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「Die Heinzelmännchen」August Kopisch Beatrice Braun-Fock

2019.03.12 08:41

先日入荷したこちらの可愛らしい絵本「Die Heinzelmännchen」はアウグスト・コーピッシュのおとぎ話で、日本でも、幾つかの絵本作家がこのお話を描いたものが翻訳され絵本になっています。

日本語のタイトルは「ケルンのこびと」や「ふしぎなよるのこびとたち」として出ていますね。

昔は夜のあいだに働き者の小人たちが面倒な仕事を何でもやってくれていたのだけれど、あることから小人たちはいなくなってしまい、今では人間はつらい労働のためにあくせくしている…。

「小人」という具体物を置き換えると、何処と無くギリシャ神話的な感じもするお話ですね。

こちらの絵を描いているのはBeatrice Braun-Fock(1898-1973)です。

この絵本をパッと見て、あっ!っと思った方も多いのではないでしょうか?そうです、この絵本の、本の上部に付箋のように小人たちが描かれ、ちょっとしたしかけ絵本のような体裁になっているのは、エルゼ・ヴェンツ・ヴィエトールの「クリスマスのてんし」と同じ仕掛けですね、この形、可愛くて楽しいですよね。

ヴィエトールへのオマージュ?なのかな、とも思ったのですがこの絵本は初版は1920年頃で、初版はこういう体裁になっておらず普通の絵本の形でしたが1950年頃の版からこの仕掛けの形になっています。

ちなみにエルゼ・ヴェンツ・ヴィエトールの「クリスマスのてんし」の初版はおそらく1933年で、こちらは最初からあの形ですね。

どちらも当時、同じ出版社から出ている絵本なので、作者ではなく出版社主導であの形が取り入れられたのかな?(少なくともBeatrice Braun-Fockはそうでしょう)と思われます。

ただ、この本の仕掛けは可愛らしいから、とただそれだけでヴィエトールの絵本から流用された訳でもないと、自分は思っています。

この「Die Heinzelmännchen」は、最後には人間たちの前から小人たちがいなくなって苦労するお話ですが、この本の仕掛けを使うと、上に描かれた小人たちはページをめくるたびに段々と少なくなっていき、最後にはお話と同じように、小人たちはみな、いなくなってしまうのです…。

ちょっと、考えられていますよね。勿論この仕掛けは楽しいですけれど、なるほど、と思ってしまいますね。

ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。

Die Heinzelmännchen」August Kopisch Beatrice Braun-Fock