大匙
こんばんは。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
燕三条のステンレス調理道具ブランド「conte」のPOP UPSHOPを2週間限定で開催中です。これまでも例えば、大久保ハウス木工舎さんの炒め用ヘラを代表に、中ノ畑窯さんのおろし皿、小鹿田焼などのすり鉢などなど扱いがなかったわけではありませんが、調理道具をしっかりご紹介するというのは実は初めてで、「料理する」ということについて改めて考えていたりします。
「買う」と「食べる」をお店で一緒に提案することの意味や意義を考え、「テマヒマ」のショップとカフェという構成があるわけですが、開店前にイメージしていたほどに両者の重なりは大きくないということを感じます(勿論だからと言って意味や意義が失われる訳ではありません)。そして「買う」=器を選ぶこと/使うことと「食べる」ことの断絶と同様、いやそれ以上に、「食べる」ということと「料理すること」の断絶ってあるなぁと思っています。大袈裟に言えば、消費と生産の断絶とでも言いましょうか。
レシピサイト「クックパッド」さんがやっているポットキャスト「ぼくらはみんな食べている」をたまに聴いていますが、先日クックパッド創業者の佐野陽光さんの出演回がありました。その中でクックパッドの不調の原因として、皆さんが「料理をしなくなったこと」も挙げてらっしゃったと思います。クックパッドユーザーはもともと料理する人で、その人達が料理しなくなったことはあまり想像出来ないので、例えば「動画」が伸びる中でそこへの対応が遅れたとか他の理由のように思えますが、その料理をする人が減っているのでは?ということ自体はきっとそうだよなと頷けるものがあります。共働きで仕事が忙しいとかってこともあるでしょうし、便利に安くお惣菜が買えるということもあると思います。そしてこの料理をしなくなったことは、親子・家族関係の問題、身体感覚の問題、季節感の問題、、、挙げればキリがないほど影響が大きい気がしています。
クックパッドさんの話ついでに「レシピ」ということについても書いておきます。僕の前職は通販会社だったのですが、元々は頒布会から始まっていて、その中心に「料理本」がありました。クックパッドさんのレシピサイトは、「レシピ」というものを料理家とかある種の権威から切り離し民主化した、そして無料化した功績があるように思います。「料理本」の出版や販売に多大な打撃を与えたことは想像にかたくありません。ちなみにそんな出自の癖に僕はクックパッドさんに今もお世話になっています笑。「レシピ」というものの功罪を考えると、料理を身近にした半面、例えば大匙〇〇杯とかみたいなことにより、作り手の創造性を失わせる面もあるのでは?と思います(レシピの使い方次第という話はあります)。あとは冷蔵庫の中のものでなんとかする(ブリコラージュ的?)よりレシピに沿って買い物する(設計主義的?)とか、それは考え過ぎかな?
今日はconteプロデューサーの一菱金属㈱の江口広哲さんに在店頂きました。お話会では、燕三条のモノ作りの特長、一菱金属さんやブランドconteについてお話頂き、それ以外の時間も色々お話をお伺い出来てとても有意義で学び多い時間でした。その対話の中で、本筋とはあまり関係ないことですが、驚いたのは大さじとか小さじとかって、統一されたものではなく意外とメーカーごとにサイズが違うそうです。conteとして「やくさじ」をデザインする際に比べてみたら分かったそうです。つまり、レシピ通り几帳面に大さじ〇杯って量ってるとしたら、実はその大さじ次第だったりして。やはり自分の感覚を大切にしないと、ということがそのことからも言えるますね。
conte pop up shopは来週13日まで。今日、江口さんから直接お話が聞けたことで解像度も上がったので明日からさらにしっかりお伝えしていきます。
テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。大変ご好評頂いています現在のランチメニューは明日が最終日ですが,11時半12時のお時間はご予約で残り10席とお席にかなり余裕がございます。
それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。
今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。