今はなきSolaris オリンパス35SP&XA
2019年現在、ネガフィルムの選択肢は非常に少なくなっています。
ここ1~2年で生産中止になったフィルムだけ挙げても、natura1600、X-tra400、AGFA VISTA、ACROS100など、あっという間に片手くらいの種類が思いつきます。
以前は量販店の店頭でもよく見かけていた海外製のフィルムもほとんど目にすることが無くなり、たまに見かけてもフジフィルムのOEM生産だったりで、純然たる「個性ある海外製フィルム」もほぼ全滅状態です。
僕はフィルム(レンズやカメラも同様)の発色の違いとか描写の違いというものに非常に鈍感な方ですが、そんな僕でもハッキリと分かるほどのクセがあったのがイタリアのソラリスというメーカーのフィルムでした。
これはオリンパスXAに詰めて撮ったものです。
ただし感度は400だったか200だったか忘れてしまいました。
見ての通り、実に分かりやすく黄色に被ります。
屋内の照明ですとさらに顕著になるような気がします。
ここから先はオリンパス35SPで撮ったものです。
屋外でもこの通り。
実に個性的です。
仕上がりは個性的だし価格は結構安かったので一時よく使っていたのですが、どれもこれも「トイカメラ風に狙って撮りました」的な色合いになることが少々食傷気味になってそのうち使わなくなりました。
カメラのことにちょっと触れるなら、XAも35SPもその後あまり使っていません。
XAは、メチャクチャ軽くてコンパクトなうえ、絞り優先AEのレンジファインダーというマニアックな作りが気に入ってたのですが、とにかくシャッターがデリケートで壊れやすい・・・
一回修理したのですが、二度目に壊れた時にそのまま防湿庫行きとなりました。
一見カメラっぽく見えないのと、シャッター音がほとんどしないのでこんなスナップは撮りやすかったんですけどね・・・
35SPも使いやすいカメラだったのですが、少々デカくて重く持ち出すのが面倒になってそのまま・・・・という感じです。
特に35SPの方はこのソラリスしか詰めてませんので、国産のニュートラルな発色なフィルムでの実力を確かめる前に使わなくなってしまい、少々気の毒なことをしました。
ただしカメラ自体はまだ手元にありますし、この時代のカメラは丈夫であまり壊れませんので、またふと持ち出すこともあるかもしれません。
いずれにしても、このソラリスというフィルム。
しばらく使っていないうちに店頭から姿を消してしまいました。
けっして常用するのに最適なフィルムではありませんでしたが、夏の気だるい空気の中で撮るとその時の温度や湿気も伝わってきそうな仕上がりではありました。
こういう個性的なフィルムが(少なくとも名古屋では)手に入らなくなるというのは寂しいものがありますね。