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【第14回】ヨーグルトは私たちにとって「薬」だった? 腸と人生の話

2026.02.28 14:35

神ラジ初ライブ配信シリーズ第2回。ヨーグルトマニア向井さんと林和彦が、 便秘、腸の不調、ヨーグルト開発の裏側を本音で語ります。つらい便秘症、本当にただ「出ればいい」の? 医師とヨーグルトマニア、それぞれの実体験から迫ります。


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📖第14回テキスト版

⚡️便座に鮮血が……。
ストレスが原因だった“地獄”の便通


【ゲスト】

◎向井智香(むかいちか)

ヨーグルトマニア/一般社団法人ヨグネット代表理事。大阪府出身。

同志社女子大学大学院文学研究科修了。

2011年に森永乳業から発売されたギリシャヨーグルトに衝撃を受け、SNSでヨーグルトのレポート掲載を開始。

25年12月現在での掲載商品数は3400種類以上。

日本各地を巡り、地域ごとの酪農・乳業の歴史や産業的価値、ヨーグルトの食文化を独自に研究。

ワークショップ、講演会、メディア出演等を通してその価値を語る。

22年には日本のヨーグルトを図鑑のように紹介する書籍『ヨーグルトの本』を上梓。

その翌年に一般社団法人ヨグネットを設立し、日本各地の中小乳業メーカーや六次化牧場を会員に迎えて「ご当地ヨーグルト」の魅力訴求に従事。

Podcast番組「ヨグネットのご当地ヨーグルト便り」不定期配信中。


***


早川 向井さんは、一日にどれくらいヨーグルトを召し上がっているんですか?


向井 1000から1500グラムくらいです。


 健康診断とか問題ないですか? 高脂血症になったりしない?


向井 えっと、前の健康診断で色々指摘が入りまして(苦笑)。ビタミンC、鉄分、食物繊維を摂りなさいと言われて、そこを直してからは血液検査も引っかからなくなりました。


 素晴らしい〜〜。じゃあ、カロリーの大半がヨーグルトになっちゃうんじゃないですか?


向井 でも、例えばプレーンヨーグルトだったら、1キロ食べても700カロリーくらいじゃないですか。


 なるほど、そうですね。


向井 私、物心ついた頃からずっと便秘だったんですよね。それで、先生が便秘で苦しまれたっていうお話をポッドキャストで聴いて「ああ、当時の記憶が蘇るなぁ」と思いました。下剤の使用感って、もう、地獄みたいじゃないですか。


本当にそうなんですよね。私の場合は、東京女子医大で大学病院の副院長をやっていた頃に、大きな医療事故があって。その責任者だったから記者会見を開いたり、警察や厚労省の対応、ご家族との対応……それらがすごくストレスで、腸が全く動かなくなってしまった。聴診器当てても、ぴくりともしないんですよ。最初は「病気かもしれない」「大腸がんかもしれない」と慌てて全部検査したんですけど、何もない。

それで、患者さんが飲む量の5倍、多い時は10倍くらいの下剤を飲んでいました。


早川 10倍……。


 そうすると、もう「不快な便通」を通り越して地獄ですよね。

ちょっと表現が生々しくて恐縮ですが、そうやって下剤を使った時の便通というのは、最初に石みたいなのがゴンと肛門を裂くように出てきて、そのあとは下痢になるんです。そうなると、便器に血がつくなんてもんではなく、鮮血がシャーっと出るんです。

トイレに行くとヘモグロビンが14くらいあったのが7くらいまで落ちて、本来なら即入院レベルの数値になってしまう。

自分が医者だったからなんとか耐えていたんですけど、いよいよ「これは無理だな」と思いました。

ストレスが原因だろうと思って、副院長も辞めて、全部の対応を終えて楽になったはずなのに、一度なったものは治らなかったんですよね。だから、もう自分を救うために必死で神グルトを作った、という感じで。向井さんのおっしゃる「地獄」という表現は、本当に身に染みて分かります。


