2025.10月月例報告
10月12日(日) 秋山、宮川、佐藤、吉井、松葉瀬、乾
今回、以前シティライフを見て興味を持ちメールで問合せがあった工藤昭彦さんが見学に来てくださいました。
前回の槇47号の製本印刷代が54万円と年々値上がり続け、槇の会計を著しく圧迫していることもあり、これを機に印刷会社を一新することとしました。新しい印刷会社はおおむね、大阪の印刷会社で決まる方向です。今までのように一校二校はなく完全データ入稿なので、校正は各自で行う方式となります。
宮川さんが、文藝同人無刀会が主催する「第九回空華文学賞」を受賞されました。受賞作は『猫ドアをすりぬけてくる』です。おめでとうございます。Amazonで「守宮槐」で検索すると、kindle版の他にペーパーバックも購入できますので、皆さん是非購入協力してくだい。
例会出席者からは槇48号掲載原稿と編集後記を受け取りましたが、欠席でまだ未提出の方は10月25日までに、秋山までメール添付ファイルでもいいですから送ってください。
例会終了後に、居酒屋で吉井さんのささやかな歓迎会をおこないました。工藤さんも参加してくださいました。その席で、工藤さんの槇の会加入も決まりました。工藤さんは知己も多く、いろいろな経験をなさっているのでどのような作品を書いてくださるのか楽しみです。
合評
「巨人の庭」 守宮槐
もっと冒険的な話が欲しかった/立場が違えば考え方も違うという示唆に富んでいる/総裁選のある候補を思い浮かべてしまった/自分が人間だと思っていたインコを思い出して書いた(作者)
「青い星」 守宮槐
頁をめくる指が青く染まる恐怖を覚えた。今年のノーベル化学賞もSFのようだった/自分たちのシップを最後に出すのが怖い/読後に脳内が青で満たされる。それだけで成功といえるのではないか/閉塞感のイメージが残る夢を見て、そのイメージを元に作品化した(作者)
「通夜の据え膳」 鷺町一平
文調がいつもと違う。淡々としている/葬儀の経験上「契約」があるのは知らなかった。友達は本当の友達じゃない/好きなジャンルではない。晴天のへきれき的展開でなじめない/浩史の精神と肉体のアンバランスを示すラストがよかった/生と死の対比、倫理と欲望の葛藤がテーマだが、加代子の心理などをくどくど書きすぎるのはよくないと思っていた(作者)
「アジサイ」 酔翁亭梅琴
シーボルトと瀧に絞れば歴史小説になる/さすがです。エッセイを書くということがどういうことかよくわかった/短い中でまとまっている。ラストで流れが変わっているのでは?/流れるような展開。シーボルト事件は知っていたが、彼の私生活までは知らなったので勉強になった/外国では小説とエッセイは同列。アジサイの無常感と自分の人生を絡めてみた(作者)
「サンマ」 酔翁亭梅琴
エッセイには「共感」が必要だと思う。作者は料理の嗜みが?/サンマ食べたくなった。子供の頃を思い出した/端的に言って上手い。もっともっと読んでみたい/読んでサンマが食いたくなった。これが筆力。説得力がある。「根室さんま祭り」を思い出した/最後の締め「サンマは一匹にかぎる」はよかった/自分は凝り性。自ら立てた目標に届かないときはすっぱりと止める。他者の評価はどうでもいい(作者)
「輪廻」 勅使川原正子
倒錯的なSMプレイのみが表面的に目立ってしまい、深みが感じられない。そうせざると得ないという理由が欲しい/よくわからなかった。何を表現したいのか/完成度が足りない。推敲不足/奇抜な発想の構成だが、途中で面白さが消えてゆく。意図が読み取れない/今までの勅使川原作品の中でいちばん面白かった。なぜ主人公の独白のみで終わらせなかったのか。刑事たちの会話は要らない。独白の中で語らせるべき/業の深さを書きたかった。テーマとしては弱かったかも(作者)
次回の例会は11月9日(日)。イシダ印刷は《試し刷り》という制度があり、出来れば11月9日までにはその仕上がった見本を皆さんに見せたいと考えているので、まだ未提出の方は10月25日までに提出協力お願いします。当日見本が出来ていれば、その見本の試し刷りで間違いがないかチェックしていきたいと思います。
翌週の16日も押さえてありますが、状況によってはキャンセルとなるかもしれません。
次回、合評予定は勅使川原正子「龍神物語」、酔翁亭梅琴「取り越し苦労」を予定しています。
文責 秋山