野獣会で見つけた自由な青春 稗田利明
2026.05.17 00:00
こんにちは、稗田利明です!
和光高校に入学した田辺さんは、中学時代とはまるで違う校風に馴染めず、次第に興味を失っていった。そんな折、小学生時代に所属していた劇団「こまどり」の知人から「野獣会」という謎の集まりに誘われる。そこは、デザイナーや俳優、アーティストなどを志す10代の若者たちが集い、夢に向かって活動するグループだった。
赤坂や六本木を拠点にしていたことや、時代背景も相まって、不良の集まりと見られることもあったが、実際は強い志を持つ若者たちの熱気あふれる場所だった。四谷のアパートにあった事務所に通い、放課後には仲間と合流して夜の街へ繰り出す日々が始まる。
このグループを率いていたのは、女優であり作家でもある秋本まさみ。彼女はプロデューサーとしての手腕にも優れ、東京タワーでのダンスイベントを雑誌と連動させて成功させるなど、魅力的な企画を次々と生み出した。創設メンバーたちは皆、未来への期待に目を輝かせていたという。
また、後に俳優として活躍する峰岸徹や、タレントの井上順らともこの場で出会う。四谷の事務所近くの公園でギターを弾きながら歌うなど、自由で活気に満ちた交流が続いた。ある夜、騒ぎすぎて大家に叱られた際の「ちったあ寝かしてくださいよ」という言葉は、仲間内で流行語となり、彼らの青春を象徴する一幕となった。