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最初の3年で専門家になるな

2026.05.08 00:54

若いうちから、早く専門家になろうと焦っていないか。


断言する。早すぎる専門化は、将来の伸びしろを小さくする。


仕事には、深める時期と、広げる時期がある。これは間違いない。新入社員から最初の3年は、専門知識と技術だけを積み上げる時期ではない。しっかりとした広い土台を、最初に作る時期である。


多くの若手は、早く武器を持ちたがる。資格、専門技術、分かりやすいスキル。もちろん大切だ。しかし、それだけを急いで積み上げても、土台が狭く弱ければ意味がない。根が浅い木は、少し強い風が吹けば倒れる。仕事も同じだ。応用が利かない。


土台が狭い。根が浅い。踏ん張れない。


私が24歳で社会に出た頃、最初の3年は社会人としての基礎を叩き込まれた。挨拶、報告、段取り、現場感覚、チームワーク。地味である。派手さはない。しかし、後から考えると、この地味な経験こそが一番効いた。


次の3年で、ようやくビジネスの構造が少し見えた。キャッシュフロー、営業、顧客ペルソナ、組織の動かし方。そこから30歳を過ぎて、専門性や経営の力を積み上げていった。この順番に、一切の無駄はなかった。確信している。


スペシャリストが伸び悩むのは、実は30代からである。20代で焦って絞り込み、専門だけをやってきた人は、最初は早く見える。専門用語も知っている。技術もある。周囲からも「できる人」に見える。


しかし、後から苦労することが多い。


はじめてのことに対応する応用力が利かない。自分以外の人と一緒に仕事をするスキルが弱い。経験と知的枠組みが狭いから、新しいことを学ぶ力も弱くなる。さらに、2本目の専門を身につけようとしても、時間がかかる。


本当の問題はここだ。専門性が足りないのではない。専門性を支える土台が足りないのだ。


では、最初の3年に何をすべきか。焦らず、慌てず、しかし怠けず、自分の引き出しを増やすことだ。専門外の仕事。誰かの補助。現場の雑務。面倒な調整。そして、専門以外の人と会うことだ。専門以外の知識を学ぶことだ。


獣医師なら、獣医療だけを見ていてはいけない。営業、教育、出版、製造、マーケティング、財務、人材育成。自分の専門外にある知識が、いつか専門性を強くする。


自分を小さな専門性に閉じ込めるな。


明日、自分の専門外の人に一人会えばいい。専門外の知識を一つ学べばいい。そこで見える景色が、将来の自分を必ず助ける。最初の3年は、深めるな。広げるのだ。