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幻燈館

「木挽町のあだ討ち」

2026.02.27 08:19

ここ数年、東映がかつてお得意だった時代劇をコンスタントに作ってくれることは、時代劇好きとしては嬉しいのだが、公開された作品を実際に見てみると、「悪くはないけど…」と言った感想になりがちで、もう一つ「傑作に出会えた感」が希薄で、手放しで人にも勧めたくなるほどではない作品が多いように感じる。

本作もそういった印象を拭いきれず、「悪くはないけど…」な作品だと感じた。

娯楽時代劇としては普通に楽しめるので、「失敗作」とか「駄作」というわけではないが、ミステリ仕掛けの時代劇なので、「会話と回想シーン」で構成される地味な印象は拭いようがなく、見せ場といえば「劇中劇のようなシーン」くらいで、万人に受ける要素かな?という疑問はある。

木挽町の芝居小屋の近くで大勢の野次馬に見守られた中、派手な仇討ちがあり、江戸中で評判になるのだが、時が経って、その事件を蒸し返そうとする人物が現れる…

この過去の事件を蒸し返そうとする人物が登場した時点、さらに言えば、その探偵役が探っている方向性がわかってくるにつれ、この作品の大仕掛けに気づく観客は多いはずで、この話にはもう一つ、仇討ちが起こったきっかけの事件もひねりが加えられているので、全く楽しめないわけではないが、大仕掛けの方は、その後の話の展開で「やっぱりね…」という「オチに気付いたものがやや覚めた視線で見守る」形になるので、後半になるにつれ「驚きがあまりない」流れになっている。

後半も多少の捻りというか、小ネタ的な意外性は用意されているのだが、大どんでん返しというような大技ではないので、映画としてのクライマックス感にはなりきれていないように感じた。

原作がある作品なので偶然だとは思うのだが、何となく、それなりに予算をかけた東映版「カメラを止めるな!」と「侍タイムスリッパー」みたいな印象が残った。

山口馬木也さん演じる伊納清左衛門が、雷鳴轟く中、刀を振り回すシーンは、また太秦近くにタイムスリップするか!とハラハラしたほど。