提案『発想力の要素 No.3広げる力』
これまで提案『発想力の要素 No.1視点を変える』(記事はこちら)、提案『発想力の要素 No.2 組み合わせる力』(記事はこちら)を記してきました。今回は『発想力の要素 No.3広げる力』について記事を記してまいります。
『広げる力(一つの考えを発展させる)』については言葉そのものの意味ですから記事の内容をよういい想像することができると思います。つまり1つのアイデアに止めずに、そこからさらにどうなる?」と展開していく力を指します。1つのアイデア・言葉・出来事から、連想をどんどん増やしていく力は「そこから他に何が考えられるのか?」「もっと別の可能性はないのか?」と発想を拡張していかなければなりません。4つの要素の中で一番伸ばしやすいのはこの広げる力です。
1. なぜ「広げる力」が重要なのか
多くの人は最初に思いついた答えで止まります。私がプリント学習をその修得目的に終わらせずに、多角的に広げていくことをお願いしているのは「1本の枝から更に芽を芽吹かせること」「点である知識や教養を増やすこと」「点と点であったことを線にすること」で子供の思考や可能性を広げることに意識を向けてほしいからです。常に答えは一つで終わらせずに次々と連鎖を起こすことに意識を向けてほいいと考えます。
例えば「段ボールで遊ぼう」という課題を出します。私たち大人はダンボールは 箱として使うと固定した考えがありますが、広げる力がある子はその段ボールを家、ロボット、 車、秘密基地、電車、お店、宇宙船と発想が連鎖します。つまり、一つの考えから枝を増やし広げ大きな大木の創造力を獲得することが、さまざまな場面で発想力をなしなう土台になるのです。
2. 「広げる力」は発想の量を増やす力
発想力には深く考える力、組み合わせる力、組み替える力などがありますが、広げる力は「可能性を増やす力」で、1つの考えから『思いつく数』や『可能性』を増やせる力という意味です。発想力というと「すごいアイデアを1つ出す力」と思われがちですが、実際にはまず『たくさん出せる』ことがとても重要です。なぜなら最初に出る答えや思いつくアイデアは、多くの場合一般的にありきたりです。よって発想の量を増やすことは面白い発想が生まれる確率が上がるのです。見る角度を変えると発想は「最初」より「途中」からが面白くなると言え、更に角度を変えると広げる力は普通を超えるために必要とも言えるでしょう。
ここで少しお手本になるかわかりませんが「雨」を例題に発想を広げてみましょう。雨は濡れるですがそれを発想で広げると水たまり、蛙、長靴、レインコート、雨の音、ショパン、虹、雨の匂い、歌川広重、宮沢賢治、雨月物語、羅生門、井伏鱒二の黒い雨、雨に唄えば、ブレードランナー、ショーシャンクの空に、となりのトトロ、童謡あめふり、あめふりくまのこ、夕立、雨の擬音語・・・などその人の経験値が出てきます。まずは親御さんが発想を広げることに挑戦してみてください。
3. 子供の「広げる力」は遊びに現れる
子供の「広げる力」は遊びに現れるということは、1つの遊び・物・出来事からどんどん新しい展開や意味を生み出していくことです。子供は遊びの中で、発想を増やし世界を広げ、設定を作り役割を増やし、ルールを変えながら遊びます。つまり遊びは「発想を広げる練習」なのです。遊びには1つの正解がありません。だから自由に広げられるのです。
例えば しりとり的連想で子供は自然に連想を広げます。またごっこ遊びで世界設定を広げ、積み木遊び発想の拡張をしていくのです。
4. 広げる力の本質は「連想」
1つのものから別のものを次々と思い浮かべて繋げていくことが、発想を広げる根本だからです。つまり「広げる力」は、「頭の中で“つながり”を増やす力」とも言えます。例えば「リンゴ」から連想を行うと赤、木、ニュートン、重力、アップル社、ジュース、白雪姫などに飛ぶことができ連想が豊かな人は繋がりが多い、一方で発想が広がりにくい人は繋がりが少ないということになります
また脳の中では1つの情報から別の情報へネットワークが広がっています。発想は、突然ゼロから生まれるわけではなく実際は、「ある考え」から「別の考え」へ飛ぶことで増えていきます。例えば一般的な連想といえば雨 →といえば次に来るのが傘となります。一方創造的な連想をする場合には雨、水、 海、深海、宇宙へと大きく広がります。さらに雨、涙、悲しみ、 音楽、青い光へと連想し感情や芸術へ飛ぶことが創造性になります。
