障害年金の額改定請求とは?――等級を見直してもらえる場合
クラリ社会保険労務士事務所 代表社会保険労務士の氏川です。
障害年金を受給している方から、
- 「前より状態が悪くなっているのに、今の等級のままでいいのだろうか」
- 「更新までは待たないといけないのか」
というご相談を受けることがあります。
そんなときに関係してくるのが、額改定請求です。
これは、障害年金を受けている方について、障害の程度が重くなったときに、現在の年金額(障害等級)の見直しを求める手続きです。
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額改定請求は「不服申立て」とは別です
ここはよく混同されます。
額改定請求は、過去の決定に対して「その判断はおかしい」と争う手続きというより、受給後に障害の状態が重くなったことを前提に、今の等級を見直してもらうための手続きです。
ですので、
- 最初の請求自体が不支給だった
- 本来もっと高い等級だったはずだと考えている
- 過去の決定そのものを争いたい
という場面では、額改定請求ではなく、別の検討が必要になることがあります。
ここを取り違えると、進め方を誤りやすいので注意が必要です。
いつでもできるわけではありません
額改定請求は、思い立ったときにいつでもできるわけではありません。
原則として、次のいずれかの日から1年を経過していないと請求できません。
- 年金を受ける権利が発生した日から1年
- 障害の程度の診査を受けた日から1年
もっとも、例外的に、障害の程度が明らかに増進したといえるような場合には、1年を待たずに請求できることもあります。
「まだ1年たっていないから無理」と決めつけるのも危険ですし、逆に「悪くなったからすぐ請求できるはず」と考えるのも早計です。
このあたりは、個別に状況を見ながら判断する必要があります。
精神の障害では「悪化した」がそのまま伝わらないことがある
精神の障害年金では、ご本人やご家族としては明らかに悪化していると感じていても、書類上それが十分に伝わらないことがあります。
額改定請求は、単に「前よりつらいです」と伝える手続きではありません。
現在の生活状況や就労状況、通院や服薬の内容、家族の援助の実態などを含めて、今の状態がどう評価されるかを意識して整理していく必要があります。
特に精神の障害では、
- 症状の波がある
- 家の中では何とか過ごせても外では難しい
- 家族の支えがあって生活が成り立っている
- 就労していても強い配慮が必要
- 通院や服薬を続けても安定しない
といった事情があり、これらをどう書類に反映させるかで見え方が大きく変わります。
更新を待つべきか、額改定請求を考えるべきか
「どうせ更新があるなら、それまで待てばいいのでは」と思われる方もいます。
もちろん、更新のタイミングで等級が見直されることはあります。
ただ、状態が悪化している場合には、更新を待つのではなく、額改定請求を検討した方がよい場面もあります。
一方で、今の時点ではまだ資料の整い方が弱く、更新まで待った方がよいケースもあります。
つまり大事なのは、
- 今請求すべきか
- まだ時期を待つべきか
- 診断書にどこまで現状が反映できるか
- 現在の状態をどう整理するか
という見極めです。
自分で判断すると難しい手続きです
額改定請求は、制度だけを見ると「悪くなったら申し立てればいい」と思われがちです。
ですが実際には、
- そもそも額改定請求でよい事案なのか
- 不服申立てを考えるべき事案ではないか
- 原則の1年要件をどう考えるか
- 現時点で診断書を取るべきか
- 更新を待つ方が有利か
など、判断が分かれるポイントが少なくありません。
ここを誤ると、本来選ぶべき手続きと違う方向へ進んでしまうことがあります。
まとめ
額改定請求は、障害年金を受給している方が、障害の程度の悪化に応じて等級や年金額の見直しを求める手続きです。
ただし、
- 原則1年を待つ必要があること
- 診断書が重要であること
- 年齢による制限がある場合があること
- 不服申立てとは役割が違うこと
といった点を押さえておかないと、かえって遠回りになることがあります。
クラリ社会保険労務士事務所では、更新を待つべきか、額改定請求を検討すべきかを含めて、現在の状態と手続きの選択肢を整理しています。
「前より悪くなっているのに、このままでいいのかわからない」という方は、早めに検討しておくことをお勧めします。
クラリ社会保険労務士事務所では、愛知県津島市を拠点に、障害年金の請求代行をはじめ、労働トラブルのご相談や就業規則の作成・見直しなど、幅広い社会保険労務士業務を行っています。
特に障害年金については、多数のご依頼をいただいており、初回のご相談から丁寧にサポートいたします。
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