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成長の早さの違いは“筋肉のエネルギーの使い方”にあった ― 鶏の成長を分子レベルで読み解く ―

2026.04.01 07:28

*本研究は、日本獣医生命科学大学石原慎矢先生、畜産物利用学島元先生との共同研究です。

https://www.nvlu.ac.jp/news/20260305-01.html/

肉用鶏では、同じ品種・同じ環境で飼育していても、個体ごとに成長の速さに差が生じます。本研究では、この成長差がどのような分子メカニズムによって生じているのかを明らかにするため、成長の早い鶏と遅い鶏を比較し、筋肉組織における遺伝子発現(RNAシーケンス)と代謝物(メタボロミクス)を統合的に解析しました。

その結果、成長の遅い鶏では、酸素を使わずにエネルギーを得る「解糖系」への依存が強く、乳酸発酵やタンパク質分解が活発であることが分かりました。一方、成長の早い鶏では、ミトコンドリアでのエネルギー産生(酸化的リン酸化)がより活発であり、脂質代謝や免疫関連経路の活性化が特徴的でした。

これらの結果は、成長の個体差が単なる体重の違いではなく、筋肉におけるエネルギー利用戦略や免疫機能の違いと深く関係していることを示しています。本研究は、家畜の成長特性を分子レベルで理解する基盤を提供するとともに、生産性と肉質の両立を考える上で重要な知見を与えるものです。