岩沢流、そんなのいらない!
昨日と今日、名古屋栄でリニューアルオープンする女性専用24時間ジムのスタッフ研修をしています。
昨日初日を終えて最高に嬉しかったことが2つ。
そのうちの一つについて書きます。
本社の担当者の方が
「キャリアのある有名な先生なのできっと岩沢流、岩沢メソットがあってそういうものを教えてくださるのかと思っていました。
ところがスタートしてみると、いかに一つの視点からものを見ない事が大切なのかのお話をさせていて、そして1日を通して、その考え方が貫かれている事に感銘しました」と。
こんな風に本社スタッフの方からメッセージをいただくことは稀なので、うれしくなりました!
そうなんですよね。
例えば腰痛治療。
ある人は歯並びのせいだといい、ある人は骨盤の歪みのせいだという。
それが斬新で、今までに無い視点であったりするとメディアも腰痛に苦しんでいる方も一気に飛びつきます。
歯並びで腰痛が治るという人がいたとして、その方は問題を歯並びの視点から見ているけれど、骨盤の視点については知らない。
骨盤の歪みのせいだと言う人は骨盤のしてから見ていても歯並びについては知らない。
では歯並びの専門の人や骨盤の専門の人が、我々の得意分野である運動連鎖や脳と神経系と運動の関係性を知っているかと言えば知らない場合もある。
実際統計的にも実際の症例を見ても、歯並びがガタガタでも骨盤の歪みがあっても腰痛には縁のない人が一定数いる。
しかし歯並びや骨盤を矯正する事で腰痛が治る人も一定数いる。
しかしこの中にはさらに一定数のプラセボ(偽薬)効果の人も含まれている。
ではどれくらいの人が実際に歯並びや骨盤を治したら腰痛が治り、その中のどれくらいの割合でプラセボが含まれているのか?
これ、わからないんですよ。
なぜなら痛みが治ったって言うのは本人の思いだから。
本人が痛くないと思えば痛くない。
痛いと思えば痛い。その度合いを絶対値で測ることはできないから。
だから本屋に行ってもAmazonで検索しても、「〇〇で腰痛が治った!」なんていう本をたくさん見つける事ができますが、それについての僕の感想は「試したいなら試してみれば良い」です。
今の科学では説明がつかない方法もたまにありますが、それでもその人には合うかもしれない。
ある神社にお参りに行ってその帰りにたまたま買った宝くじが当たったので、その神社のご利益を信じるという人を否定はできません。
だってその神社に行かなければ、その時間に宝くじ売り場には行かなかったので、当たりくじは買えなかったわけだから。
もうわかっていただけますよね。
岩沢メソッドを持つというのは、その瞬間で他の武器を失うと言う事。
岩沢は実際のリングや路上でのファイティングテクニックやタクティクスから、セロトニンに作用する瞑想と呼吸の方法、ファンクショナルトレーニングにピラティスやヨガのアプローチ、筋膜や筋肉に働きかけるセルフケアのメソッド、栄養学とサプリメンテーション、心理学と認知行動療法を応用したカウンセリング、脳科学からアプローチしたプレゼンテーションテクニックなどなど、持っている技術と理論に際限はありません。
なぜならもう45年以上学び続け、そして今も進化しているから。
だからあらゆる場面にプロとして対応できます。
それはつまり「あるアプローチがダメならすぐに他のアプローチを試してみる」という事。
実際そうやって効果を積み上げてきました。
でもそこには「これさえやっていれば上手くいく」的ないかにも短期的商売に使えそうなキャッチコピーのようなメソッドなんてありません。
昨日は研修の冒頭でそんな話をしました。
トレーナーとしてまだ若い方々が、その初期段階でこういう思考回路を持つ事が、物事の問題点の本質に迫り、それが解決の糸口を見つける事につながる。
もし岩沢メソッドがあるとしたら、凝り固まったメソッドがない事。
最後に運動の門外漢である社員の方から端的にその事を理解した感想をいただけた事が昨日の嬉しい成果の一つでした。
それこそがトレーナーでありコーチである我々が提供できる最高のサービスであり、まさにファンクショナルトレーニングの本質なのです!