GYOMUHACK株式会社 代表取締役 廣野美里さん
廣野 美里
GYOMUHACK株式会社 代表取締役
フィリピン大学コンピュータサイエンス学科卒業後、ITコンサル企業にてコンビニシステム開発に従事。その後 freee 株式会社へエンジニアとして入社し、社内システム構築・業務プロセス改善・SaaS導入などを担当。急成長期のfreeeを内部から支え、業務プロセス管理の重要性を痛感する。独立後はDX伴走支援を展開し、2024年にGYOMUHACK株式会社を創業。現在は業務を可視化し企業の仕組みを強くするSaaS「BIZPROCE」を開発中。
今回は、そんな挑戦し続ける廣野さんにインタビューしてまいります!
(聞き手・文:光村紀勝)
働き方を“楽しく”アップデートする。
会社の見えない業務を可視化し、仕組みで強い組織をつくる。
光村:事業内容について教えてください。
当社は2024年6月に設立したWeb系のIT企業で、ビジネスプロセスマネジメントをツールとして実装するSaaS「BIZPROCE」を開発しています。
多くの企業では、誰がどの業務をどの流れで行っているのかが把握されていません。私はfreeeで業務改善やSaaS導入に携わる中で、パワポ1枚だけの可視化では企業は変わらないと強く感じました。
そこで、業務内容・フロー・担当者・インプットからアウトプットまでをデータとして管理し、会社の「設計図」を常に最新の状態で見える化するツールをつくっています。
誰が休んでも業務が止まらず、負荷の偏りを解消し、非効率を発見しやすい組織をプロダクトで実現したいと考えています。
光村:事業を通してどのような社会貢献・社会課題に取り組んでいますか?
根底には、「働くことが苦しくなっている社会を変えたい」という思いがあります。
人口減少で働き手が減り、中小企業を中心に業務負荷は増加しています。現場は日々に追われ、経営者は全体像を掴めず、結果として組織が疲弊しやすい環境が続いています。
業務の見える化と仕組み化によって、生産性を高めるだけでなく、“人が健やかに働ける状態”をつくりたい。
働くことが辛くて当たり前、という社会ではなく、必要以上に人がすり減らない働き方を実現したい。その土台となる仕組みを提供することが、私たちの社会貢献です。
光村:その社会課題の実現に対して、今の社会の現状をどう見ていますか?
多くの経営者は業務の細部を把握していませんが、そもそも全てを分かる必要はありません。
問題は「把握できる構造になっていない」ことです。
現場・マネージャー・経営層がそれぞれ必要な情報を適切に見れるようにダッシュボード化することで、初めて組織の改善ポイントが見えてきます。
また、監査用資料の作成など、本質的ではない業務に多くの時間が使われている現状も大きな問題で、これらは本来、仕組みで簡単に解決できるものだと思っています。
企業が本来の価値創造に集中できるようにするための“土台づくり”が必要だと感じています。
光村:その現状に対しての最大の障壁は何になりますか?
最も大きい障壁は「意識」です。
現場は見える化が必要だと理解していても、経営者は導入メリットを感じにくいことがあります。見える化が成果にどうつながるかは数字で表しづらく、その点が導入判断の壁になるケースが多いです。
また、ツールを“誰が更新・運用するのか”という課題もあります。
そのため中小企業向けのコンサルパートナーと提携し、テンプレートやAI生成を活用して、導入・運用が負担にならない仕組みづくりを進めています。
光村:その課題を乗り越えるためにどのような行動をされていますか?
まずは啓発活動として、前職の仲間・起業家・CFOなど多くの方々に積極的に話し、ビジネスプロセスマネジメントの重要性を伝えています。
またプロダクト面では、“入力すべき内容が分からない”という課題に対して、テンプレート、AIによる業務フロー自動生成、初期設計支援など、誰でも始められる仕組みを整えています。
「ツールを入れた瞬間に挫折しない状態」をつくるために、プロダクトだけでなく導入プロセスそのものを改善し、企業が変化しやすい環境を作ることに力を入れています。
光村:誰もが社会貢献を考え、社会をより良くするにはどうすれば良いとお考えですか?
私は“従業員が経営者目線を持つべき”とは全く思いません。
むしろ、自分の立場でできることを見つけることが一番大切だと考えています。
大切なのは「想像力」です。
自分の行動がどんな結果を生むのか、人の気持ちをどう動かすのか、どんな可能性があるのかを考えられる人は、自然と社会を良くする行動を選べるようになります。
多くの人が“自分で自分の可能性を狭めている”状態にあります。
そうではなく、「自分にはどんな選択肢があるのか」を広げる想像力こそが、社会貢献の第一歩だと思います。
光村:これからの時代をつくる大学生・新社会人に向けて、メッセージをお願いします!
これから社会に出ると、これまで経験したことのない壁や困難が必ず訪れます。
それでも、一人で抱え込まず、周りに助けを求めることを恐れないでください。
助けを求められる人は、人にも優しくできる人です。その優しさは必ず自分に返ってきます。
働くことは大変なこともありますが、人に優しくできる心と、自分を大切にする気持ちを忘れなければ、必ず道は拓けると思います。
廣野さん、貴重なお話を聞かせてくださりありがとうございました!
(聞き手・文:光村紀勝)