5月句会
2026.05.16 08:00
平林吉明
① ころんだしんだそうだうそつき
② 咲くモクレン紫色の打ち明け話
③ 季語の無い哀しみの心拍数
④ シのおとするこころのピアニシモ
石原とつき
⑤ じっくりきれいな布きれ濡れぎぬ。ひらけごま、
⑥ はたまた浜辺はしりとりかえるはたりてます
⑦ が、ざくろまみれみとれてひとりなロマンネリだ
⑧ 春をおまつりおまけはかすみかおつり借りる
叶裕
⑨ 祭髪追いかけて吉原
⑩ くちびるはさみしいかたち
⑪ さらばえてあぢさゐ
⑫ 咳もう直ぐいのちへと届く
きゃさりん
⑬ 廃校の五月のプール映る鯉
⑭ 春なんてないと呟く幼女子
⑮ 手をはなす暮れ際の道白つつじ
⑯ 皐月空フルスクリーンにつばめ舞う
大川崇譜
⑰ 青すぎて目薬さすね、山が
⑱ 男くだる摩擦の低い坂の茶屋にて
⑲ 軽石は夏待つ湯舟のほとり
⑳ 始めて休みまたポケットからだしてみて
草の耳彦
㉑ 霜止みて苗いずる遠くに有りていの土ぼこり
㉒ 雷音に牡丹はなさく昇降機
㉓ 目を瞑ってカワズハジメテナクをきく
㉔ 街で見ず蚯蚓いずる水入らず
鈴木雀
㉕ 乗り込んで薄ぼんやりと連帯する煙たち
㉖ じっとりとした笑みに金魚の背後霊
㉗ ふとましい鉄塔の根元に住み着く
㉘ ここに居ても居なくても閉架書庫
石川聡
㉙ 初夏を剥くさいごの蜜柑
㉚ みなみから眉間よせくる黒雲
㉛ 茶柱あまく混じる リ、ズ、ム、
㉜ く、ずれ、お、ち、てく脊椎に、爆心地