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みーちゃん

マル。

2019.03.12 23:14


公園のベンチに座っていたら、

長~いリードをつけた犬がふせの格好で座っていて、

少し離れたところにいるおばあちゃんが、

それを見守っているのが見えた。


ふたりのようすがかわいかったので、

「日向ぼっこですか?」と近づいていったら、

おばあちゃんが「こんにちは!」と言い、

犬がトコトコトコと近づいて来た。

おばあちゃんはびっくりして、

「この犬、保護犬で、人に近づくことなんてないのよ」と言った。


柴犬風の雑種犬で、名前はマル。

今13歳で、8年前に保護施設からもらわれてきたそう。

無邪気な子ども時代がなかったのか、

おじいちゃんなのに子犬みたいに遊ぶのが好きなこと。

傘を見ると震えてすごく怖がるから、

たぶん傘で叩かれていたんじゃないかってこと。

迷子犬で、保護施設でも、

すごく難しい子だと言われたこと

(もらい手のつかない残った一頭だった)。

最初はいつもふせの姿勢で、

いつでも逃げ出せるように、緊張しながら座っていたこと。

なんかを話してくれた。


少し離れたところに座っていたマルは、

わたしたちが話していると、

ぴこぴこっと耳が動いて、

話しを聞いているのがわかった。

「でも家に来た頃は、人が話していても、

ぜんぜん耳を動かさなかったのよ」と聞いて、

そんな犬がいるのか!と、

今度はわたしがびっくりした。

よほど心を閉ざしていたんだなー。

ゆっくりとそっと撫でようとすると、緊張が走り、体を引いた。


おばあちゃんはとても優しい話し方をする人だった。

マルで保護犬は三頭目。

「成犬ばかりだったから、子犬も飼ってみたかったわ~。

でもこの年じゃ無理ね」と、笑っていた。


公園の向こう側に他の犬がやって来た。

それを見たマルが歩き出したので、

わたしたちもそれに着いて歩く。

リードが長~いので(5mはあった気がする)、

マルは自由にトットットッと歩いて行く。

「楽しいね!」という顔をして、ときどき振り返る。

お散歩しているときの、犬のこの顔が好き。


おばあちゃんとマルと話しながら、

しばらくお散歩して、

そろそろ帰ろうというところで、

さよならのあいさつをした。


おばあちゃんが撫でてあげていたら、

とても気持ちよさそうだったので、

今ならいいかな?と、

そ~っと撫でてみた。

マルは緊張しながらも、撫でさせてくれた。


おばあちゃんはとても喜んで、

「そうそう、そうやってみんなにもかわいがってもらうのよ~」

と、マルに言っていた。

そして別れ際に、何度も、

「ありがとうね」と、お礼を言ってくれた。

こちらこそ、ありがとう!な気持ちで、胸がいっぱいだった。


たぶんマルにとって、

8年目にしてはじめて触られた、

見知らぬ他人なんじゃないかな。

おばあちゃん以外にも怖くない人がいるんだな。

そんな風に思う、きっかけになったらいいな~。

なーんて思いながら、歩いて帰ったのでした。


まーる。