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【第15回】「好き」から広がる社会とのつながりとは?ヨーグルトマニアの視点&開発の裏側に迫る!

2026.02.28 14:45

今回は神ラジ初ライブ配信シリーズ第3回。ヨーグルト開発の裏側や、ヨーグルトマニア向井さんならではの視点、「好き」から広がる社会とのつながりを語ります。


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🐮ヨーグルトマニア・向井さんが
感動したヨーグルトをご紹介


【ゲスト】

◎向井智香(むかいちか)

ヨーグルトマニア/一般社団法人ヨグネット代表理事。大阪府出身。

同志社女子大学大学院文学研究科修了。

2011年に森永乳業から発売されたギリシャヨーグルトに衝撃を受け、SNSでヨーグルトのレポート掲載を開始。

25年12月現在での掲載商品数は3400種類以上。

日本各地を巡り、地域ごとの酪農・乳業の歴史や産業的価値、ヨーグルトの食文化を独自に研究。

ワークショップ、講演会、メディア出演等を通してその価値を語る。

22年には日本のヨーグルトを図鑑のように紹介する書籍『ヨーグルトの本』を上梓。

その翌年に一般社団法人ヨグネットを設立し、日本各地の中小乳業メーカーや六次化牧場を会員に迎えて「ご当地ヨーグルト」の魅力訴求に従事。

Podcast番組「ヨグネットのご当地ヨーグルト便り」不定期配信中。


***


 前回の続きですが、普通の材料だけだったら、多分効果ないんですよ。風味とか、硬さとか、香りとか、「ヨーグルトらしさ」は作れるかもしれない。でも、医学的にエビデンスが出るレベルの、強い健康効果は期待できません。


早川 なるほど。


 たとえば整腸剤を作る時って、どうやって作るかというと、赤ちゃんの便を全部スクリーニングするんですよ。その中から、最強の乳酸菌とかビフィズス菌を選んでそれをタンクで培養する。

神グルトに入っている菌も、そういうレベルの菌です。……あんまり言うと、企業秘密だから放送できないか。


早川 でも、真似できないじゃないですか。


 それもそうか。

不思議なのは、大手の製薬会社とか、発酵品開発室の方が神グルトをずっと買ってくれてるんです。でも、うん、多分真似して作れないですよ。だって私と同じように、実験過程のまずいものを食べ続けられないと思うから。


早川(笑)。

向井さん、これまで3,400種類以上ヨーグルトを食べてこられた中で、先生みたいに「医師が開発したヨーグルト」って、他にも見たことありますか?


向井 うーん、正直、聞いたことがないですね。「12種類の菌を使ってます」「お医者さんが監修しています」とかはあります。でも、お医者さんご自身が業界の常識を超えてゼロから開発しているケースは本当に見たことがない。


 面白いなと思ったのがね。向井さんと始めてお会いしたヨーグルトサミットというイベントで、懇親会があったんですね。その時、名刺を持って挨拶回りをしたんですよ。そしたら、3人に1人が「(ヨーグルト作りにおいて)どなたの指導を受けましたか?」って聞くんです。


早川 ええ。指導があるんですか。


 業界にそういう慣習があることもよく知らなかったんで、びっくりしました。基本は誰かに習って作るもので、支持する人によって系統が違ったりね、あるみたいですよ。


向井 工房に入らせてもらって研修して、独立するケースが多いんですよ。


早川 そうなんですね。

向井さんの中で、神グルト以外で「これは度肝を抜かれた」というヨーグルトってありますか?