向井 いやあ……本当に、便って出ればいいというものではないんですよね。私は子どもの頃から、母親がヨーグルトを与えてくれていましたけど、それでも便秘でした。だから「ヨーグルトなら何でもいい」わけじゃないという体感もあります。

実は私も20代の時に大病を患ったことがあって。病院通いが多くて体調も不安定で、クライアントワークができなくなってしまった時期がありました。私は割と強気な性格なので、「じゃあ自分でできる仕事を作っちゃおう」って思えたけど、会社員の方だったら「会社に迷惑をかけてしまった」なんて自分を責めてそこから立ち直れなくなる人も多いんじゃないかと思います。

だから、林先生ががん患者さんの就労支援や社会復帰が難しい人たちへの思いを語られていたのを聞いて、すごく自分の経験と重なって、素敵だなと思っていました。


📖詳しくはこちら📖


 いやあ、ありがとうございます。

ヨーグルトを作っても、最初は売るつもりはなかったんです。自分が開発したくて作って、それが効果的だったから、自分だけで食べていました。

一方で、がんの専門医として仕事をしていて、厚生労働省の「がん患者の就労支援プロジェクト」などに長年携わってきました。

でも、いくら周りの方に話しても、その場では「いい話ですね」と言ってくれても、実際には社会実装されないんですよ。10年やっても状況が変わらないので「もういいや」と。だったら、自分で会社を作ってモデルケースとして社会に発信したほうが早いと思ったんです。そこで「自分で作ったヨーグルトが売れるかもしれない」と思い至って、起業したわけですけど、蓋を開けてみたらもう、借金とか大変な思いをしてます(苦笑)。

でも、私たちと同じように便秘に悩む人は、おそらく日本に1000万人単位でいるんですよ。便秘症という病名がつく人だけでもそれくらいいると言われています。


早川 ええ、そうなんですか。


 それから、大腸を取ってしまって小腸にストーマを作ったりすると、1時間に一度変えなければいけないから、仕事の制限を余儀なくされますよね。それからがん自体は治っていても、リンパ節を取ったせいで片足が腫れ上がって、長時間座れないとか、モチベーションがあって、本人のメンタルは何も変わっていないのに、職場がなくなるなんてひどい話ですよね。彼らの力になるために、今の活動を続けていきます。


🧪まるで“エジソン”?
菌と向き合い続けた実験の日々


早川 向井さんは、一日にどれくらいヨーグルトを召し上がっているんですか?


向井 1000から1500グラムくらいです。


 健康診断とか問題ないですか? 高脂血症になったりしない?


向井 えっと、前の健康診断で色々指摘が入りまして(苦笑)。ビタミンC、鉄分、食物繊維を摂りなさいと言われて、そこを直してからは血液検査も引っかからなくなりました。


 素晴らしい〜〜。じゃあ、カロリーの大半がヨーグルトになっちゃうんじゃないですか?


向井 でも、例えばプレーンヨーグルトだったら、1キロ食べても700カロリーくらいじゃないですか。


 なるほど、そうですね。


向井 私、物心ついた頃からずっと便秘だったんですよね。それで、先生が便秘で苦しまれたっていうお話をポッドキャストで聴いて「ああ、当時の記憶が蘇るなぁ」と思いました。下剤の使用感って、もう、地獄みたいじゃないですか。


本当にそうなんですよね。私の場合は、東京女子医大で大学病院の副院長をやっていた頃に、大きな医療事故があって。その責任者だったから記者会見を開いたり、警察や厚労省の対応、ご家族との対応……それらがすごくストレスで、腸が全く動かなくなってしまった。聴診器当てても、ぴくりともしないんですよ。最初は「病気かもしれない」「大腸がんかもしれない」と慌てて全部検査したんですけど、何もない。

それで、患者さんが飲む量の5倍、多い時は10倍くらいの下剤を飲んでいました。


早川 10倍……。


 そうすると、もう「不快な便通」を通り越して地獄ですよね。

ちょっと表現が生々しくて恐縮ですが、そうやって下剤を使った時の便通というのは、最初に石みたいなのがゴンと肛門を裂くように出てきて、そのあとは下痢になるんです。そうなると、便器に血がつくなんてもんではなく、鮮血がシャーっと出るんです。

