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星を繋ぐ猫達 《第10章⑥ 重なり合う世界 》

2019.03.09 07:31

少し間が空いてしまいました。ようやく更新できまして、お待たせいたしました。


画像は、2016年の個展作品、子猫時代の猫沢さんです、ケイオスさんの奏でる音楽にうっとりしています。かわいいですね。


では、続きをお楽しみください。


《第10章⑥ 重なり合う世界》


作者は、2016年の個展を終え戻ってきた作品達を眺めていました。


彼等が、いきなり、目の前に現れたのは2013年の春、気がついたら、3年の月日が経っていました…。服を着た猫とロボット猫が、SF小説のように現れた日


彼等は、膨大な知識と叡智をたずさえ、ここに舞い降りましたが、あまりにも、理解力の乏しい地球人達に、やきもきしているのです…。


作者の知能レベルは、星の子猫にも満たないレベル、彼等は、子猫にでも教えるように、接してくれているのです。


それもそのはず、カルカナルのシステムに飲み込まれ、組み込まれた地球人達は、エネルギー供給の為の製造機、その為、造られた概念を刷り込み、あらゆる思考や能力を抑え込まれているのですから、仕方ありません。何も知らなくても良いのですから…ましてや、余計な知恵など付いて、カルカナルの存在などに気づかれては、厄介です。


作者も、その中の一人、このシステムの中の歯車として生存しているのです。


古代地球人の知恵や叡智も、優れた技能も思想も、カルカナルによって、歪められ、造り込まれた仕組みの中が、正しき道と、信じこまされていると、猫達は、懸命に、作者に語りかけるのです。


そして、そろそろ、カルカナルが創造したループ次元での戯れから、抜け出さなくてはいけない…と…意味が分かりません。渦中の作者には、それが、理解できません。


遊んでる訳じゃない。と、反論しようにも、的確な言葉が見つからず出てきません。


リアル世界での作者は、毎日、雑多な空間で感情や思考を止め、黙々と仕事をこなし、合間に、作品を仕上げると言うリズムを繰り返し過ごしています。このルーチンワークを、不満に感じていない…と言うのは嘘かもしれません。


ただ、その空間で繰り広げられる人々の振る舞いに、一瞬、シンジラレナイ光景を、目の当たりにすると同時に、猫沢さん達が言う、ストーンブロックの影響で起きると想定される、地球人達の異常な行動に、当てはまる事に、気づき始めたのも、この頃です。


猫達からは、


「カルカナルのコントロールされた食品や環境で、中枢神経に異常をきたし、狭い視野と思考に追いやられ囚われ、攻撃性を増したテラビト達は、身近な標的を探し、怒りや不満の捌け口にする。ここは負のエネルギーが溜まりやすい、早く、ここから、離れなくては、ストーンブロックの蓄積が加速してしまう」


と、警告を受けているのです。


ですが、当時の作者には、イマイチ、ピンと来ないのです。だって、生活するために、お金は必要だし、慣れた仕事を淡々と、こなした方が、良いじゃない?今さら、1から、別の環境で仕事覚えるのってめんどくさいし…作品が、作れればいい。と、思っていたのです。


猫沢さんは、呆れながら、


「今は、まだ、耐えられるでしょう…しかし、居続ければ状況は悪化しますよ」


作者は、状況が、よく飲み込めていません。先程から出てくる言葉、ループ次元、一体何なのか?と訪ねると、


「テラビト達をカルカナルの世界に繋ぎ止める為の環境です。この、次元の中に居れば、一定の安定感を得ることは可能ですが、テラビト本来の、心を奪い去ります。あなたのいる所は、それに適した場所です」


作者は、疑いました。ここが、彼等のエネルギーを量産させるファクトリーの中に組み込まれてる事実に、気持ちが動転しました。


「あなたは、長年の誤った食生活で、いつ何らかの病気が発症してもおかしくない状況です。改善食で多少、ましにはなりましたが…到底追い付きません。そして、今回、この次元を選んだ、と、言うことは、とても危険なんです。チャンスを見つけたら思い切り飛び越えて行ってください」


「猫沢さん、ループ次元とやらを抜けるにはどうしたら良いのですか…?」


「感覚を研ぎ澄まし、自身の心に耳を傾け進むべき方向に意識を向けるのです。この世界は、あなたが思っているほど狭くありません。視野を広げてみてください。重なり合う、あちら側の次元に存在する「あなた」にアクセスするのです」


そう言うと、猫沢さんは、無数のシャボン玉のような物体を空間に放ちました。そこには、様々な作者の姿が映し出されています。


「これは?」


「あなたの前後左右に存在する平行次元のひとかけらです。ここにいる「あなた」は、どこの「あなた」にもなれる可能性を持っている。好きな場面を選びなさい」


「選ぶ?」


「そうです」


作者は、迷います。

ふと、球体の中に、大きな作品を持った自分が見えました。見たことない描いたこともない作品です。吸い込まれるように指を指すと、球体達は、パッと消え、猫沢さんの肉球の上に、黄いみがかった水晶のような物が、現れました。


「これで、プログラミング完了しました」


「一体、どういう事でしょうか?」


「これを、身に付けて過ごしてみてください」


「え?なんですか?これは?」


「尻叩きの石(意思)です」


「尻叩き…?」


「この石は、先程選んだ目的地の「あなた」の元に「あなた」を連れて行きますが、手段を選びませんので気を付けて下さい」


「どういう事ですか?」


「内緒です。自力で頑張って下さい」


猫沢さんは、ニコッとして、作者に石を手渡すと、ちょこんと猫ソファーに座り、寅次郎博士と、楽しげに交信をはじめていました。


手段を選ばない。とは、一体、何が起こるのだろう?と…さっき見た球体の中の作者は、あちらの次元の作者と言うけれど…?


作者は後日、手渡された石を、友人の経営する店で、ペンダントに加工してもらったのです。


友人は、笑いながら言います。


「シトリンね。随分、強い石を選んだのねぇ」


と…作者は、彼女の言う「強い石」の意味にピンと来ませんでしたが、御守り替わりになりそうだ♪と出掛ける時には、身に付ける事にしてみたのです。


その様子を、ニャンタープライズ号のモニターから見守る猫達がいました。


「猫沢博士、これで、私達と1号のコンタクトコード切断は回避出来そうですね」


花音さんが、安心した表情を見せました。


「一時しのぎにすぎないが、コンタクトは継続できる。あとは、1号自身のメンタル次第だな…持ちこたえてくれるといいが…」


「猫沢博士、イクサフィーゴ達に変化が現れたそうです。寅次郎博士の所へ急ぎましょう」


アクア操縦士が、そう言うと、操縦室へと向かいました。



その頃、作者は、再び、同じ次元での生活を繰り返しつつ、次の年の個展についてテーマを考えていました。

その時、ようやく、自身が、丸い猫型生命体と、コンタクトが出来ていない事に気づいたのです。


「あれ?仏猫達が描けない!?筆が動かない?」


動揺する作者、神仏の作品を描く時は、修行僧モードに切り替えるのですが、うまくいきません。


作品は、精神状態が現れると言います。2016年現在の作者は、仕事場への大きな不信感と不安でバランスが欠けています。心がブレて調わないのです。


かろうじて、猫沢さん達は、描けるようです。


サンプル1号の運命はいかに!?


[第10章 おわり]


 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。


物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。


そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)


2019年の7月19日(金)~7月30日(水)、幻想の魚の秘密.第6弾「森羅万象のニャー」展示決定!お楽しみです。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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