Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

聴くこと Vol.284

2026.04.03 18:06

これまで書かなかったことなのだが
ふと思い出したので書いてしまおうと思う。

父が亡くなった後
私は東京へと戻ったのだが
半身をもがれたような心持ちが続いた。

親が亡くなるという状況は
それぞれ時期は違っても
誰にでも起こることだ。

それなのに
仕事をしていても
駅で乗り換えをしていても
ふとした瞬間に涙が溢れてしかたなかった。

さらには
書籍紹介のコーナーのために本を読み始めても
病気などに関連する内容は途中でギブアップ。


みんなこんなにつらい思いをしながら
日々を過ごしていたのか……。

実際に自分の身に降りかかってみないと
気づくことのできない心情があるのだと知った。


そして、私は
自分のメンタルのメンテナンスも兼ねて
仕事が終わってから
心理カウンセラー養成講座に通うことにした。

それは当時、お茶の水にあった学校で
半年間、週に2回受講するものだった。

それまでも
心理学の書籍を読んだり
講義を受けたことはあったのだが
カウンセラー養成を目的に行われる授業は
それらとはだいぶ違って
理論とともに
実践しながら傾聴の技術を身につけるものだった。


傾聴では
ただ聴くだけではなく
相手の立場になって
共感しながら
全身で真剣に向き合って聴く。


この傾聴をはじめとするカウンセリングの技術は
インタビューなどで人の話しを聴く場面で
非常に役立っただけでなく
日常で人と会話をする場面でも
多くの気づきをもたらすものだった。


人間は基本的に
自分が話したいいきものなのだと思う。

日常では
「聴く」という作業は
意識していないとおろそかになり
人の話しを聴きながらも
「この後、なんて言おうか」 などと考えてしまうものだ。


私の仕事は
その日初めて会った人に
人生で一番辛かったことなどを聴く仕事だ。


実際には
カウンセラーにはならなかったけれど

「聴く」ことは
意識して丁寧に取り扱うようにしている。