【DOG】犬の歯周病の現状
人ではむし歯や歯周病が高い頻度で発生しますが、犬や猫では歯周病の頻度が高く発生します。そこで、今回は犬の歯周病について皆さんとシェアしたいと思います!
口腔内の細菌は、「グラム陽性通性嫌気性・好気性菌」という”善玉菌”とよく言われる菌たちと、「グラム陰性嫌気性菌」という”悪玉菌”が存在しています。
通常は、バランス的に善玉菌が多く存在するのですが、歯周病をはじめ何らかの炎症が起きている状態では悪玉菌の方が多く存在します。簡単に言うと、口腔内の菌バランスが崩れてしまうのです。
そして実際として犬は、5才を過ぎると歯石沈着率は80%以上、歯周病発生率は60%以上という調査結果があります。※1
加齢に伴って歯石の沈着率が高くなるとともに、それが原因で歯周病の発生率も高くなるというのが特徴です。
口腔ケアをしないでいると、重症化してしまうのが明らかになっています。
それでは、犬の口の中の環境要因はなにかというと、赤ちゃんの歯が残っていたり(乳歯残存)、歯並びが悪かったり(歯列異常)・・また、唾液の量や歯の沈着物、食べ物などさまざまです。
そのため、犬や猫の口の中の衛生管理は”歯周病対策”をしっかりすることが大切です。
パパさん、ママさんができる対策として、いくつかあげられます。
1.自然清掃
食事はウェットフードよりドライフードが、ドライフードでも小粒より大粒だと沈着しにくいと言われています。※2
また、おやつやおもちゃなどもあります。ただしおやつやおもちゃはあまり硬いものですと、逆に歯そのものを折ったりしてしまう可能性もあるので、様子を見ながら使うことも必要です。
2.人工的清掃
いわゆる歯磨きです。歯磨きトレーニングが必要ですが、一番一般的で対策しやすい方法です。
3.その他
口腔内の菌バランスを整えるサプリメント、ハーブの配合されたサプリメント、抗菌作用のあるサプリメントなどがあります。
ヘルシアマーケットではいくつかのオーラルケアサプリメントを販売しています。
特に人気なのが、菌のバランスを整えるプロバイオデンタルです。
これはいわゆる善玉菌である、Streptcoccus Salivariusという種類の菌が2種類、フリーズドライの状態で入っています。
直接飲ませてあげるか、お水に少し溶かしてごはんなどにまぜてあげると効果的です。
いずれも、その子の性格や歯の特性に合わせて、続けやすいものを選んであげるのが良いかと思います。ぜひ今日から始めてみてください!
※1 網本昭輝:犬の歯石と歯周病。獣医畜産新報、48,734-739,1995
※2 Hennet,Servet E,Soulard Y,Biourge V:Effect of pellet Food size and Polyphosphates in dogs. J Vet Dent.24(4),236-239,2007