絵本『パンどろぼう』
2026.05.10 00:00
初めてこの絵本の表紙を見た瞬間「なんとシュールなイラストなんだろう」という第一印象でした。日常ではありえない不思議さや、ちょっと現実離れした独特な感覚を生み出すこのユーモアは子供達に人気です。
パンが大好きな「パンどろぼう」が、おいしいパンを求めて行動し、ある日見つけた理想のパンに飛びつきます。ところが・・・そこから思わぬ展開に発展していきます。
私もそうでしたが文学好きな親御さんだと絵本の内容に教育的な要素を求める傾向があります。文字や言葉を覚えるきっかけになること、想像力が育つ、感情理解(思いやり・勇気・友情など)に繋がるなどこうした「成長に役立つかどうか」を絵本の判断基準にしがちです。
しかしこの『パンどろぼう』はシュールなイラストにパンどろぼうの顔芸が強烈で、ページをめくるたびに笑ってしまう仕掛けが多く含まれているために一読で「本当に大切なものは何か」「自分らしさ」とはなどのテーマが霞んで見えなくなっています。がそこがこの絵本の良いところです。幼児が声をあげて笑い転げてしまう独特なイラストとギャグセンスで、絵本はこんなに楽しいものだということを再認識させてくれる絵本であり、読み手の読解力でいくらでも深く思考ができるテーマもあります。