トイレに行くとヘモグロビンが14くらいあったのが7くらいまで落ちて、本来なら即入院レベルの数値になってしまう。

自分が医者だったからなんとか耐えていたんですけど、いよいよ「これは無理だな」と思いました。

ストレスが原因だろうと思って、副院長も辞めて、全部の対応を終えて楽になったはずなのに、一度なったものは治らなかったんですよね。だから、もう自分を救うために必死で神グルトを作った、という感じで。向井さんのおっしゃる「地獄」という表現は、本当に身に染みて分かります。


向井 いやあ……本当に、便って出ればいいというものではないんですよね。私は子どもの頃から、母親がヨーグルトを与えてくれていましたけど、それでも便秘でした。だから「ヨーグルトなら何でもいい」わけじゃないという体感もあります。

実は私も20代の時に大病を患ったことがあって。病院通いが多くて体調も不安定で、クライアントワークができなくなってしまった時期がありました。私は割と強気な性格なので、「じゃあ自分でできる仕事を作っちゃおう」って思えたけど、会社員の方だったら「会社に迷惑をかけてしまった」なんて自分を責めてそこから立ち直れなくなる人も多いんじゃないかと思います。

だから、林先生ががん患者さんの就労支援や社会復帰が難しい人たちへの思いを語られていたのを聞いて、すごく自分の経験と重なって、素敵だなと思っていました。


📖詳しくはこちら📖


 いやあ、ありがとうございます。

ヨーグルトを作っても、最初は売るつもりはなかったんです。自分が開発したくて作って、それが効果的だったから、自分だけで食べていました。

一方で、がんの専門医として仕事をしていて、厚生労働省の「がん患者の就労支援プロジェクト」などに長年携わってきました。

でも、いくら周りの方に話しても、その場では「いい話ですね」と言ってくれても、実際には社会実装されないんですよ。10年やっても状況が変わらないので「もういいや」と。だったら、自分で会社を作ってモデルケースとして社会に発信したほうが早いと思ったんです。そこで「自分で作ったヨーグルトが売れるかもしれない」と思い至って、起業したわけですけど、蓋を開けてみたらもう、借金とか大変な思いをしてます(苦笑)。

でも、私たちと同じように便秘に悩む人は、おそらく日本に1000万人単位でいるんですよ。便秘症という病名がつく人だけでもそれくらいいると言われています。


早川 ええ、そうなんですか。


 それから、大腸を取ってしまって小腸にストーマを作ったりすると、1時間に一度変えなければいけないから、仕事の制限を余儀なくされますよね。それからがん自体は治っていても、リンパ節を取ったせいで片足が腫れ上がって、長時間座れないとか、モチベーションがあって、本人のメンタルは何も変わっていないのに、職場がなくなるなんてひどい話ですよね。彼らの力になるために、今の活動を続けていきます。



早川 向井さん、6年前に林先生に会ったとき、神グルトについてどんな印象を受けましたか?


向井 やっぱりお医者さん目線で作られているから、メーカーの方が考えない角度から攻めているヨーグルトだと感じました。

確か当時、林先生が開発したものをどこかの乳業メーカーに委託しようとしたけど、再現できなかったと伺って。


 ああ、そうでしたね。


向井 本当にオリジナルなヨーグルトだとは、当時から感じていました。


林 私は今まで、ヨーグルトの作り方を食品業者さんや酪農家さんに聞いたことがなかったんです。そもそもヨーグルトを作ろうと思っていたわけじゃなくて、乳酸菌を薬として摂取するために開発していて、牛乳は単なる菌の培地だったんですよね。

色々混ぜているうちに結果的にヨーグルトになっただけで、成分は似ているけど作り方は全く違ったんです。

大手メーカーさんはヨーグルトを作るのに発酵室を使いますが、私は大学で研究に使っていた大きなインキュベーターを使って、Bluetoothで温度を管理して、15時間以上かけて作るんです。


