カメラ小僧からの教材

2019.03.10 12:59

父は昔写真が趣味で

それはそれは没頭していて


カメラやレンズをいくつも揃えては

写真を撮りに出掛けていた


その趣味は母の共感は最後まで得られず

日に日に増えていくフィルムに当時母はため息を漏らしていた


それでもシャッターを切ることは

父をイキイキさせてくれている原因になっているのは間違いなさそうだった



そんな父が先日

私達夫婦にその道具一式を譲ると言う

もうカメラ小僧は卒業して十何年も経っていた


『誰か必要としてくれる人の手に渡してくれ』


受け取った私達はどれ程の価値があるのか

全く分からないまま『欲しい』と言ってくれる人を探した


ネットで募集したところ

たくさんの人が手を挙げてくれた

大事に使ってくれそうな方々に無事

お届けすることができた


何だか嬉しかった

良かったね、カメラさん


バイバイ




私の目には父が昔使っていた

古くて使い物にならないカメラに

映っていたけど

それがまた人を喜ばす事ができるものだったなんて

受け取った人の嬉しそうな顔が浮かぶ


どこに価値を見出だすかなんて

本当に人それぞれなんだなと改めて実感


価値を見出だすことに

魅力を感じた瞬間だった