千葉ジェッツを沈めた群馬の"静かな猛攻"
Bリーグチャンピオンシップ2025-26クォーターファイナル、千葉ジェッツ対群馬クレインサンダーズのGAME1は、群馬が87対68で勝利し、クラブ史上初のチャンピオンシップ白星を刻んだ。舞台はLaLa arena TOKYO-BAY。アウェーに乗り込んだ群馬は、ディフェンスの堅さとポジションレスなオフェンスを武器に千葉を圧倒し、19点差をつける完勝でシリーズの主導権を握った。
千葉は脳震盪で渡邊雄太選手を欠いた状態での出場を余儀なくされた。第1クォーターこそ21対22と一歩も引かない展開を演じたが、第2クォーターに入ると状況は一変した。千葉のインサイド陣がファウルトラブルに見舞われたことで群馬はスモールラインナップを機能させ、中村拓人選手やブラックシアー・ジュニア選手のパスワークを起点にディフェンスからオフェンスへの好循環を生み出した。千葉はゾーンディフェンスでインサイド陣を休ませながら対抗を試みたが、群馬はそのギャップを的確に突いてシュートを沈め続け、前半を15点リードで折り返した。
後半も流れは変わらなかった。ブラックシアー・ジュニア選手が24得点・16リバウンド・8アシストと圧倒的な数字でチームを牽引し、怪我から復帰したトレイ・ジョーンズ選手もプレータイムをコントロールしながらチームにリズムをもたらした。辻直人選手や藤井祐眞選手ら経験豊富なベテラン勢も随所で存在感を示し、群馬は最後まで千葉の反撃を封じ込めた。千葉は富樫勇樹選手が19得点、ナシール・リトル選手が20得点で意地を見せたが、チームとしての連携やディフェンスに課題を抱えたまま68対87で白星を逃した。
千葉のトレヴァー・グリーソンヘッドコーチはこの1ヶ月以上なかったほど珍しい崩れ方を前半にしてしまったと振り返り、第3クォーターにファイトバックを試みたものの細かなファンブルやフリースローのミス、オープンレイアップの失敗が重なったと分析した。渡邊選手の欠場によるチームの同調力の低下を認めながらも、昨シーズンも渡邊選手が25試合しか出場できなかった経験を引き合いに出し、他の選手がステップアップしなければならない状況だと説明した。逆境を乗り越えてきたチームとして、明日の試合に向けてレスポンスする準備はできていると前を向いた。
富樫勇樹選手は、攻守にわたり大きな存在感を放ってきた渡邊選手の不在がチームにとって非常に大きかったと率直に語り、しっかりと修正して明日は守り勝たなければならないと次戦への決意を口にした。
群馬のカイル・ミリングヘッドコーチは、今週は怪我人が多くほとんど練習ができなかった中でも、選手たちが見事な集中力と遂行力を発揮してくれたと称えた。アシスタントコーチ陣が千葉の戦術を綿密に分析し、直近の千葉対滋賀戦で使われたスペインピックアンドロールを参考にアドバンテージを作る準備を進めていたことが奏功したと明かした。怪我から復帰したトレイ・ジョーンズ選手については、3週間コンタクト練習もできていない状態での出場だったにもかかわらず見事にアジャストしてくれたと高く評価した。クラブとしての初のチャンピオンシップ勝利を新しい歴史の第一歩と表現しながらも、千葉が必ずリアクションしてくることを見据え、翌日の2戦目に向けて良い準備をして2勝目を取りに行くと語った。
辻直人選手は、第2クォーターにディフェンスが機能してオフェンスリバウンドを獲得できたことが良い流れを生んだと振り返り、相手インサイドのファウルトラブルを突いてアドバンテージを得られたことが大きかったと述べた。今週は5対5の練習が1度もできなかったものの、シーズンを通してスモールラインナップを体現してきたためチームとして迷いなく臨めたと明かした。トレイ・ジョーンズ選手の存在により日本人選手がワイドオープンでシュートを打てる機会が増えたことにも触れ、初勝利をあくまで通過点として捉え、明日もう1勝しなければ意味がないと気を引き締めた。
トレイ・ジョーンズ選手は、初勝利は特別な瞬間だったものの、まだ1勝しただけであり喜ぶ段階ではないと冷静に語った。昨シーズンの経験からプレーオフのインテンシティがレギュラーシーズンとは全く異なることを理解しており、メンタル面での準備を整えて臨んだと話した。自身のオフェンス以上にディフェンスに誇りを持ち、前半のディフェンスの出来がオフェンスの自信に繋がったと分析した。翌日の課題としてボールを大切にすること、リバウンドを制すること、千葉の強みであるファストブレイクを抑えることの3点を挙げ、チームの強みを発揮すれば良いゲームができると展望した。
シリーズは3戦制で行われ、5月10日にGAME2が同アリーナで開催される。千葉は後がない状況で必ずリアクションを見せてくるはずだ。群馬は初のチャンピオンシップ勝利の余韻に浸ることなく、シリーズ突破に向けてもう1勝を目指して戦いに臨む。
取材:Junko Sato / SportsPressJP