盲ろう者への支援について(一般質問より)
昨年、国連において、ヘレン・ケラーの誕生日である6月27日を「国際盲ろうの日」とすることが決議されました。これは、視覚と聴覚の両方に障害を併せ持つ盲ろう者の権利尊厳と、社会参加の重要性が世界共通の課題として認識された画期的な出来事です。
この機会を捉え、盲ろう者への理解を深めることは、千葉県が目指す「共生社会の実現」において極めて重要な意味をもつと考えます。
盲ろう者の方は、周りの人とのコミュニケーションが困難であるだけでなく、一人で安心して外出することや、情報を入手することも困難であり、社会参加を推進するためには支援が必要です。そこで伺います。
盲ろう者の社会参加の推進をはかるため、県はどのような支援を行っているのか?
視覚と聴覚の両方に障害のある盲ろう者は、見え方や聞こえ方の程度が、人によって様々であり、情報の取得方法やコミュニケーション方法も異なることから、盲ろう者の社会参加を推進していくためには、一人一人に合った支援を行っていく必要があります。
このため県では、千葉県盲ろう者支援センターを設置し、当事者やその家族からの相談に応じ、情報提供や生活上の問題解決に向けた支援を行うほか、盲ろう者の意向に沿って、コミュニケーションや歩行などの訓練を実施するとともに、意思疎通の支援や外出時の介助などを行う通訳・介助員を派遣しています。
今後も、盲ろう者が社会に参加し、その人らしく地域で暮らせるよう関係団体の意見を伺いながら、盲ろう者のニーズに合った支援に取り組んでまいります。(健康福祉部長)
盲ろう者の社会参加を支える命綱とも言えるのが「通訳・介助員」の存在です。
盲ろう者向けの通訳・介助は、単なる「言葉の通訳」に留まりません。移動の際の安全確保や、周囲の状況を説明する介助が不可欠であり、身体的・精神的な負担は極めて大きいものです。にもかかわらず、現在、多くの自治体において、盲ろう者向けの「通訳・介助」の報酬単価は、聴覚障害者向けの「手話通訳」の報酬単価と同等、あるいは低く設定されている実態があります。
手話通訳に加えて、移動の安全を守る「介助」という高度な専門性と責任が加わっているにもかかわらず、報酬単価が低いというのは説明がつきません。
折からの物価高騰により、ガソリン代や生活コストが上昇する中、通訳・介助の担い手を確保するためにも、待遇の改善が求められます。そこで伺います。
盲ろう者向け通訳・介助員の確保について、県はどのように取り組んでいるのか?
盲ろう者向け通訳・介助員は、コミュニケーションや移動の支援を行うなど、盲ろう者の自立や社会参加に重要な役割を担っていることから、継続的に人材を確保していく必要があります。
このため県では、県ホームページにおいて、通訳・介助員の活動内容を紹介するとともに、毎年度、通訳・介助員を養成するための研修会を開催しているほか、処遇改善の観点から、昨年4月に報酬単価の引上げを行ったところです。
引き続き、盲ろう者が日常生活や社会参加に必要な支援を受けられるよう、通訳・介助員の確保に取り組んでまいります。(健康福祉部長)
◇
平成16年に、通訳・介助員派遣事業の報酬単価を検討した際は、当時の全国盲ろう者協会の報酬単価である1,660円に合わせて設定されたと伺いました。
以来、報酬単価の改定は行われず、昨年の4月にようやく50円アップしていただき、1,710円となりました。このことについては評価したいと思います。しかし、現在、全国の報酬単価は2,000円になっており、未だに差が生じている状況です。
他の自治体では、報酬単価が2,500円や3,000円のところもあるようです。
通訳・介助員派遣事業の報酬単価については、物価高騰の影響を考慮するとともに、業務の専門性に見合った適切な単価へ引き上げていただくよう要望しました。
【参考資料】