妊娠・出産しても高校卒業できる環境づくり
こんにちは、奉還町学習センタースタッフです。
今日は、少し踏み込んだテーマについて書かせてください。
センター代表・野村の、ずっと引きずってきた問い
奉還町学習センターの代表・野村泰介は、もともと全日制高校の教諭でした。16年間、数え切れないほど多くの高校生と向き合ってきた人です。
でも、その現場には、ずっと心に引っかかり続けていた場面がありました。
担任するクラスの生徒が妊娠した、という事実を知ったとき。学校という場所がどう動くか、野村は何度も目の当たりにしてきました。生徒指導、保護者呼び出し、そして——「自主退学」という名の事実上の退学勧告。退学届の理由欄には「一身上の都合」と書かせる。妊娠という言葉は、どこにも残らない。教室からいつのまにか消えたクラスメートがどこへ行ったのか、それはもう学校の知るところではない、という空気。
「本当にこれでいいのか」
その問いを抱えたまま、野村は大学教員へと転身しました。そして「妊娠した高校生の支援を考えるプロジェクト」という研究テーマに取り組み、当事者へのアンケート、医療機関へのヒアリング、行政への提言——と、ひとつひとつ積み上げていきました。
研究が明らかにしたのは、シンプルな現実でした。「妊娠したから退学」ではなく、「妊娠しても学び続けられる場所」さえあれば、高校を卒業できる。高卒資格があれば、就職の選択肢が広がる。子どもの未来も変わる。
その場所を自分でつくろう、と思ったのが、奉還町学習センターの原点のひとつでもあります。
16歳のお母さんと、毎日のオンラインやりとり
現在、センターには、ひとりの16歳の生徒が在籍しています。
全日制高校に入学してまもなく、15歳で妊娠が発覚しました。在籍していた高校に通い続けることは難しく、奉還町学習センターへ転入してきました。今は赤ちゃんを育てながら、通信制高校の学習を続けています。
ふだんの学習のやりとりは、オンラインが中心です。レポートの進捗確認、わからない問題の質問、スクーリングのスケジュール調整——赤ちゃんのそばにいながら、自分のペースで学習を進められるのが通信制の強みです。
センターに来る必要があるときには、子連れで来てもらっています。「子連れオッケー」は当然のことです。赤ちゃんがいるからといって、学べない理由にはならない。そう考えているので、託児の仕組みも整えています。
子育て経験豊富なスタッフが、そばにいる
奉還町学習センターのスタッフには、子育て経験豊富なメンバーが何人もいます。
赤ちゃんの様子が気になって勉強に集中できない日もある。夜泣きが続いて、レポートを開く気力が残っていない日もある。そんなとき、「大変だったね」と話を聞いてくれる大人が、学習センターにはいます。
勉強のことだけでなく、子育ての悩みも、将来への不安も、ここでは話せる。それがこの子にとって、大きな支えになっているようです。
18歳になる日に向けて
彼女には、明確な目標があります。
18歳になったとき、パートナーと正式に結婚できるよう、経済的な準備を今から進めること。高校卒業資格を手にすること。子どもとともに、自分たちの足で立てるようになること。
10代で妊娠・出産することを、「失敗」と呼ぶ人がいます。でも、野村はそうは思っていません。どんな状況に置かれていても、前に進もうとしている人を、後ろから支えることが自分たちの仕事だ、と。
彼女は今日も、赤ちゃんを抱きながら、レポートと向き合っています。
転入相談、いつでもお受けしています
妊娠・出産をきっかけに、全日制高校を辞めざるを得なくなった高校生のみなさんへ。
奉還町学習センターは、そういった事情を持つ生徒の転入を積極的にお受けしています。子連れでの来所はもちろん、まずはオンラインでの相談も可能です。「高校を卒業したい」という気持ちがあれば、一緒に方法を考えます。
あなたひとりで抱え込まないでください。
奉還町学習センター(鹿島朝日高校連携)
📍 岡山市北区奉還町3-1-30 SGSG
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