4月より帰化要件の厳格化
先月3月27日政府は記者会見で4月から帰化要件の厳格化改正について発表を行いました。ただ、これは法改正を経ておらず、運用の変更との事。※1
条件※2
・原則10年以上の在留期間がある事
・納税直近5年間の納税がある事
・社会保険料直近2年間の納付がある事
これは4月1日以前の申請にも適用。
但し、例外として、スポーツ選手や研究者など日本に貢献する人は、在留期間5年間以上。
法務省HP 「令和8年 記者会見要旨 > 法務大臣閣議後記者会見の概要」より
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00706.html
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※1「法改正を経ておらず、運用の変更」とは?
・本来法律の改正は法の条文の改正を以てなされることが、原則ですが、「法解釈の範囲内」であれば、すぐ法改正する必要はないとされます。又、➀法改正しなくてよい場合(運用の変更だけで良い)と、➁法改正の法改正の必要な場合(運用の変更だけではダメ)とがあり、➀は、法律の条文が抽象的な条文で、法解釈の幅があり運用の変更ができる場合、➁は、運用の変更するだけではダメな場合で、その法律およびその他関係法令にも抵触する場合を言いうとあります。
現法律が現状にそぐわないとか、かつ至急変更の必要性がある場合等喫繋性に対応が望まれるとなれば、「運用の変更」は、「法律の改正」よりも先行されるわけです。とは言え、その内容自体に以前より格差が有り過ぎれば、法律の適用上としては、法律を補完する立場である行政立法としての法律の濫用であり、法律違反となりえる危険性があります。
今回のような場合は、現情勢に鑑み、其の喫繋性がある故の変更である上でのことである事は昨今のニュースを見聞きすれば容易にわかる所です。又永住許可の現状においても、その内容において本来の許可要件に適合していないことが多いので、厳格化に踏み込んでいます。
運用の変更は、色々な法律の場面で見られ、法改正よりも実効性がスピーディです。
※2条件の厳格化
従来は:
①住所条件・・・引き続き=出たり入ったりの合計ではない 5年間=これくらいなら、日本人と同じくらいの生活をしているだろうという期間。住所は、生活本拠で、居所ではない。
②能力条件・・・成人になっていること。(20歳から18歳に変更)
③素行条件・・・犯罪を犯していていない事。軽微でも交通違反をしていない事。正しく納税していること。
④生計条件・・・独立生計していること。又、同居していない家族も含む。
⑤重国籍防止条件・・・無国籍化、日本国籍の取得により自国の国籍が無くなる。
⑥憲法尊守条件
その他・・・日本語能力が、小学校2,3年生程度の国語力が必要
でしたが、その内の3つ、下記の様に変わりました。
➀原則10年以上の在留期間がある事
➁納税直近5年間の納税がある事
③社会保険料直近2年間の納付がある事
つまり…
住居要件
➀5年から10年に変更。これは4月1日以前の申請にも適用。但し例外があって、スポーツ選手や研究者など日本に貢献する人は、在留期間5年間以上。日本人と結婚して配偶者ビザを持っている人は5年以上でも申請は可能。
素行要件
➁も③も今までは、社会保険は、納付してないのであれば、帰化申請前に一括納付すればよかったのですが、たとえ払っていても、納付が過去に1回でも支払い忘れがあるとダメです。又、転職した経験がある時に、厚生年金から国民健康保険への変更を忘れたと言う様な、空白期間があるのもダメです。納税においては、資格外活動許可をもって収入を得た時などの副収入的な収入についても確定申告納税もしてあるかどうかも問われます。
生計要件
④収入が300万円以上なければならない。
しかし、これは現在の収入額であって、貯金額については無関係で不要です。貯金が少なくても不許可の対象にならないのですが、通帳の内容はチェックされます。だから、添付書類に銀行通帳が必要です。ビザで許可された以外の収入(怪しい入金がないか・許可されていない収入による振り込みがないか。仕事柄年間収入が多すぎないか。)、例えば、技・人・国資格以外の資格で資格外許可を持っていても、年間20万以上なら確定申告が必要があるし、急な入金がないかどうかとか、又母国からの振込入金があった場合などの説明ができるかも必要です。
収入が300万円以上とは、永住申請許可でも同じです。しかもそれは申請人1人の事であり、配偶者や子供がいた場合は、配偶者の収入なども併せて、1人当たり年間60万円以上の収入がないとダメです。家族全員で申請する時は、上記要件は配偶者にも適用されます。
日本語能力
➄日本語能力レベルがN3でも、手書きで漢字が書けないのもダメです。面接で、日本語で質問されて答えるのがありますが、帰化の動機が、申請内容と同じである事や、かつ、日本のパスポートが便利だからという理由もダメですし、どのように帰化して、日本でどのようにしてやっていくつもりかなど日本に貢献出来るようなしっかりした答えが話せないのダメです。
つまり、日本語能力がただN3レベルであるだではダメで、実質N2以上でないとダメになるという事だですし、話せるだけでなく、ちゃんと漢字を始めとして日本語文字が書けるかどうかです。しかし、これは帰化だけではなく、永住許可申請でも、この要件を入れるようですから、「では、帰化より永住がいいのでは」とは言えなくなるのです。
在留手続きの手数料引き上げ
又、先般にもありましたように、「在留手続きの手数料引き上げ予定➨永住申請30万円。在留資格更新・変更の上限1万円を10万円に」という事態も今から如何に多くの面で厳しくなっていくかです。最も手数料は今までが他国に比べて安かったのを他国に見習ったにすぎないということです。
帰結:
帰化するという事は日本人と同じになる事❢
帰化申請も永住申請も一度不許可になると、次にまた再申請してももうダメということで不許可になる可能性が大きくなるのです。いわば一発勝負と言えます。