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岡山大学 清田哲男研究室

CRE-Lab. progress meeting 2026

2026.03.22 00:16

3月22日、岡山大学創立五十周年記念館にて、CRE-Lab. progress meeting 2026が開催され、クリエイティブエデュケーター(CE)育成カリキュラムについての近況報告や、その評価についてのご報告をしていただきました。

始めには、中川先生からCEのカリキュラムについての概要説明があり、その後で、CEカリキュラムの1つである、「創造性・多様性チャレンジ」の講義を受けた学生から、講義の中で学んだことや、取り組んできたことについての発表がありました。また、「PBL」についての紹介や、課題研究活動の報告などもあり、学生たちは、自身が実際に体験してみて気づいたことや、感じたことについても触れながら発表をしていました。

次に、愛知県立大学福祉教育学部の准教授である、藤原智也先生からアメリカ・ボストンのSTEAM教育についてのご報告をしていただきました。STEAMのAの部分についての捉えられ方は人によって様々ですが、これからのSTEAM教育の中では、STEAMの原型や系譜を踏まえた実践の検討が必要になってくるのだと理解することができました。こちらのお話では、『「芸術」とは、科学の伝達の補助をするものではなく、問いの衝突を生む媒体である』というお話が印象に残りました。お飾りとしてだけの芸術ではなく、一人一人が価値を見出し、それをお互いに共有し、ぶつかり合うことができるような空間づくりが求められているのだと実感するこができました。

また今回は、創造性ワークショップが開催されていました。最初に、岡山大学の先生方による、創造性ワークショップについてのご報告があり、そのあとに、来てくださった高校生の方々に、今回のワークショップへの参加をしていただく形となりました。今回の活動は「空間を見つめなおす創造性ワークショップ」という、岡山大学の一年生が中心となり企画したワークショップであり、空間や身の回りのものとの関わりに目を向ける、自分以外が持つ空間を追体験することのできる活動です。それぞれの役職に分かれ、その役職から空間を見たときに、どんなことを思ったり、感じたりするのだろうかということを、考えてみるという活動内容です。高校生の方々は、初めての活動内容や感覚の捉え方に、最初の方は少し戸惑う様子が見られましたが、だんだんと新しいものの見方や捉え方を発見していくうちに、そのおもしろさが勝り、活発に周りの環境や人と関わり、視野を広げていく姿を見ることができました。

その次の項目では、東京大学大学院教育学研究科の准教授である、石黒千晶先生による、CEカリキュラムの評価について、「学生の創造性への信念の変化」のご講演をしていただきました。こちらのご講演では、三年間、岡山大学教育学部生全員を対象に実施してこられた、創造性マインドセットの現時点での結果についてのご報告をしていただきました。また、その後には、石黒先生と高瀬先生、早川先生による鼎談が行われ、CEカリキュラムの評価について話し合われました。ご講演をお聞きして、まず、データの多さや実施されたアンケートや実験の多さに圧倒され、研究をするということの大変さを強く感じた経験となりました。お話されていた内容の中では、創造的自己効力、つまり、自身の創造的な能力に自信がある、などの信念を持っている人ほど、創造的な行動をとりやすいという結果が出たというものがあり、少し驚きを感じました。自身に厳しくあろうとすることは、成長をする上ではとても大切なことですが、「自分ならできる」という自身を持つことも、自身の能力を高めていく上で必要なことなのだと気が付くことができました。

また、ディスカッションの中でも議題になっていた、「学生全体としての固定マインドセットが上昇傾向にある」という結果が印象に残りました。固定マインドセットとは、「創造性は生得的なもので変わらない」といったような考え方であり、今後の課題として、教員の固定マインドセットが高まっていく可能性があるということが挙げられていました。教員を目指していくものとして、固定マインドセットのような考え方に対する捉え方や対処の仕方、そのような状況の中で私たちがしていくべき教育とはどのようなものなのかについて、常に考え続けていく必要があるのだと改めて感じました。

 プログラムの最後には、CEのロールモデルとなる実践を行っていただいている先生方による、実践研究のご報告をしていただきました。その後のディスカッションでは、実践研究のご報告をしていただいた先生方で、「学校でクリエイティビティな活動を進めるために必要なこと」という議題での話し合いが行われました。新しいことをするためのアクションを起こしていくためには、必ず周りの先生方や生徒の協力が必要になっていきます。「何かをしたい」と言ったときに、「やってみようよ」と言ってもらえるような存在になるためには、まず説得力のある存在でいる必要があり、そのために、CE自身が特別な存在であるという意識ではなく、「むしろ教えてください」といったような姿勢で周りの人々と接していくことが重要なのだと、先生方のディスカッションをお聞きして、考えることができました。これからも、教員という存在が、どのような姿勢で物事に取り組み、どのような教育をしていくべきなのか、その在り方について日々考えていきたいと思います。


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