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Bellydance Najm Fukuoka

エストニア遠征大ピンチ①

2026.02.26 13:07

渡航を目前に控えたある日、私は完全に闇に落ちていた。

フライトチケットの姓名が逆になっているという、まさかの初歩的な痛恨のミス。

その修正をしようとした瞬間、私は迷宮に迷い込んだ。


今回のチケットは少し複雑だった。


販売名義はA社。

実際に運航するのはB社。

そして予約・発券はC社(旅行代理店)。

「売った会社」「飛ばす会社」「予約を管理する会社」がそれぞれ別。


名前の修正をお願いすると、

A社は「発券元のC社へ」と言い、

C社は「運航会社のB社へ」と言い、

B社は「予約元へ」と言う。

三つのホームページを何度もぐるぐると往復させられ、そのたびに疲弊し、状況は一歩も進んでいないのに、心だけがすり減っていった。


まるで悪夢だ。


探しているものが、どうしても見つからない。

行きたいところに、どうしても辿り着けない。

夢の中で味わう、あの焦りと無力感。

じっとりとした不安が体を包む。


私はホームページを行き来しながら、

これは悪い夢なのではないか、と何度も思った。

目が覚めれば、すべて解決しているのではないかと。

けれどこの無限ループ地獄は現実で、時間だけが無慈悲に進んでいた。


…あぁ、パッキングも全然できていない。

練習動画も確認したいのに。

なんで私は今、こんなことをしているのだろう。


問い合わせ、検索、電話、保留音。

また検索、また電話。チャット、メール。

繋がらない苛立ち、待たされる不安。

恐怖と焦りが、じわじわと心を侵食していった。

血の気が引く。吐き気と頭痛がする。

絶望と自己嫌悪が混ざり合い、私は深い闇の底へ引きずり込まれるような感覚に陥った。


もうエストニアには行けない。

もう何もかも終わりだ。

本気で、そう思っていた。



夜、先輩から電話があった。

ベリーダンスとは無関係の人だ。

ただ話を聞いてくれて、黙ってうなずいてくれて、「大変だね」と言ってくれた。

この方は私の練習を見に来てくれたり、別のジャンルのスポーツ視点からアドバイスをくださっていた方だ。


見守っていてくださる存在の寄り添いは、何よりも安心をもたらす。

話しているうちに心が落ち着き、

混乱が少しずつ整理されていった。

追い詰められていた気持ちがゆるみ、

やがて決心が静かに固まっていった。


私は気づいた。

もし名前の変更ができなかったとしても、

私は行く。



この遠征のために、

ワークショップを取り、

個人レッスンを取り、

コンペの権利を取り、

ずっと準備してきた。

ホテルも予約した。

福岡から大阪までの航空チケットも、1.5往復分買っている。


これをすべて放り投げて、

こんなしょうもないミスを理由にやめるなんて、できるわけがない。


もちろん金銭的負担は大きい。

十数万円の増額は、目の前が暗くなるほど恐ろしい。


けれど長い人生で考えたとき、

その十数万円よりも、エストニアで経験する時間の方が、私にとっては遥かに大きな財産になる。


人生、経験してなんぼだ。


それに、忙しい中で長いビデオレターを送ってくれた、心から尊敬するダリナ。

彼女に踊りで感謝を伝えるために。

さらに多くを学ぶために。

こんなことで、この機会をむざむざ手放すわけにはいかない。


そうして私は決めた。

たとえ変更ができなくても、私は行く。



ギリギリすぎる乗り継ぎ時間への不安から、私は大阪行きの片道フライトを追加で購入していた。


あのときは、ただ「安心を買う」つもりだった。


けれどそれが、今回のトラブルを解決するための“時間”になるのかもしれない。

もし乗り継ぎ時間がギリギリのままだったら、完全に詰んでいた。

一縷の望みを託せるだけの時間が、私には残されていたのだ。


もしそうだとしたら、

なんてドラマチックで、なんて皮肉で、なんて面白い展開だろう。


これはきっと、私だけのドタバタ映画。

わたしのドタバタ劇場【エストニア編】、


どうやら開演早々、波乱含みらしい。