Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Baby教室シオ

提案『理解の深さにフォーカスして』

2026.04.06 00:00

私の経験上、教育熱心なご家庭ほど子供に学習や多くの経験を与えようとされています。実際お与えになっていると感じています。体験や経験が多くあることは刺激となるので賛成ですが、実は学習面での大量プリントが子供達の質の良い学習の妨げになっていることは少なくありません。つまりプリントの大量に増やしがちだと良質な学習には結びにくいということです。

私はプリントの量が増えれば増えるほど子供が雑に回答をしているのを目にしてきました。雑にこなすということはどのようなことかを以下に記します。ご自身のお子さんが当てはまっていないか確認をしてみてください。

1、理解が浅くなる

大量プリントをこなしている場合には問題文を読まずに回答を始めてしまいます。しっかりと読んで回答をしなければならないのですが、大量プリントをこなすための意識が働き「こんなものだろう」と早く終わらせてしまいます。よって問題文の変化に気づかず落とし穴に落ちて誤回答します。これは理解が浅くなる結果を招いてしまうため「なぜそうなるのか」「どのように回答することがベストか」「出題者の狙いはどこにあるのか」などを考えずに解く癖がつきます。結果として、応用問題や少し形式が変わった問題に弱くなり、学習の質を上げることも、子供の能力を上げること自体が大変難しくなりますが、それ以上に注意散漫さを身につけてしまいます。


2、思考力より作業力に偏る

途中入室で某教室から移る生徒さんの特徴として同じ形式の問題を大量に解くということを積み重ねていると、同じ問題を解くパターン処理学習には強くなりますが、考える力・工夫する力が育ちにくくなります。事実この某教室から移ってくる生徒さんの多くは私の作るハイレベル問題には悪戦苦闘し、思考力のトレーニングをしていない状態なので初めの問題から自力で回答できない状態となっています。パターン学習は単純作業になりやすく、考えて問題を解くということの連続性がないため思考力が育っていないといえます。また乱雑や煩雑さを身につけてしまう面もあります。


3、やる気の低下

夏休みに多くの問題集や参考書を目の前につまれたご経験はあるでしょうか。夏休みだと大量プリントを目の前にし俄然やる気を出す子もいれば、気持ちが沈んでしまう子もいます。日常の連続で終わらない量を前にすると、子どもは「やらされている感」を強く感じ、やる気をなくしてしまいます。達成感を味わうよりも疲労やストレスが勝り、勉強そのものを嫌いになるリスクがあります。このような親が良かれと思って行う大量プリントを最初から与えてしまうことには大きなリスクがありますが、学習のコツを押さえ、問題を多く解く喜びを獲得させた上で処理能力が高く、同じ解法ばかりを求めることのないプリントを多く行うことには意義があるのも事実です。それは小学低学年でも早取りをしている生徒さんや中学受験以降の年齢に当てはまることで、幼児期には当てはまらないと考えます。


4、時間のバランスが崩れ、親子関係の悪化

大量プリント学習をこなすことことで遊びや休息そして体験の時間が減ると、結果的に好奇心や社会性の発達にも影響が出ることがあります。また「まだ終わってないの?」「早くやりなさい」といった親の声掛けが増え、子供にとっては学習がプレッシャーとなり、親子の対立の原因になることがあります。大量プリントを行わない場合でも親子関係が崩れる場合がありますが、その多くが親御さんの不理解とそもそも理解しようとしていないまたは関心がない無理解が原因です。

記憶力や理解力、思考力及び処理能力が身についている子供であれば多くのプリント量をこなすことはできます。しかしそれらの力が身に付いていない段階で大量のプリントを学習に反映させることは良い結果は出ません。ではどうするのかを今日の本題として記してまいります。


