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詩人・作家 神泉 薫 Kaoru Shinsen ~言の華~

「白ねぎを持つ女神」─ note“日々の泡・思索の森”─

2026.04.22 00:41



見上げれば、葉桜。 

すこしずつ季節は移ろい、 

優しく、時に激しく降る雨にも 

日々を数えるまなざしがあるようだ。


グレイがかった空。 

駅に向かうその日は、雨が降っていた。 

ゆっくりと歩く私の視界の端に、ひとりの女性が映った。


左手に傘、右手に白ねぎ、フードのついた上着の左ポケットにペットボトルの頭がのぞく。 

急いでいるようで、表情は硬く、まっすぐ前を向いている。 


人は、右手、左手、両手というものを持ち、

ポケットという 不思議で便利な入れ物を開発した。 

天から降り注ぐものから身を守る頑丈な傘も。 


傘と白ねぎとペットボトルの三位一体。 

濡れない、空かない、乾かない。 

これらが、彼女の今日一日を守るのだろう。 


さぁ、新しい明日へ向けて。 

がっしりと素手に握られた白ねぎは、まるで剣のように神々しい。 


彼女は、キラリと鋭い眼を光らせ、白ねぎを掲げる女神。 


先の見えない物価上昇、荒波は続く。 

だが、世界をあきらめるわけにはいかない。


揺るぎない生存へ向けて戦いを挑んでいく。






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