隣合
こんばんは。
民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさに提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
小倉ヒラクさんの新著「僕たちは伝統とどう生きるか」。テマヒマでもお取り扱いさせて頂きますが、先んじで読ませて頂きました。圧倒的な内容の濃さと広さと深さと。それでいてスっと入ってくる、硬軟取り混ぜた軽妙な語り口と。またじっくりブログにも書きたいと思いますし、全力プッシュで店頭で語って語って販売していきたいと思います。
帯にある「本書の内容」より
● 歌舞伎だけじゃない! 醸造蔵にもある「襲名制度」
● 共産主義によって「消滅の危機」に瀕していたジョージアの伝統的ワイン
● 日本人とクジラの「深い関係」浮かび上がる、佐賀県呼子の松浦漬け
● 美味しいお酒づくりの極意は「『自分』を殺す」こと
● 「土の声を聞く」ために技術磨く、沖縄の伝統的焼き物やちむん
● ヒトラーは化学肥料を嫌っていた…排外主義と有機農業が「結びつく」瞬間
● 岡本太郎の民藝批判にみる「オンリーワンうんち野郎」の精神
● ぎふ長良川鵜飼の「隣り合う」伝統
これをご覧になるだけで、その広さの一端が想像出来るかと思いますが、最後に、えっ!?「鵜飼」!?
ヒラクさんの新著を読んで初めて知ったのですが、鵜匠は鵜を必ずペアで育て、そのペアのことを「かたらい」と呼ぶそうです。
以下、検索して見つけた観光庁の説明からの抜粋です。
鵜匠は、「かたらい」と呼ばれる鵜をペアにする手法を用いて、(略)一緒に川での訓練を受ける。ペアにされた2羽は徐々に仲を深め、(略)お互い助け合うことを続ける。(略)ペアにされた鳥は、仕事を怠るようになったり、内向的になったりする可能性も低い。鳥の種類によっては、交尾を目的とした終生続くペアをつくるが、「かたらい」は性別に基づいて決まるわけではない。(略)絆は生涯続く。
ヒラクさん曰く、かたらいは傍らにいることであり、語り合うこと。
そしてエピローグのタイトル「向かい合うな、となり合え」へと続きます。
月イチ朝カフェ「哲学対話の時間」(哲学カフェ)について言えば、哲学対話は、議論とか論破とは勿論違う営みであり、そして正解探しや合意形成が目的でもありません。対話を続ける中でお互いに思考が引き出されていきます。おそらく参加者の皆さんは同じ場にいて同じ時間を過ごしていますが、きっと違った感覚を持ち帰ってるものと思います。向かい合っているというよりは、となりあっている、その表現がとてもしっくりきます。
哲学カフェを1年間やってきて、こういう時に対話がうまくいかない傾向があるなと気が付いたことがあり、これから哲学対話を始めたいという方にも参考になるかもしれないので書いておこうと思います。
①言い切り型問題
言い切り型の話法・口調により、対話が途切れてしまう又は議論になる傾向
②自分語り問題
自分のことばかり話して周りが白けてしまう傾向
③人生相談になってしまう問題
問いを出した人へのアドバイスになってしまう傾向
年長者が若者に教えるみたいな雰囲気になってしまう傾向
直近の哲学対話で、これは関西人特有なのかもしれませんが、「間(ま)/沈黙をおそれて埋めてしまう問題」(結果として他の人の思考を邪魔してしまう問題)という新しい問題も見つけました笑。④候補?
①~④は総じていえば、対話的でない、対等でないとまとめてしまえるかもですが、先の表現で言えば、隣り合う感じより向き合う感じになると起こってる問題な気もします。
と、書きつつ、司会進行している僕は、基本的には場に任せ、参加者に委ねているので、ぬか床を混ぜる手ぐらいの役割しかしませんが。。。
テマヒマは明日も11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。ランチは明日から新メニュースタートですが、11時半、12時のお時間はご予約で残り6席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。
それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。
今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。