、これが欧米の「クレリカルカラー」である。


「クレリックカラー」とは全く異なる。


下の画像の、クレリカルカラーを着用している男性が着ている黒い服は、カトリックや聖公会の聖職者が着るCassock(キャソック)と呼ばれる、丈が足首や膝まであるフロックコートのような、立襟の上着である。


下の古いカタログでは、キャソック(左から4番目)をClerical(クレリカル)と表記している。


立襟は、かの毛沢東が着用していたために「マオカラー」などとも呼ばれ、インドなどでは昔から根強い人気がある。


詰襟の学ランもそうであるように、立襟のジャケットは、タイをしないのが普通である。


また、クレリカルカラーは下の画像のように、首の後ろで留める仕組みになっているのも特徴である。

最後になったが、日本でいう「クレリックカラーシャツ」は、英語ではContrast collar shirt (コントラスト=対照的な) などと呼ばれる。