デッド + インディアン + ヒップホップの融合【LASTCALL(MASSADAWG)】
ヒップホップでデッドナンバーをカバーする。しかもリリックは日本語。その唯一無二の存在感で、日本のデッドシーンを特別なものにしている。
文 = 菊地 崇 text = Takashi Kikuchi
写真 = 今 和明 photo = Kazuaki Kon
ー 最初のグレイトフル・デッド体験は?
M 92年に見に行ったんです。あまりに強烈な体験で、それからずっとデッドのカバーバンドをやってて。
ー どんなバンドをやっていたのですか。
M 京都で結成されたKGBとか。弟とふたりでKGBのツインドラムだったんです。KGBでは、ビッグフロッグと一緒に、デビッド・ネルソン・バンドやジャグリン・サンズの前座をやらせてもらって。ただ、どうしようもないガキだったんですよ。演奏時間を長くやるのがかっこいい、時間なんでかいけえねえよっていう感じでやってしまって、ツアー最終日は前座を降ろされるどころか、出禁になってしまって(笑)。今なら、そんなことをしちゃいけないって、めっちゃわかるんですけど。
ー その後にラストコールが結成された?
M 次にミステリーボックスってバンドでした。95年にジェリー・ガルシアが逝ってしまって、デッドが終わってから、ミッキー・ハート&ミステリー・ボックスを見に行って。それで自分たちでも太鼓だけのバンドを作って。
ー ボーカルをするようになったのは?
M 太鼓だけのバンドだったから、歌があったほうがいいんじゃないかって思って歌い出して。
ー それがラストコールにつながっていったのですね。
M ラストコールのいちおうの結成は99年なんです。サンフランシスコで、ヤマトさんっていうデッドヘッズのお坊さんや、アメリカで浮浪者みたいな暮らしをしていたツヨシっていうヤツと出会ってはじめて。ストリートでやってたんですよ。
ー 現在のメンバーはそこにはいないのですか。
M ツヨシは死んじゃったんですよ。ファーストアルバムのジャケットの、ふんどし姿で踊っているような絵は、ツヨシそのまんま。福井に帰ってきてから、仲間たちが増えていって。ヒップホップをやってる連中も、デッドに反応してくれて、今のラストコールへとつながっていって。デッドだけではなく、インディアンからの影響もラストコールにはあるんです。
ー それはどういう部分なのですか。
M デッドが終わって、行くところがなくなってしまって。そしたらデッドヘッズの女の子が、インディアンのお祭りがあるからって教えてくれて、それで弟とサンダンスに行って。そこでの体験も大きかったっすね。ラストコールにはサンダンスを踊った人間が4人いて。今は3人ですけど。インディアンからのメッセージも自分たちのなかでは大きくて、未だにスウェットロッジをキープして、年に何回かが福井の山のなかでやってますよ。
ー 日本で活動するようになってからヒップヒップをフィーチャーするようになったのですか。
M 最初はヒップホップの歌と、俺が歌うデッドと分かれていたけれど、徐々に融合して行きましたね。
ー デッドの歌を日本語で歌うようになったのは?
M アメリカのショーで、こっちからすれば、曲のなかの変なところというか、ここでは盛り上がるはずがないってところで、ふわーって盛り上がってたりしてたんですよ。何を歌ってんのかな、俺もわかりたいなって思って。結局、自分はわからなかったんですけど、日本人には日本語で伝えられたらなっていうことをちょっと思って。デッドをやるのなら日本語でやりたいと思ったんです。
ー デッドの曲を、ヒップホップでカバーするというのは、日本ではかなり異彩だと思います。だからこその盛り上がりは確実にあるし。
M ありがたいことに、19年の前回の〈忍野デッド〉に呼んでもらえて。そのときにめっちゃ褒めてもらえて、それがめっちゃうれしくて。この間、若い子から「ラストコールを見てから、デッドを聞き出しました」って言われて。こう言われたのもうれしかったですね。ミッキー・ハートが「次は君らが伝える番だ」って言ってたことが自分たちでも叶えられたっていうか。そんなこともあるんだなって思いましたね。いかにライブで盛り上げるか。パーティーバンドというか、そういう感じでやっていけたらいいなとは思っていますね。
LASTCALL
LASTCALL = 永遠の叫びをテーマとし、グローバルピースウォークを経て、クロウドッグパラダイス巡礼後2004年結成。日本最後のヒップスター、MASSADAWGを精神的リーダーとする北陸福井を拠点に活動するバンド。
2017年ファーストアルバム『LASTCALL IS DEAD』を発表。サウンドはグレイトフル・デッドの影響が色濃く、ヒップでレヴェルでサイケデリック。カラスの教えをラップに乗せたメッセージは全人類必聴。
スモーキーでグルーヴィーなライブは、国内最高峰の祭、山水人をはじめ全国各地のフェスやギャザリングでコアなヘッズを熱狂させ高い評価を得る。「忍野デッド」には2019年に初出演、
2026年8月、セカンドアルバム『DEAD CITY』をリリース!Time Has Come!