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DIARY FICTION | 02

2016.03.02 09:00

雪が溶けた。みなでイルミネーションと鍋をした。やってみるまでマグネシウム電池の光や熱は心細いかなと思ってたけど、そんな事はなかった。みなで集まれば大抵の光は綺麗に見えるし、持ち寄ってつくった鍋は不味かろうが美味い。


だれかが麦角からLSDをつくれるといって持ってきた得体の知れない自家製の錠剤。当然そんなもんはない、ただのフェイク、だれかが倉庫の奥に隠してたラムネ菓子。だがしかし言葉の毒という意味では本物。神経言語プログラミングの基本。プラシーボ効果で知恵遅れの女たちが跳ね回ってた。ユートピアの住人はみな無知、故に美しいのだ。


ブタから進化した人類は、あの日まで自分たちの自由と自己責任、野生を忘れていた。いま、俺らはまるで羊飼いを失った羊の群れ。明日の見えなさが可視化されたあの日から、迷いと不安のなか互いに寄りそって生きている。毎日がキャンプのようで楽しい。春からも愛が地球を廻すのだろう。

illust by SHUN , text by TETSUTAROsaijo

DIARY FICTION | 01 ]




SHUN:1992年生まれ。環境が与える影響を人物をモチーフに表現することをコンセプトに作品を製作しており、パフォーマンスグループ透明回線としても精力的に活動している。[Twitter]  [Tumblr] [instagram]