つまり発想とは『繋がりの移動』なのです。人の脳の知識は辞書のようにに並んでいるのではなく、網(ネットワーク)のように繋がっており脳はネットワークのように働くのです。
5. 親の関わりで変わる
親が子供の連想遊びの関わりで大事なことは、安心して話せる環境をまず作ることです。そして子供の連想ゲームに一言、二言伝えたくても否定せずに、「どうしてそう思ったのか」「その繋がり面白い」などと否定しない方向で面白がると、子供は変な発想を笑われないと感じることができ自由に連想ゲームを楽しむことができます。連想が伸びるのは親や周りの大人が「どうしてそう連想したのか」と理由を尋ねることです。そして連想が止まらないようなヒントを適度に与えることも必要です。そのような環境が整えば伸びやすくなり、また親が評価者ではなく共にプレイヤーになること、そして子どもの連想よりも下手になってもらうことで子供はかなり自由に連想ができるようになります。
6. 広げる力が強い子の特徴
連想を広げることが得意な子供の特徴は「もしも・・・」という表現が多い特徴があります。
日常の中で「もし空を飛べたら?」「もし犬がしゃべったら?」などと仮説を広げるようになります。また考え方の思考として答えを 一つで終わらせない特徴もあり、「他には?「もっとある?」などの考え方が自然と発生しています。そして話がどんどん発展する傾向があり、1つの遊びが大きな世界になることが起き、新たな発想へと繋がることがあります。そのような考えを持っている子供は関係ないものを繋げることも上手になります。「もし恐竜が生きていて、ケーキが大好きで「パンどろぼう」のように世界のケーキ店を回って旅している」などの連想を展開しているかもしれません。
7. 広げる力と学力
広げる力は勉強にもかなり深い関係があります。ただ誤解してほしくないのが「知識量が増える」というよりも学力の土台になる力と繋がっているという事です。特に関係が深いのは、読解力、思考力、表現力、問題解決力、発想の転換です。
なぜ連想遊びが学力に繋がっているのかという事ですが、連想は「共通点を見つける力」が育っているため何が似ているのか、どう繋がるのか、どこが共通かなどを探し出す力が優れています。これを教科で置き換えてみると、国語は比喩や文章理解、算数はパターン発見、理科は分類・法則、社会は 因果関係の基礎になるのです。
また「抽象化」が育つためまとめる力があります。例えば雨、シャワー、滝を「水が落ちるもの」とまとめる力として理解し、新しい問題でも「前に似たの見た」と気付きやすくなります。一般的に学力上位者には暗記量だけでなく、構造で理解する傾向があります。
そして読解力との関係が深いことも見逃せません。読解が苦手な子は、文章を「単語の列」で読むことがありますが、連想が豊かな子は背景を想像したり、行間を読む、感情を補う、文脈を繋ぐことが自然に行え「書いてないことを推測する力」が育ちやすいと感じています。
最後に「間違いを怖がらない」のも特徴です。連想遊びで否定されない経験が多いからかもしれませんが、仮説を出し、試し、間違いがあれば修正する力があります。これは数学や作文、探究学習でかなり重要なものです。つまり正誤より『思考過程』をどう積み上げるかが重要です。実際、伸びやすい子の特徴として空想が多い、変なことを言う、話が飛ぶ、疑問が多い、自分ルールを作るタイプも結構います。そのような場合には整理する力が必要ですが、先ず幼少期は「広げる」が何よりも大切なことになるのです。
8. 広げる力と創造性
創造性が育つ時に起きていることといえば、固定観念を外していることが先ず挙げられますが、創造性が高い子は、「こうあるべき」「普通はこう」を一度緩めることができます。連想遊びは、「ありえない」を許すので、思考が柔らかくなります。
また未完成を楽しめるのが創造的な子供の特徴でもあります。最初から完成形を出せないのが子供なので、とりあえず言ってみる行動してみる、変でも形にする、後で整えるを繰り返しています。しかし正解主義が強すぎると、「間違えたくない」から「出さない言わない行動しない」になりやすいので、創造性には安心して試せる空気がかなり重要です。
最後にまとめとして発想力の「広げる力」とは、「一つの考えから、多くの可能性を生み出す力」です。これは、想像力、柔軟性、問題解決力、創造性の基盤になり、子供は遊びの中で「世界にはまだ続きがある」ことを学んでいるのです。