ズバリ、こうしてください。

「量より質」にシフトする。「やった時間ではなく、頭を使った深さ」に変える実践を行うことです。 詰め込みではなく「理解の深さ」にフォーカスする日々を繰り返します。

ここから具体的な方法の説明に入ります。

1、しっかりと子供を観察し、関わりを持つ

耳の痛い話をしておきましょう。親御さんはお子さんがプリントを行った場合、子供が学習している途中の様子を見ることなく結果だけでジャッジして終わりにしていることも多いと思います。子供が一人でしっかりと学習ができるまでは様子を見ておくべきです。あるとき私が未習得、親御さんが習得したと判断し、私と親御さんの間に理解の齟齬が生まれました。私は観察力のコツを掴んでいるので本当に理解している子供と理解していない子供の様子は熟知しています。しかし親御さんでも子供の様子を毎回5分見ていれば理解できていないこと、理解しつつあること、確実に理解できたことに気づくはずです。子供の目が左右に動き、プリントの中に答えを探す様子を見ていれば未習得と気付いたでしょうが、記入後の答えだけを見ていた場合では未習得を見抜くことはできません。子供自身が深い思考力で自力学習ができるまでは見守りは必要だと考えます。

このようなことをお話しすると忙しくて関われないというご意見を頂戴しますが、学習の勤勉さを身につけるまでは必要不可欠な親の見守りです。お勤めをなさているご家庭こそ、この時間を捻り出してでも作るべきです。また携帯でインスタグラムや動画を見る時間があるのであれば、子供に向き合う時間は取れるでしょう。子供が勤勉を身につけず学校生活を9年、12年・・・と送ることを考えたらゾッとしてしまいます。そう考えると手取り足取り子供につきっきりだとお考えになり、見守りすることが苦しくなる親御さんもおられるでしょうが、近い将来、子供自身が自分自身の力で学びを進める自学習に向かわせる時期が到来します。幼児期の勤勉学習を身につけなければ学習のしっかりとした積み上げは厳しいと考えます。もし勤勉さを身につけなければ、親は毎日学習をさせる行動をとらなければなりません。そして学力の程度に気を揉み声を上げる事も生じるでしょう。そうならず子供が勤勉に学ぶ素養は幼児期から小学校低学年に行われるべきものです。

先に子供との関わり時間は作り出すものだと述べましたが、私の経験上、そしてこれまで私の中で確かな歩みを遂げてきた生徒さんは、確実に親御さんがメリハリをつけてお子さんとの関わりの重要性を理解し取り組みを実践しておられます。親御さんの中に子供との関わりが面倒だ、煩わしいな、自分の時間を取られるようで子供だけで頑張って欲しいと頭のどこかをかすめてしまっているようでは、子供が物事を深く理解することや学習の質、ひいては子供の思考の深さを獲得することはできません。答えのない学びには完璧さや親の誘導を求める必要はありませんが、確実な答えがある学習は確実な積み上げがなければいつか歪みが出て崩れてしまいます。




2、「やりっぱなし」をやめて「振り返り1分」

どんな学習でも最後にこの「振り返り1分」を入れるだけで学習の質が一気に上がります。勉強の最中にポイントを押さえつつ言語化させ、レッスンの直後に、そしてそして寝る前に振り返しを行います。

「今日学んだことのポイントは?」

「今日一番おもしろかったことは?」

「これってどういうことだった?」

「今日の学びを誰かに説明するとしたら?」

という声掛けだけで『考えて言葉にする』ことを実行するので理解が深まります。何度同じことを学習しても身につかない習得できない場合には、ほぼ学習のポイントを意識できず、尚且つ振り返りが無いのが原因です。




 3、「1問を深く」扱う

問題数を増やすだけだと「見たことあるから解ける」という状態になりがちで表面的理解で終わってしまいます。ここで誤解されがちですが1問にダラダラと時間をかけるわけではありません。ポイントをしっかりと考える深い理解と適度な演習が理想です。決して1枚だけのプリントだけで良いというわけでもありません。

ここでいう1つの問題を深く扱うということは、思考を深めることであり「初めて見る問題でも考えて解ける力」を育てるということが重要です。これらを全うさせるためには以下の視点で掘り下げていきます。

