製造業になりきれない土壌の掟「連作障害」
2026.03.09 21:26
農業を単純に製造業と割り切れない大きな要因の一つに「連作障害」があります。これは、同じ場所に同じ仲間の作物を作り続けると、特定の病原菌が増えてしまったり、特定の栄養素が毎回吸われ土壌の栄養素に偏りが生じたりしてしまって、作物がだんだんとうまく作れなくなることをいいます。お米や果樹はそんなでもないのですが、こと野菜に関してはすこぶるこれには敏感で、基本的には毎作毎作場所を変えないといけないという土壌環境からの要求があります。この制約はなかなかしんどく、次はどの場所になんの野菜を栽培するのかを常に頭の中で考えていて、これが答えのないパズルみたいなもので、それに、もし連作できたら立てた支柱も、張った防草シートもはがさなくていいので、これはどんなに楽に計画が立てられるだろうと、いつも思ってしまいます。一方色んな種類の野菜で、植え付ける畑をローテーションしていくことを「輪作」といいます。輪作を余儀なくされる製造業を想像すると、ちょっと考えただけでもこれはよほど儲からなさそうですが、土壌消毒や化学農薬を使うというのはそれにある程度近づけたいという安定生産的な大きな意義があります。逆に言うと土壌消毒も化学農薬も使わないということは、輪作をし製造業的なスタイルまでまっすぐいかず、安定生産を相対的に一部手放すということなのですが、土壌について知れば知るほど農業はむしろこちらの方が実は素直な理屈なんじゃないかという気がしています。儲かりにくいけどやはりぼくは、有機農業&多品目栽培&輪作&野菜セットみたいなやり方に魅力をかんじてしまいます。
(ニュースレター記事より)