不妊治療への支援について(一般質問より)
現在、我が国における出生数は減少の一途をたどっています。
先月公表された人口動態統計速報値によると、2025年1~11月までの出生数は64万5255人で、前年同期比2.5%減。年間の出生数を推計すると67万人を切る見込みであり、少子化対策は喫緊の課題です。
厚生労働省の調査によると、2022年に生まれた全出生児77万759人に対して、生殖補助医療で誕生した出生児は7万7,206人と、10人に一人となっており、その割合は年々増加しています。
また、不妊治療を受ける夫婦も増加しており、今や約4.4組に1組が不妊の検査や治療を経験していると言われています。私の周りでも多く見受けられるようになりました。
不妊治療に向き合う日々は、身体的にも精神的にも大きな負担を伴います。
千葉県として、子どもを望む方々の想いに寄り添い、希望を叶えられる環境を整えることは、最重要課題の一つであると考えます。そこで伺います。
不妊治療に取り組む方への相談支援について、県はどのように取り組んでいるのか?
不妊治療に取り組む方は、治療を継続することへの不安や、仕事との 両立、家族との向き合い方など、様々な悩みを抱えており、一人一人の状況に応じたきめ細やかな支援が必要です。
このため県では、相談者の利便性やプライバシーに配慮しつつ、幅広い相談を匿名でも受け付ける窓口として、「千葉県不妊・不育オンライン相談」を設け、不妊治療に関する専門的知識を有する認定看護師や、自身も不妊の経験を持つピアカウンセラーを配置して、不妊治療に取り組む方の心と体に寄り添った支援を提供しているところです。(健康福祉部長)
不妊治療と仕事の両立は、時間的な制約だけでなく、精神的な孤独感やキャリアへの不安など、就労者特有の重い課題を抱えています。
ご答弁にあった、オンライン相談窓口に専門看護師やピアカウンセラーを配置している点は評価いたしますが、働きながら治療に励む方々にとって、平日の日中や限られた時間帯での相談は、現実的に困難な場合が多いのではないでしょうか。そこで伺います。
働きながら不妊治療に取り組む方に対し、不妊・不育オンライン相談では、どのような配慮をしているのか?
「不妊・不育オンライン相談」に寄せられる相談の中には、仕事と治療の両立等に関するものも一定数あることから、就業しながらでも相談しやすいよう、相談日程を平日の夜間や休日にも設定するなど、相談者の利便性の 向上を図っています。(健康福祉部長)
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不妊治療は通院頻度が高く、また排卵周期に合わせて休みをとることが必要となるため、仕事との両立に悩む声もいただきます。
先の厚生労働省の調査では、不妊治療をしたことがある人のうち、両立ができずに仕事をやめた方が10.9%、雇用形態を変えた方が7.4%、両立ができず不妊治療をやめた方が7.8%との結果でした。
国では「くるみんプラス」などの認定制度や助成金を通じて、仕事と不妊治療の両立を後押ししています。しかし、実際に支援制度を導入している企業は、約4分の1(26.5%)にとどまっており、普及が大きな課題です。
不妊治療休暇制度の導入など、仕事と不妊治療を両立できる「職場環境づくり」については、県が後押しするべきではないでしょうか。そこで伺います。
働く人が不妊治療を受けやすい環境を整えるため、県として企業にどのような働きかけを行っているのか?
不妊治療を経験した方の中には、仕事との両立が困難なことを理由に離職を選択した方もいることから、企業による両立支援の取組を広げていくことが大切であると認識しております。
県では、中小企業の希望に応じて専門家を派遣し、柔軟な勤務制度や働きやすい職場環境の整備に向けた助言を行う伴走支援を実施しているところです。また、国が作成する「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」を経済団体へ配付するほか、労働関係情報誌などを通じて国の両立支援等助成金について広く周知しています。
今後も、国や関係機関と連携して、治療と仕事の両立支援制度の一層の 周知を図るとともに、安心して治療を行いながら働き続けられる職場づくりの支援に取り組んでまいります。(商工労働部長)
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不妊治療の長期化は、出口の見えない不安や、周囲の理解不足による孤独感を生み、精神的な健康を損なうケースもあるため、当事者が必要な時にアクセスでき、気軽に相談ができる体制づくりが求められます。
他県では、LINEを活用した24時間のチャット相談を実施している所もあるようですので、妊娠や出産に関する悩みについて、SNSを活用した相談体制づくりにも取り組んでいただくよう要望しました。
不妊治療の保険適用には年齢制限や回数制限があります。また、先進医療は全額自己負担であり、1回の治療で数十万円の支出となることも珍しくありません。
東京都をはじめ県内の自治体においては、国の制度に上乗せする形で、先進医療費の助成や、回数制限後の治療に対する独自支援を始めています。
本県においても、経済的理由で治療を断念することがないよう、県独自の助成制度を創出していただくよう要望しました。
【参考資料】
不妊治療に関する取組(厚生労働省)