受注が決まる!喜ばれる!大規模リフォームの教科書Vol.1
リフォームコンパス運営会社 アイコンパス(株)代表 西尾 肇
ゼネコンに勤務後、住友不動産(株)新築そっくりさんに約14年従事し、個人成績全国1位を数度獲得、また運営する営業所でも全国1位を獲得するなど継続してトップセールスの実績を持つ。独立後は大規模リフォーム専門の会社紹介サイト『リフォームコンパス』を運営。大規模リフォーム検討する、一般ユーザーに、会社だけでなく経験が多く役職ある人を担当者に指名して紹介する仕組みを作る。その他、セミナーや研修講師を年100回以上実施、コンサルも行う。
Vol.1 大規模リフォームで一番大切なヒアリング
リフォーム営業は幸せを運ぶヒーローになること
リフォーム営業において、契約を頂くという事は、書面にサインしてもらう事ではなく、この人で契約しようと思ってもらう事と考えるべきです。契約するかどうかは、最終的にはお客様の気持ちで決まります。だから営業担当者は、お客様にとって信頼できる人になることが一番大切です。大規模リフォームの営業を行うというのは、
「リフォームという魔法でご家族に幸せを配達するヒーローになること」
だと私は思います。このコラムでは、そのために必要なことやコツを
●新たに手間暇をかけなくてよい
●出来るだけすぐに出来る
●成果に直結する
そんなこだわりを持って、商談前、商談中、契約後のタイミングごとに大切なことをお伝えしたいと思います。今後の営業の一助になれば幸いです。
お客が求めているのは「分かってくれる」人
「なぜ私で契約を決めてくれたのですか?」
お客様にそう聞いてみたことってありますか?お断りされる時に理由を聞くことは多いと思いますが、契約を決めてくれた時に理由を聞くことは少ないのではないでしょうか。私も、独立以前はリフォーム営業マンでしたが、当時あまり質問した記憶はありません。
弊社は、住宅の大規模リフォーム専門の会社を紹介するサイト「リフォームコンパス」を運営しています。弊社のサービスをご利用頂き、契約を決めたお客様にその会社を選んだ理由を聞いてみると、契約を決めた理由で一番多い回答は、「自分たちのことを考えてくれたから」というものでした。つまり、そのお客様のことを理解する、共感する、そのうえで提案する、ことが重要ということなのです。
「なるほど〜だからそんな要望をされるのですね!それは大変だったでしょう、それならこんな方法もありますよ」
という感じです。分かってくれる人というのは信頼に足ることが多いのです。だから、要望を聞くだけではなくその理由や動機を探っていくこと、つまりヒアリングが大切になるのです。
そんなことやっているよ!そう思っていませんか?でも本当ですか?では、和室と台所を一つのLDKにしたいとの要望をお持ちのお客様へ、
「なぜLDKにしたいのですか?」
と聞いた事はありますか?実は当たり前のような事でも、聞いてみると意外とそれぞれの理由やエピソード等が聞けるものです。そして、その家族ならではのご事情や想いがとても重要になります。では、具体的にみていくとしましょう。
広く、明るくしたい本当にそれだけ?
例えば、LDKにしたいとの要望を聞いた場合、もちろん広くしたいから・明るくしたいから、こんな想いが一般的でしょう。だから営業側としては、その理由を尋ねることなく図面を作成します。しかし、当たり前に思う事でも聞いてみると、
「奥様は手芸をしていて、2階から材料を持ってきていつも1階の和室で行っている。ご飯もここで食べる。最近膝が痛くなってきた事や、ご飯の度に2階に片付けに行かないといけない事が億劫で…。だから、LDKにしたらソファーを置いてテレビ見ながら出来るかなと思って。」
というご事情を聴くことが出来ます。すると、
「いちいち2階から持ってきて片付けるのは大変ですね〜、それに作品を製作するのには結構な時間がかかるだろうから畳だと足が痛いんじゃないですか?」などなどお困りの状況が浮かぶ。そう、共感する事が大切なのです。すると
「LDKにしたら2階に毎回片付けに行かなくて済むように、小さい収納をソファーの横の壁際につけたらいかがでしょうか、また、せっかく上手な手芸ですからLDKに飾り棚を作って、例えば今月の自信作などを飾れるようにしてみてはいかがですか。」
といったような、自分なりの想いの込もった提案に繋がります。
ヒアリングの出来で結果が変わる
つまり、何故そんな要望を持つに至ったのか?特に個別の事情や気持ちを理解し、そして、お客様の気持ちに共感することがすごく大事。そのうえで、自分なりにそのお客様のための提案を作ればよいのです。すると、きっとお客様は喜ばれます。
大規模リフォームでの要望というのはお客様が自身で作った作戦です。本当はプロからのより良い提案を求めておられます。だから、なぜ?と聞いてみること。そして共感することが大規模リフォーム営業では本当に大切です。なぜならお客様がそこに一番感動しているから、そして感謝しているから。だからそれが出来れば効果抜群です。お悩みや幸せのカタチは十人十色。ぜひ、お客様の色合いを確かめてみましょう。
POINT
①家族の悩みや幸せのカタチは十人十色。大規模リフォームの営業マンは、「リフォームという魔法でご家族に幸せを配達するヒーロー」になる。
②顧客の要望を理解し共感するため、要望に対して「なぜ?」という問いかけを。当たり前と思わず真の理由や動機を探り+αの提案を行う。