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テマヒマ

直線

2026.04.15 22:28

おはようございます。


民藝と発酵をモノサシに食を通して暮らしの豊かさを提案する古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ プロデューサー,バイヤーの太田 準です。


23日販売!講談社現代新書「僕たちは伝統とどう生きるか」(小倉ヒラク)。

テマヒマブログでは、「保守」「血統」「隣合」というタイトルで、その内容に触れ過ぎず、敢えて派生したことを書いてきました。今日のブログもそんな感じなのですが、それほどにこの本は広く深いだけでなく、きっかけに色々なことを考えさせられる1冊なのです。


「伝統」というものを考えるのに、ヒラクさんはそもそも「歴史」とは?というところから考え始めます。「過去」と「現在」という別の世界がある(或いは自分が生きている世界とば別の考え方やルールの世界がある)という認識はいつ生まれたのか?「歴史意識」が生まれ、「歴史」を発明したのは18世紀後半であり、「伝統を守る、守らければならない」という考えはここ200年のトレンドだという話。時間の流れについてまで考える、言及する。壮大な展開です。お恥ずかしがら、ここで出てくるドイツの哲学者ガダマーのことは存知あげませんでしたが、ヒラクさん流に分かりやすく解釈して書いて下さってるので、ご心配なく(?)。


少し前に読んでいた、『資本主義と、生きていく。~歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体』(品川皓亮)の中でも時間の流れについて考えさせられる章がありました。同書によると、資本主義におけるしんどさ=追われている感覚には、時間、成長、数字、労働、お金、消費の6つの追手がいるとして、またそれはそれぞれ資本主義の構成要素である、分業、イノベーション、金融、資本、商品、市場と関連があるとしています。その追われている感覚は社会の仕組みそのものから生まれてきたもの。


過去→現在→未来と直線的に時間をとらえる感覚は、キリスト教的な価値観により生まれ、それまでは循環的な時間感覚だったそうです。キリスト教の普及とともに世界に広がり、日本にももちこまれます。ミシェル・フーコーは「監獄の誕生」の中で身体的に時間感覚が刻みこまれ、精神的に時間を守る心構えを作り出すことで、時間に調教された「従順な身体」をもつ人間になると指摘しました。現代人はさらに時間に支配されていて、時間に追われている感覚、便利になったはずなのに「時間が足りない」感覚があります。


この過去→現在という直線的な時間感覚について、僕は現在→過去という直線的時間感覚も人は持っていると思います。僕個人のことで言えば、今「テマヒマ」というお店を営んでいますが、前職時代、新規事業を立ち上げたこと、カフェカルチャーを意識した企画をやっていたこと、ネット関連の仕事をしたこと、大人数のチームのマネージメントをしていたことなどを振り返って、今との繋がりや関連性を見つけ、意味づけていく。おそらくスティーブ・ジョブスが言っていた「コネクティングドッツ」ということと同じか似てると思いますが、時間の流れとしては過去→現在ですが、現在からみた過去て過去を捉え直すことは皆さんもよくありませんか?歴史というものに広げても、現在というところから見て歴史を捉えているので、歴史は時代時代で書き換えられることは往々にしてありますね。伝統についても同様に思います。


写真は、先日お土産で頂いたお煎餅のパッケージ。「伝統」ってなんでしょうね?


さて本日より、小鹿田焼黒木昌伸窯メイン特集或いはミニ個展スタートです。11時オープンで皆様のお越しをお待ちしております。


メイン特集案内文を再掲しておきます。


峠を降りて村に入れば耳に聞こえるのは水車の響きである。焼物の土を砕くのである。音の間はいたく長い。大きな受箱が少しの水を待っている。急ぐ用もないのである。待ちどおしく思うのは吾々の心だけと見える。だがこの緩かな音があってこの窯があるのである。

(略)

この窯には時代が無いのだと云った方が早い。思いようによっては正に時代遅れの窯である。それを誇る人もあろうが不思議なことには最も進んだ科学が産むものより、兎も角美しい。

(日田の皿山/柳宗悦 1931年9月)


小鹿田焼・黒木昌伸窯より、今年も器が届きました。


人気のテマヒマ的定番も押さえつつ、別注も含め、テマヒマ初登場!のものを中心に注文させて頂きました。食卓登場回数の多いサイズやカタチが数多く揃ったかと思います。

技法・模様を掛け合わせながら、それでいて奇を衒うことのない器。自己主張する訳ではないのに個性が滲み出るような器。それは昌伸さんのお人柄からくるものでしょうか。

毎年書いていますが、小鹿田焼は自分にとって民藝を意識して初めて買った器であり、皆さんにとっても民藝や手仕事のの入り口やきかけになればと思います。


是非お手に取ってご覧下さい。

皆様のお越しをお待ちしております!