オルレアンの少女23-ランスへ!トロワ無血開城
2019.03.10 10:34
仏軍の常識はずれの速攻でパティは大勝利、ここで英軍自慢の長弓隊が壊滅した。怖れがないはずのシャルルだが、まだ逡巡していたのである。まあ臆病というか慎重というか、これがシャルルでありフランス王である。こんな王家がジャンヌを使って、何かを画策できたとはとても思えない。とうとうジャンヌは王の前から姿を消し野宿、ようやく重い腰をシャルルはあげる。
しかしランスはパリより遠く、東部を支配し、敵対しているブルゴーニュ領を突っ切っていくことになる。まさにフランスの王位を賭けた行軍であった。そのためシャルルとジャンヌは、ブルゴーニュ候に当ててランスの戴冠に参列するよう手紙を書いている。6月29日、シャルルは1万2千の兵をあげて出発した。
30日からすぐオーセールでブルゴーニュ軍と競り合うも結局、軍に食糧供給を保証、そして軍は大都市トロワへ向かう。ジャンヌとシャルルはトロワに対して逆らわぬよう手紙を書き、向こうからも使者を送ってきた、目的は聖職者によるジャンヌの見分。彼女は「勇気をもってもっと近寄ってらっしゃいよ」と笑って言った。
攻撃法について相変わらず意見はまとまらない。ジャンヌが入って、「評定をやめて、トロワの包囲をしてください、そうすれば3日以内に入城できるでしょう」と言ったとル・バタールが証言している。事実彼女は一人でその日の晩うちに包囲をしてしまった。翌日、街の住民は震えあがり、すぐ降伏して、7月10日、軍はトロワ入城を果たした。
下はシャルルとジャンヌに市の鍵を渡す市民