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【2026年最新版】不動産投資の確定申告完全ガイド|対象診断から節税・e-Tax提出まで徹底解説

2026.05.19 19:27

「不動産投資を始めたけど、確定申告って自分でやれるのか」「サラリーマンなのに申告が必要になるのか」不動産投資を始めたばかりの方が最初に抱く疑問は「確定申告をどうするか」という問題です。

毎年2〜3月になると「申告しなければ」という焦りが生まれますが、何を準備して・何を経費にして・どうやって提出するかが整理できていないまま、税理士に丸投げしたり、申告を先延ばしにしたりするケースは少なくありません

実際のところ、不動産投資の確定申告は正しい手順を理解すれば、物件数が少ない段階なら自分でも対応できます。

重要なのは「対象かどうかの判断」「経費の正確な把握」「節税の仕組みの理解」の3点です。

これらを知っているだけで、手元に残るお金が数十万円単位で変わることがあります。

この記事では、申告が必要かどうかの診断から、やり方・必要書類・節税方法・e-Taxでの提出まで、2026年の最新情報をもとに体系的に解説します。

初めての申告を控えている方も、申告を見直したい方も、ぜひ最後まで読んでください。

不動産投資は確定申告が必要?あなたが確定申告の対象かすぐ分かる診断

「確定申告が必要かどうか」は、状況によって判断が変わります。

まず自分のケースがどれに当てはまるかを確認しましょう。

不動産所得が年間20万円を超えているか?

確定申告が必要かどうかの基本的な判断軸は「不動産所得が年間20万円を超えるかどうか」です。

不動産所得 = 家賃収入などの総収入 − 必要経費(管理費・ローン利息・減価償却費など)

この計算結果が20万円を超える場合、原則として確定申告が必要です。ただし「20万円以下なら何もしなくていい」というわけではなく、住民税の申告が必要になるケースがあります。

なお20万円以下の不動産所得であっても、給与所得以外の所得が複数ある場合や、医療費控除・住宅ローン控除を受けたい場合は申告が必要になるため注意が必要です。

給与所得者でも確定申告が必要になる主な3つのケース

会社員(給与所得者)は年末調整で税金の精算が完了することが多いですが、以下の3つのケースに当てはまる場合は別途確定申告が必要です。

※給与の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の人は申告は不要。

上記は主なケースで、特殊なケースとしては「災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人」「源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人」なども確定申告が必要になります。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

住民税のみ申告が必要になるケース

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

不動産所得が年間20万円以下であっても、住民税の計算には全ての所得が反映されるため、市区町村への申告が必要です。

申告しないまま住民税の計算が誤った状態になると、後から追加徴税になるリスクがあります。

「所得税の申告は不要だった」という場合でも、住民税の扱いについては市区町村の窓口または税理士に確認しておくことをおすすめします。

不動産投資における確定申告のやり方

確定申告は「どんな順番で何をするか」を理解すれば、思ったより複雑ではありません。

以下の5つのステップで確定申告を進めましょう。

・家賃収入とその他収入を集計する
・経費を仕分ける(固定費・変動費の整理)
・減価償却費を計算する
・青色申告決算書または収支内訳書を作成する
・e-Taxで提出する

①家賃収入とその他収入を集計する

まず1年間(1月1日〜12月31日)の収入を漏れなく集計します。不動産所得に含まれる主な収入は以下の通りです。

・家賃収入(毎月の賃料収入)

・礼金・更新料(受け取った年の収入として計上)

・駐車場収入(月極・時間貸しともに対象)

・管理費・共益費(実費を超えて受け取っている場合)

振込で受け取っている場合は通帳の記録・管理会社からの送金明細が一次資料になります。年間の合計金額を正確に把握することが確定申告を進める最初の一歩です。

②経費を仕分ける(固定費・変動費の整理)

収入を集計したら、次は経費の仕分けです。経費は「毎年ほぼ一定額発生する固定的な費用」と「発生するかどうか・金額が変わる変動的な費用」に分けて管理すると整理しやすくなります。

・固定費の例:固定資産税・管理委託料・火災保険料・ローン利息
・変動費の例:修繕費・広告宣伝費(入居者募集)・交通費(物件管理のための訪問)

