絵本『ありさんシェフのしょうたいじょう』
2026.06.07 00:00
小さなありさんシェフは世界で一番大きな晩餐会を開くことを決めます。招待状を送る時、席順決めに頭を悩ませてしまいます。犬と猫、猫とねずみ、ねずみと象、狐と鶏、鶏とミミズ、狼と羊、同じテーブルを囲むにはそれぞれに問題があるのです。しかしありさんシェフは相関図を駆使しながらその問題をクリアし完璧な席順が決まります。ところが・・・
是非その先は絵本を読んでヨーロッパ絵本の特徴である絵の品の良さも味わって欲しいものです。
この作品はイタリア作家の翻訳絵本で、翻訳をしたのが俳優のディーン・フジオカ氏。どのような内容なのかと思わずその場で3度ほど繰り返して読んでしまいました。アジアを中心に活動しているディーン・フジオカ氏ならではの視点が記されている後書きが大変頷ける内容になっています。この作品を読んで翻訳したかったのではないかとさえ感じてしまいました。金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」に似た言葉「みんなちがって、みんないっしょ」という言葉が記され、その言葉にこの絵本のテーマが隠されているように思います。
みんなそれぞれ違っていい、違いそのものに価値があるという多様性や個性を肯定するメッセージに人類の豊かさや安寧が息づいているように感じます。最後のオチは読む前から想像できていたので、大人の私からするともう一捻りあってもよかったかもしれませんが、子供達の反応を想像しながら読み聞かせても良いのではないでしょうか。