① なぜその答えになるのかを考える

解き方をなぞるだけでなく「なぜこの式になるの?」「なぜこの選択肢は違うの?」まで考えることのより、理解が繰り返し再現可能になります。

② 別の解き方はないか

新たな図や式を書いたり、他の言葉で説明したり考えたりと他の方法で説明できるか、試すことにより柔軟な思考力が育ちます。

③ 間違いの分析

なぜ間違えたのかを具体的に言語化することで同じミスを繰り返さなくなります。計算ミスなのか、読み違いか、考え方の誤りなのかと自分で分析することが重要です。




 4、「説明させる」「人に説明できるか」の習慣

昨今は理系の就職試験にも小学生にもわかるように専門分野を説明するというような面接が行われていると聞きます。「小さい子にも説明できる」くらいシンプルに言語化するということは、本当に理解しているかが問われているのです。つまり本質を理解していれば問題の形が変わっても対応できるので「地頭の良さ」に近い力が育ちます。最初は上手く話せなくてもアウトプットを繰り返すことにより話すコツを掴むことになります。ここが伸びポイントです。




5、「できた」で終わらせない深掘りさせる

多くの家庭は「できた」というここで止まります。しかしその先に進むにはご家庭ではこのように声掛けをして欲しいのです。「どうやってできたの?」「次もできそう?」「どこが難しかった?」などと声を掛けることで『再現できる力』に変わる事ができます。

そして次に条件を変えて考えることを促します。実力を上げるためには似たような問題を解くだけではなく、問題作りを行うことも必要です。単に数字を変えることからはじめ、徐々に条件を1つ増やしてみたり、減らしてもたりすることで 応用力がつき初見問題に強くなります。一見遠回りに見えても同じミスを減らし、似た問題をまとめて理解できるため結果的に効率が上がり思考量が3倍くらい変わると言われています。




6、「別の形でやり直す」

同じ内容を違う形で扱うと理解が深まる事がわかっていますが、別のやり方を何パターンか繰り返すことで本質を掴むことになります。つまり数字や文章、図やグラフなどが変わって表面的変化がもたらされても「同じ構造だ」と見抜ける力が尽きます。例えば計算問題だと通常の数式の他に、自分自身で問題を作ることや虫食い算などを取り入れる事がこれにあたります。




 7、「全部やらない勇気」

この「全部やらない勇気」は教育熱心な家庭ほど重要です。

ここで言う「全部やらない勇気」は決してサボることではなく、成果を最大化するために敢えて選ぶことを意味します。一見すると、全部やる=頑張っている、減らす=手抜きにも見えます。実際は逆です。手抜きとは面倒だからやらない、考えずに避けると子供の成長につながりませんが、最適化とは目的(理解・定着)を考えて選び効果の高いものに集中させていくので成長に繋がります。特に幼児の集中力はかなり短時間で限界がすぐにやってきます。使用すべき重要な箇所にこの有限な集中力を使用しなければ中途半端になります。

また幼児は「理解すること」に時間が必要で、本当に理解するには、考える、間違える、やり直すというプロセスが必要です。従って量が多すぎるとこの時間が取れません。しっかりとやるべきことを絞ることで「ちゃんと理解できた」という実感が増えやる気や自信になります。つまり「全部やらない勇気」の本質は「量」ではなく「価値」で判断することなのです。そのことを考えて「この問題は本当に今必要なのか」「この子にとって意味がある?」と考えて選ぶということなのです。

「削る=手抜き」ではなく、限られた時間と集中力を、最も効果が出るところに配分することがいわゆる現状のお子さんの最適化と言えるのです。もっとわかりやすく説明するならば今の我が子では「全部やるより、3つをしっかり理解させる方が伸びる。その3つが完璧にマスターできたら残りを理解できるように進める」というステップを踏むことです。そのステップを踏むためには時間的余裕も必要になります。




今期の記事のまとめです。

量から質の変換を行うのは以下の3つ。現状の学習時間そのままで理解度上げるにはこのこの方法が効果的で、同じ勉強量で差が出るというのもこの方法です。努力を否定しないのが鍵ですが、幼児期に応用力・思考力を身につけさせたければ親御さんの決断と行動が必要不可欠です。

1、振り返る(1分でいい)

2、説明させる

3、深掘りする(なぜ?どうして?)