領収書・振込明細・契約書を整理しながら、経費として計上できるものを漏れなく拾い上げることが節税の基本です。

③減価償却費を計算する

減価償却費とは、建物(土地は対象外)の取得費用を法定耐用年数に応じて毎年少しずつ経費として計上する仕組みです。

計算式:減価償却費 = 建物の取得費 × 償却率

木造・軽量鉄骨・RC造など構造によって法定耐用年数が異なります(木造22年・RC造47年など)。

中古物件は簡便計算法で残存耐用年数を算出してください。

現金の出ていかない経費として計上できるため、帳簿上の不動産所得を圧縮できる節税効果があります。

④青色申告決算書または収支内訳書を作成する

収入と経費が整理できたら、申告書類を作成します。白色申告の場合は「収支内訳書」、青色申告の場合は「青色申告決算書(不動産所得用)」が必要です。

白色申告は記帳の簡易さが特徴ですが、特別控除がありません。

青色申告は複式簿記による記帳とe-Tax提出という条件を満たすことで、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。

この控除だけで所得税・住民税合計で数十万円の節税になるケースがあるため、手間はかかりますが青色申告の選択は非常に有利です。

青色申告を選択するには、適用を受けようとする年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。

⑤e-Taxで提出する

確定申告書の提出方法は「e-Tax(電子申告)」と「税務署への書面提出」の2つがあります。


e-Taxは国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトから利用できます

マイナンバーカードとICカードリーダーまたはスマートフォン(マイナポータルアプリ対応)があれば、自宅から完結できます。

不動産投資の確定申告に必要な書類【チェックリスト】

書類の不備は申告の遅れや税務署からの問い合わせにつながります。事前にチェックリストで確認しておきましょう。

青色申告と白色申告で最も異なる点は「帳簿の要件」です。

白色申告では簡易な収支記録でも対応可能ですが、青色申告では複式簿記による仕訳帳・総勘定元帳が必要です。

会計ソフトを活用すれば自動的に帳簿が作成されるため、青色申告であっても自力対応が現実的です。

サラリーマンでもできる不動産投資における節税方法

不動産投資の節税の仕組みを理解しているかどうかで、手元に残る金額が大きく変わります

サラリーマン投資家が活用できる主な節税手段を解説します。

損益通算で給与所得と相殺できる(赤字還付の仕組み)

不動産所得が赤字になった場合、給与所得などの他の所得と合算(損益通算)することで課税所得を圧縮できます

これにより源泉徴収された所得税が還付されるという仕組みです。

たとえば給与所得が800万円・不動産所得が−100万円の場合、合算後の課税所得は700万円になり、差額分の税金が戻ってきます。

所得税の税率が高いほど(年収が高いほど)、この効果が大きくなります。

ただし土地取得に充てたローン利息分は損益通算の対象外になるため注意が必要です。

詳しくは以下の記事で解説しています。

参考:不動産投資はなぜ節税になる?仕組みや節税できるケース、注意点を解説

参考:不動産投資の売却でかかる税金は?計算方法(個人)・節税対策・売るべきタイミングまで徹底解説

減価償却を活用して会計上の赤字を作る

実際には現金が出ていかないにもかかわらず経費として計上できる減価償却費は、不動産投資の節税において最も重要な仕組みです。

毎年一定額の減価償却費を計上することで帳簿上の不動産所得を圧縮し、課税対象を減らせるためです。

特に木造・築古物件は耐用年数が短いため、短期間に大きな減価償却費を計上できます。

ただし、売却時には減価償却費の累計分だけ取得費が下がり、譲渡所得が増えるという出口での課税に注意が必要です。

不動産投資の減価償却については以下の記事を参考にしてください。

青色申告特別控除(最大65万円)

青色申告を選択し、複式簿記による記帳とe-Tax提出の条件を満たすと、最大65万円の特別控除が受けられます

この控除は課税所得から直接差し引かれるため、税率20%の方なら最大13万円、税率33%の方なら最大約21万円の節税効果があります。

会計ソフトを使えば複式簿記の記帳は自動化できるため、手間を理由に青色申告を避けるのは非常にもったいないので、青色申告の申請ができる場合はなるべく申請をして進めましょう。

よく、「青色申告は税務署に目をつけられやすい」と聞くかと思いますが、白色も青色も税務署によるチェックが入る可能性は平等です。

なので、節税を最大化したい方は青色申告での確定申告がおすすめです。

家族への青色事業専従者給与

青色申告者が、事業に従事している家族(配偶者・子どもなど)に給与を支払う場合、一定の条件を満たせばその給与を経費として計上できます(青色事業専従者給与)。

ただし、不動産投資においてこの特例を利用するには、事業がおおむね「5棟10室以上」の事業的規模に達している必要があります。

この特例を使うためには「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出し、実際に業務に従事していることが要件です。

