ベレーザ初優勝、岩清水の「ゴールに吸い込まれたPK」
2026年4月29日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu にてWEリーグクラシエカップ決勝が行われ、日テレ・東京ヴェルディベレーザが初優勝の栄冠を手にした。120分間の激闘と息を呑むPK戦の末、クラブにとって初の同大会タイトル獲得となった。
試合は前半3分、RB大宮アルディージャWOMENに先制を許す苦しい立ち上がりとなったが、ベレーザの選手たちは崩れることなく落ち着いてゲームを立て直した。後半6分、本多桃華からのパスを受けた小林里歌子が右足を振り抜き、クロスバーを叩きながらもゴールネットを揺らして同点に追いついた。1-1のまま延長戦に突入すると、延長前半10分に樋渡百花のパスから抜け出した眞城美春のシュートからのこぼれ球を北村菜々美が押し込んで勝ち越しに成功した。それでも延長後半9分に大宮の執念のヘディング弾を浴び、2-2でPK戦へと向かう死闘となった。
このPK戦でドラマの主役となったのは、今季限りでの現役引退を表明していた岩清水梓であった。延長後半の114分からピッチに立ち、ボランチやセンターバックの疲労をカバーしつつ試合を締める役割を担った。PK戦の2人目のキッカーとして登場した彼女のシュートは、クロスバーに直撃したものの、跳ね返りが相手GKの背中に当たってゴールに吸い込まれた。
試合後、楠瀬直木監督は早々に失点しながらも慌てずに試合を作った選手たちの成長を高く評価した。若手選手の台頭を中堅やベテランが深い包容力で受け入れ、チームが非常に良い状態に仕上がっていたと明かした。PK戦では精神的に安定している朝生珠実を1番手に抜擢し、彼女が重圧の中でしっかりと決めたことがチームに勇気を与えたと語った。岩清水がPKを決めたことで次のキッカーやGK大場朱羽も精神的に楽になったと振り返り、実際に大場は大宮のキッカーを2人止める見事な活躍を見せた。
一方で指揮官は、優勝に安堵しつつも、多くの決定機を作りながら90分や延長戦の間に勝負を決めきれなかった点には厳しい目を向けた。今後のAWCLなどの戦いを見据え、決定機を確実に活かさなければ日本を代表するチームとしては物足りないと危機感を口にした。同時に、最後まで諦めずにパワフルなサッカーを展開した大宮へ敬意を表し、WEリーグ全体のレベルアップを実感したと語った。
取材:Junko Sato / SportsPressJP