向井 あります。「麹プレミアムヨーグルト」ですね。


これは十勝ミルキーさんという、十勝にあるメーカーさんが作っているヨーグルトで、麹が入っているんです。水切りヨーグルトと麹を合わせていて、発酵食品同士がめちゃくちゃマッチしている。それでいて、麹の粒もそのまま入っているし、チーズでもムースでもない未知の食感で……あれは感動しました。


早川 それはおいしそう……。

これだけヨーグルトを食べていると、「もう食べたくない」と思ったり、夢に出てきてうなされたりはしないですか?(笑)。


向井 夢の中でも、ヨーグルト食べてる時はあります(笑)。でも、ヨーグルトって本当にピンキリだから、食べたくなくなることはないですね。

果物入りだったらもうフルーツによって別物だし、加糖を食べたらプレーンが食べたくなる。常に違うものを食べている感覚です。


 健康効果、出てますよね。健康そうで、肌つやもよくて。


早川 お腹を壊したりはしないんですか?


向井 ほとんどないですね。ヨーグルトでお腹がゴロゴロするってよく聞きますけど「何それ?」って感じです。


 いやあ、向井さんはもう、選ばれし人だね。


🌈ヨーグルトを通して社会と向き合う
向井さんの魅力


 向井さんって単にヨーグルトが好きなだけじゃなくて、社会性があるんですよ。

さっき話の中で「今酪農の業界が苦しい」ってさらっと言ったけど、そんなこと考えながらヨーグルト食べてる人、ほとんどいないじゃない。

ヨーグルトを食べながら「作っている人はどんな人なんだろう」「その人たちが苦しんでいたら守らなきゃ」って思える。好きなことから始まって、仕事になって、さらに社会的な活動に波及していく。こういう向井さんの活動は本当に素晴らしいと思いますし、私自身もそういうつもりで生きてきたので、すごく共感します。


早川 本当にそうですね。

向井さんとしては、これまでの活動の中で、ターニングポイントはありましたか?


向井 答えになっているかは分からないんですが、これまで何度も「自分でヨーグルトを作らないの?」って訊かれることがありました。そうして考えるうち、自分は商品開発に興味がないんだ、って気づいたんです。じゃあ何が好きなんだろうって考えたら、商品そのものもそうなんですけど、できるまでの背景とか、ストーリー性にときめいているんだな、と。

現地に行って作り手の方の話を聞くと、皆さんの課題が見えてきて、ではどうアプローチすればいいかって考えるし、消費者が抱いているヨーグルトへの誤解が見えてきたら正していかなきゃ、と思う。そういうことが連鎖して、今がある感じですね。


早川 今の話を聞くと、アプローチは違っても、林先生と向井さんって精神的に共通するものがある気がします。


 うん。まっすぐ行っちゃうタイプだよね。


早川 経済活動ではあるものの、本当に純粋に、お金儲けは二の次で、ヨーグルトに向き合っていらっしゃる。


 そうそう、いまだにね、家を担保に入れてることも知らない人たちから「林は金に目が眩んで、バカ高いヨーグルト作って儲けてる」なんて言われることもありますから。

そういえば、ヨーグルトサミットの時にクラウドファンディングをして、向井さんがリターン品のTシャツを作ってくれましたね。そこに神グルトのロゴも入ってるから、今度収録のときに着てきます。


早川 向井さんの立ち上げたヨグネットについても、ぜひ教えていただけますか。


向井 私が代表を務める一般社団法人ヨグネットは、「ご当地ヨーグルト」というジャンルの認知を作るための非営利団体です。これまでの話で登場したヨーグルトサミットというイベントを続けるための運営母体でもあります。全国の乳業メーカーさん、牧場さん、それを支援したい消費者さん、容器メーカーさんなど関連会社さんが会員になって、会費でイベントや音声配信などを行っています。


早川 ありがとうございます。あっという間に終了時間が迫ってきているんですが、最後に向井さんから、林先生へ質問はありますか?


向井 じゃあ、これだけ。神グルトのオリゴ糖の量、すごくないですか?


 オリゴ糖は、多いです。さっき話した通り、神グルトって商品として作っていないところから始まっているじゃないですか。自分にとって効果があればよかったから、オリゴ糖も、どれくらいが私にとってベストなのか何万通りも試して、毎日実験していたわけです。

結果として、ベストな量がこれだけ入ったわけですね。(了)