家族への給与は所得分散による節税効果があり、家族全体での税負担を下げることができます。

ただし、管理会社に丸投げしており、実質的な身内の業務がない場合は認められないケースもあるため注意が必要です。

不動産投資で経費にできるもの・できないもの

確定申告で最も注意が必要な点のひとつが、何を経費にできるかという判断です。誤った計上は税務調査のリスクを高めます。

※価値を高めるリフォームは「資本的支出」となり、減価償却の対象となります。

特に混同しやすいのが「ローンの元本は経費にならない・利息分だけが経費」という点です。

また修繕費と資本的支出の区別も重要で、原状回復目的の修繕は経費、建物の価値を高める工事は減価償却が必要になります。

経費の詳細については以下の記事で詳しく解説しています。

参考:不動産投資の経費はどこまで?認められるもの・認められないものまとめ

不動産投資の確定申告は自分でできる?税理士に依頼する判断基準

不動産投資によって利益が出た場合、自分で確定申告をすべきか、税理士に依頼すべきか悩んでいる方も多いと思います。

ここからは、税理士に依頼する判断基準やご自身で確定申告の作成をおすすめするケースについて解説していきます。

会計ソフトを使えば自力で対応できるケース

以下の条件に当てはまる場合は、会計ソフトを活用して自力での確定申告が現実的です。

・物件が1〜2件程度で収支がシンプル

・青色申告65万円控除の複式簿記に対応できる(ソフト使用前提)

・法人化・消費税還付などの複雑な税務を必要としない

freee・マネーフォワードクラウド・弥生会計などの会計ソフトは、銀行口座・クレジットカードの連携で日々の取引を自動入力でき、確定申告書の作成まで一気通貫で対応できます

月額1,000円程度からのサービスも多く、税理士報酬との比較でコストメリットが明確です。

税理士に任せるべきケース

以下の条件が重なる場合は、税理士への依頼を検討することをおすすめします。

・複数棟・多物件を保有している

・法人化を検討中または法人として所有している

・消費税還付を狙う・複雑な税務判断が必要

・将来の売却・融資戦略と税務が連動している

税理士報酬は不動産投資専門の場合、年間10〜30万円程度が目安です。

複数棟保有・高所得者・法人化検討中の場合、税理士への投資対効果は申告の手間削減だけでなく、適切な節税設計による税負担の軽減という形でも回収できます。

「費用対効果を考えると税理士の方が割安」というケースは少なくありません。

不動産投資の確定申告に関するよくある質問

ここからは不動産投資の確定申告に関するよくある質問を紹介します。

不動産投資の確定申告は赤字でも申告するべき?

赤字でも申告すべきです。不動産所得が赤字の場合、損益通算によって給与所得と相殺し、源泉徴収された所得税の還付が受けられます。

申告しなければこの還付を受けられないため、赤字こそ申告する価値があります。

不動産投資の確定申告はe-Taxだけで完結できる?

多くのケースでe-Taxだけで完結できます。マイナンバーカードとスマートフォンまたはICカードリーダーがあれば、書類の郵送・窓口訪問なしで申告が可能です。

ただし一部の添付書類(医療費の明細など)は別途保管が必要なケースがあります。

e-Tax提出は還付も早く、65万円控除の条件のひとつにもなるため、積極的に活用しましょう。

会社員でも青色申告できる?

会社員の方でも青色申告による確定申告は可能です。

不動産所得がある会社員(給与所得者)も、青色申告承認申請書を事前に提出すれば青色申告が可能です。

最大65万円の特別控除・損失の繰越・家族への給与計上など、青色申告のメリットはすべて受けられます。

年末調整済みの会社員でも申告が必要になる条件は?

年末調整が完了していても、以下の条件に当てはまる場合は別途確定申告が必要です。

給与以外の所得合計が20万円を超える場合・2か所以上から給与を受け取っている場合・年収2,000万円超の場合・医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を受けたい場合などが該当します。

年末調整は「給与所得のみの精算」であり、他の所得が加わると別の申告が必要になると理解しておきましょう。

まとめ

不動産投資の確定申告は、正しく理解すれば節税の大きなチャンスになります。本記事のポイントを最後にまとめます。

申告対象かどうかは「不動産所得が20万円超か」を基準に判断します。 会社員でも条件次第では申告義務が発生するため、まず自分のケースを確認することが出発点です。

確定申告の流れは「収入集計→経費仕分け→減価償却計算→申告書作成→e-Tax提出」という5ステップで進めます。 会計ソフトを使えば物件数が少ない段階なら自力対応も十分可能です。

節税の最重要ポイントは青色申告特別控除・損益通算・減価償却の3つです。これらを正しく活用するだけで、手元に残るお金が大きく変わります。

複数棟保有・法人化・消費税還付を検討している段階になれば、税理士への相談が合理的な投資になります。

まず自分のフェーズと状況を整理したうえで、適切なサポートを活用してください。

なお、本記事の内容は以下の動画でも解説しています。