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KANGE's log

映画「スパイダーマン:スパイダーバース」

2019.03.10 12:37

試写でIMAX3Dで観ました。

劇場で「ヴェノム」を見た際に、オマケで本作の映像が流れました。原作コミックを知らないので、「えらくスタイリッシュなグラフィックだけど、どんな話なのかまったく分からないぞ」と思ったのを覚えています。

スパイダーマン映画は、新作が公開されるたびに、その映像表現に驚かされるのですが、そのインパクトは、本作は過去イチだったのではないでしょうか。

3DCGアニメでセルアニメ的な表現を取り入れたものというのはこれまでにもあったと思いますが、本作では、コマ割りや効果線、擬音語なども使って、1カット1カットがそれぞれコミックの1コマのように見せるという、コミックスの表現もアニメで再現するというチャレンジをしています。そして、それが見事に成功しています。これだけでも気持ちのいい体験ができました。

そして、メッセージもストレートに語られています。

これまでのピーター・パーカーのスパイダーマンだけではなく、いろいろな次元で、年齢・性別・人種、動物種までも多様なスパイダーマンがいることが分かりました。逆に言うと「誰もがヒーローになれる」ということですね。

マイルズ・モラレスが、新しいスパイダーマンになる過程で、「スパイダーマンとは何か」、そして「ヒーローとは何か」ということも浮き彫りになってきます。

一方、登場人物が多いので、一人ひとりの背景、物語が見えづらいという問題はあるかと思います。メインどころはある程度語られてはいるのですが、例えば、「父親と叔父さんの間に何があったのか」「なぜ、スパイダーマンだけが次元のゆがみで移動してきたのか」「なぜ、プロウラーはそんなことをやっているのか」「なぜ、みんなグーバーという存在を知っているのか」いろいろ気になるところはあります。

それらのいくつかは、今後の作品で語られることになるのかもしれません。

実写映画だと、どうしても俳優が年を重ねてしまうので、同じシリーズを長く続けていくことは難しいということはあると思います。いろいろな次元のスパイダーマンがいるとはいえ、少年(高校生)が主人公というのは、スパイダーマンの重要な要素だと思います。その点においても、本作は長く続くシリーズのポテンシャルがあるのではないでしょうか。

ただ、本作の「他次元では長くは生きられない」という設定は、今後スパイダーバースで次元を行き来する際に、足枷になるのではないかと、ちょっと心配になりました(足枷がドラマを生むこともあるかと思いますが)。