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Bellydance Najm Fukuoka

エストニアの深夜〜コンペ当日の想い

2026.03.16 00:09

2026年2月27日。エストニア時間午前4:06分。私は今、エストニアのCity Hotel Tallinの部屋でこの記事を書いている。今日はコンペ当日の未明だ。


散々なすったもんだの挙句、昨日はようやくタリン入り。フィンランドのヘンシンキ・ヴァンター国際空港から、プロペラ機でエストニア・タリンへ。相当疲れていたのか、狭い機内でぎゅうぎゅうな状態で座ったのは覚えているが、気付くと私はタリンに着陸していた。


小さな飛行機のタラップを降り、水を含んだシャーベット状の雪が積もるアスファルトを空港建物まで歩いた。強風と雪。天気は荒れ模様だった。


タリンの空港はこぢんまりとした可愛い雰囲気で、入るとすぐにカフェとスポーツジム、お土産屋さんが並んでいて、近所のイオンみたいな雰囲気。雰囲気に流され、一瞬スーツケースのピックアップを忘れそうになる程、空港っぽく見えない。


荷物をピックアップして、空港ロビーへ。

外は吹雪いている。ロシア人の団体が居て、ロシア語の会話が聞こえてくる。聞き慣れた言葉にちょっとだけホッとする。


周りから聞こえてくるのはエストニア語、フィンランド語、中国語。どれもさっぱりわからない。知っている単語、発音出来る言葉が一つも無い軽い不安感。


実は、事前に少しエストニア語を勉強しようと試みていたが、なんだかんだで忙しくて三日坊主になってしまった。

結局、覚えているエストニア語は、

こんにちは→Tere

ありがとう→Aitäh

たった2つだけだ。


軽くお腹が空いていたので、ロビーのベンチに座り、日本から持参した大きなどら焼きを半分たべた。


食べ終わってから、雪道の移動を考え、パソコンと衣装が入った重いリュックをスーツケースの中にひとまとめにして機動性を上げた。さぁ、この暴風雪の中、タクシーに乗らずにバスと徒歩でホテルまで移動だ。


わたしは海外では殆どタクシーは使わない。

出来るだけ現地の人のようにバスに乗り、歩いてその国の細かな景色や空気感を味わいたいのだ。不自由さはあっても、その感覚はその国をより深く体感する為のエッセンスのようなもので、私の海外旅行の醍醐味、楽しみの一つなのだ。


細かな雪と強風が荒れ狂う暴風雪、

バスの中の激しい揺れ、(日本には無い感じ)

異国感満載の車窓の景色、

カードタッチで乗る作法、(日本より緩い)、

降りて歩く道々の中世の街並み、

シャーベット状のべちゃべちゃのグレーの雪、

凍った路面と水溜り、

雨が服を濡らすけど、風で凍る感じ、

凍ってて、掴むと逆に危ない階段の手すり、

つららだらけの車、

わかりづらいホテルの入り口とフロント、

高い階段のエントランス。 


悪天候の中、わざわざバスに乗り、重たいスーツケースを引きながらナビを片手にひたすら凸凹の雪道を歩いた。


濡れるし滑るし、階段や道なき道もあり大変だった。途中、iPhoneの画面が濡れ、操作出来なくなって立ち止まったりもした。


でも、タクシーで楽をすると味わえない、現地のナマの醍醐味を満喫できる。旅先の苦労は私のメンタルを鍛え、対応力と感性を磨いてくれる。


…そうして何とかホテルの前に到着したのだが入り口が皆目分からない。予約したホテルと名前が違う。それ以前にこの入り口はオフィスなのか何か別の施設なのかわからない。重厚な扉と、昔ながらの高い階段のある入り口。しかも雪で凍っている。スーツケースを持ち上げるのも一苦労だ。


…ただここで途方に暮れても、濡れるだけでどうにもならない。

私はその扉を開け、中に入った。


小さなロビーカウンターらしきものがあり、呼ぶとスタッフが出てきた。

英語で、

『今日から宿泊の予約をしているのですが、チェックインはここでいいですか?』と伝える。

すると、パスポートを見せてくれと言われ、言われるままに差し出した。結果、ここで正解だった。カードキーを受け取り、『ホテルはこの建物の左側』と案内された。やはりナビが示したここは私が予約したホテルではなかった。イギリスの時と同じ展開だ。


悪天候の中、何とかホテルに辿り着き、部屋で荷物を解く。このエストニア遠征の為に手に入れたsorelのスノーブーツとTHE NORTH FACEのロングダウンがいい仕事してくれた。ちっとも寒くないし、足も冷たくならないし、身体まで濡れない。現地の気候に合わせた装備の大切さを痛感した。


ホテルのチェックイン時間は15:00だったが、13:00に入れてもらえたのは本当にラッキー。この悪天候の中、観光に行くのはどう考えてもリスキー。


明日がコンペでないならそれも良しだが、コンペ前日にムリは禁物。私は日本から持参したカップ麺で身体を温め、空腹を満たした。


少し休憩してから、徒歩10分程の所にあるスーパーへ。ヨーグルト、チーズ、黒パン、サラダ、水、お土産用の小さなお菓子を買った。全部で25€くらい。(日本円で4500円位)

先程までの雨が止み、強い風でべちゃべちゃの雪が凍って路面はツルツルになっていた。ペンギン歩きで往復した。これも良い経験。


ホテルに戻り、リュックにコンペ用の荷物を詰め、買ってきたサラダとチーズを黒パンに乗っけて食べた。美味しかった。


ロシアに行った時もそうだったのだが、スラブ圏の黒パンとチーズ、ヨーグルトは本当に美味しい。こんなささやかな食事も、旅の大きな楽しみの一つ。食べたら急に身体が休息モードになり、そのまま夜中まで寝落ちしてしまった。そうして今、この記事を書いている。


…いよいよ今日はコンペ当日。

私に出来る唯一の事は、

【エストニアで踊れる事を最大限に楽しむ】

これだけだと思う。


・失敗を恐れない

・うまく踊ろうとしない(上手くないから無駄 笑)

・音楽から感じる【感情】を見る人に届ける

・そして何より、ここで踊れる自分自身を楽しむ!!

もうそれでいいじゃないか。


失敗してもそれはダメじゃない。今の自分の精一杯なんだから受け入れよう。失敗を恐れたり許せなかったりするからしんどいんだな、と思う。


踊るって、自分の人生を生きる事であり、踊りはその【縮図】なんだと最近よく思う。良い時も悪い時も、喜びも悲しみも怒りも全て踊りの中に凝縮されている。


だけど踊っている時の自分は、

自分の別人格の双子みたいなもので、

今このnoteを書いている私とはまた違った存在でもある。


今、朝の5:01。

さぁ、もう今日が始まっている。

あと12時間後、私は会場に居る。ダリナとの再会を喜び、ハグしてるかもしれない。(去年のロンドンでの再会を思い出す)


17:15、ステージで床の具合を確かめつつ、他の出場者と共にリハーサルをしている。中には去年ロンドンで友達になったダンサーも居る。同じカテゴリーで踊る彼女達との再会も楽しみだ。


そして13.5時間後

私は本番を終えている筈だ。


限りある、特別な今日1日を楽しもう。


例えうまくいかなくても、私は私のできる限りの事を準備してきた。エラーやバグは醍醐味だ。その都度訂正すればいい。どんな経験も今後の人生の為の栄養でしかないのだから。


恐れずに、全て静かに受け入れよう。

今日を最大限に楽しむ準備は出来ている。