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茶色くシミができてしまったお着物のお直し

2026.03.12 04:55

こんにちは、ちとせや呉服店です!


先日、お母様が着ていた振袖を、娘にも着せてあげたいとご相談にいらしたお客様がいらっしゃいました。

お持ちいただいた振袖は、とても上質なお品。

けれど長い年月の中で、全体に茶色いシミや汚れが目立つ状態でした。

「思い出の着物なので処分はしたくないけれど、このままでは着せてあげられなくて…」

そんなお気持ちを伺い、ちとせやでは職人の手仕事による丁寧なメンテナンスをご提案しました。

まずは振袖全体の洗いとシミ抜き。

長年の保管によってできた汚れやくすみを、一つひとつ状態を見ながら丁寧に落としていきます。着物の生地はとても繊細なため、強い処理をすれば良いというものではありません。職人が布の状態を見極めながら、整えていきます。反物の状態に解き、洗い張りというお手入れです。


次に、茶色く変色してしまった部分の補正作業です。

シミを落としても完全には戻らない箇所には、周囲の色に合わせて職人が少しずつ色をさしていきます。筆で染料を重ねながら、柄や地色に自然に馴染むよう微妙な調整を行う、とても繊細な仕事です。遠目には分からないほど自然に整えていくこの工程は、まさに熟練の技術と言えるものです。

さらに今回は、せっかくお嬢様がお召しになる機会ということで、金彩の工芸加工も施しました。

柄の一部に金彩を加えることで、光を受けたときにきらりと輝き、振袖全体の華やかさがぐっと引き立ちます。職人が一つひとつ手で加工していくため、機械では出せない柔らかな立体感と品のある輝きが生まれます。

こうして、洗い・シミ補正・色かけ・金彩加工といった工程を経て、振袖は少しずつ美しさを取り戻していきました。


裏地もかなり変色が見られたため、新しいものに交換致しました。



着物は、ただの衣服ではなく、人の想いや時間をつないでいくもの。

お母様が袖を通した振袖が、今度はお嬢様の晴れの日を彩る。

そんな大切なお手伝いができたことを、私たちもとても嬉しく思います。

思い出の着物を、これから先の世代へ。

お手入れやお直しのご相談も、どうぞお気軽にお持ちください。

※他店で購入されたお着物や、ご自宅に長く眠っているお着物のご相談も承っております。