早川 全然違いますね。


 でも最初は「自分で工場を運営するなんて無理だろう」と思って、委託しようとしたんですよ。神楽坂に販売所だけを作って契約して内装もして、「ここでは家内に働いてもらおう」って思って2人で準備してたんです。ところが、いざ委託しようとしてメーカーさんの工場に材料を送ったら、再現できないと言われる。

それで工場に行かせてもらって、気がつきました。どちらが良い・悪いではなく、そもそも作り方の発想が違うので、温度や混ぜ方を変えれば再現できるというレベルではなくて。そこで「これは無理だ、自分で工場もやるしかない」と思ったんです。


向井 ざっくり言うと普通の乳業メーカーさんって、菌を持ってくる方、設備を用意してくださる方、資金を提供してくださる方がいるんです。そこにあらかじめ用意されているヨーグルトのレシピがあって、それに則りながら「ここを少しアレンジしましょう」みたいなやり取りをして出来上がる。だから、当然「だいたいこうなるよね」っていう着地点が、最初からあるんです。

でも林先生の話を聞いていると「え、そんな菌入れるの?」みたいな話がいっぱい出てくる(笑)。糖化菌ですとか、ヨーグルトで聞いたことのない菌の名前がたくさん登場するんですよね。


 はい(笑)。


向井 それだけ菌や機能に特化しているのに、それでいて、ちゃんとミルク感があっておいしいんですよ。脱脂粉乳を水に溶かしても菌は培養できるはずなのに、ミルクの味を捨てていない、といいますか。

神グルトの製造について聞いていると「どんなそっけないヨーグルトが出てくるんだろう?」って思うんですけど、実際は本当においしいんです。

それに、ラッピングまで完璧に仕上げている。アウトプットがうますぎると思いました。


 ありがとうございます。でもね、おいしくなったのは偶然なんです。最初の1年半くらいは、ものすごくまずかった。効果だけ追求していたから、もう、食えたもんじゃなくて。

1回の実験で1リットルできちゃうので、そのうちの100ccくらいを無理やり飲んで、残りは捨てる、っていうのを毎日繰り返してました。


早川 これは向井さんのご意見を伺いたいんですが。最近ってヨーグルトメーカーとか、自分で作れる機械もありますよね。でも林先生はそれを使わず、自力で開発した。これって、業界ではありえないことですよね?


向井 ありえないですよ〜(笑)。

ヨーグルトメーカーも普及してますし、そもそも市販されている菌っておいしいものしか流通していないので、まずくなってしまう材料を手に入れることすら、本来は難しいことなんです。「実験段階とはいえ、何を入れたらまずくなるの!?」という(笑)。


 ああ、考えてみればそうですね。世界中の、それこそヨーロッパのどこかの村の菌とかも取り寄せて、いろいろ調べました。それらは基本的に美味しいんですね。でも、いろいろ試す中で神グルトに薬としての機能を求めて菌を調合したから、おいしくならなかった時期があったのかもしれない。

いわゆる整腸剤って、乳酸菌製剤とかビフィズス菌製剤が多いですよね。だから当時、製薬会社の人たちに来てもらって「乳酸菌ください」って頼んだんです。剣もほろろに断られることもありましたけど。

そうやって、ヨーグルトを作る前の培養の段階で、体に良さそうな菌をいろいろ試しました。酪酸菌とかもそうです。これが、まずくて食えない味なんですよ。どんな味って言えばいいか難しいんだけど……。でもこれが短鎖脂肪酸なので、いい効果を発揮するんですけど。


向井 ええ……。


 それを無理やり飲んでたんですよ。でも、後で分かったんですけど酪酸は飲んでも胃液や腸液で分解されて、全く意味がなかった。それでも、便秘が苦しいから飲んでいて。

そんなある時、いきなり「え、何これ、おいしい」ってなった瞬間があったんです。

それが見つからなかったら、今も作り続けていたと思います。


早川 いやあ、まるでエジソンのような話ですね。


 そうかもしれません(笑)。(了)