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鍛冶の会 不定期報告

2026.04.02 23:05

私は世田谷の植木屋として日々働いていますが、不定期な休日や本業が落ち着いた時期には、鍛冶の会の一員としてボランティア活動を行い、地域社会にささやかながら貢献しています。

改めてお伝えすると、鍛冶の会は次大夫掘り民家園ボランティアのひとつです。次大夫掘り民家園は古民家を中心とした施設で、園内の風景は昔の農村を再現しています。各ボランティアは、農村の暮らしの一部を再現したり、解説やワークショップを行ったりと、来園者に向けてさまざまな活動をしています。

鍛冶の会では、月島の誂え鍛冶「左久作」顧問の指導を受け、鍛冶作業の基礎から応用まで監修していただいています。新人さんはまず火箸づくりから始めます。

決められた寸法の四角い鉄を叩いて延ばしていくのですが、相手は硬い鉄ですから、最初から上手くできる人はいません。思い通りにいかず失敗することも多く、叩いて延ばした鉄の表面は凸凹になります。それもまた、最初の大切な経験です。

今年も新人さんが入会する季節になりました。鍛冶作業そのものを楽しんでくれる人であれば良いなと思っています。

さて、こちらは私のテーマ『鑿』です。

地金に刃金を付け、鑿の形に近づけるように叩いていきます。その後、ヤスリやセンといった昔ながらの道具を使って成形します。一口に鑿といっても、その形状は用途によって決まりがありますし、地域や時代によっても姿が変わります。私は特に現代以前の形状に惹かれており、再現できるよう日々奮闘しています。

こちらは包丁を造る人です。

包丁づくりの難しさは、薄さと厚さのバランスにあります。切れる包丁を造るだけならそれほど難しくありませんが、「使い勝手の良い包丁」となると話は別です。切るのは刃先の一点だけですから、キャベツを一枚切る程度ならどんな包丁でも問題ありません。しかし、キャベツ一玉を半分にしたり、大根を2センチの厚みに切ったりするとなると、包丁の薄さ・厚さが大きく影響します。薄い包丁は抵抗が少なく切れ味が軽やかですが、丈夫さとの兼ね合いが必要です。特に持ち手に近い部分には、ある程度の厚みが求められます。

また、包丁のシルエットづくりも非常に難しい作業です。刃のラインと背のラインを切先で結ぶのですが、これはかなりセンスが問われると私は考えています。

以上、鍛冶の会の不定期報告でした。