コーチングって、なくても平気。
でも、受けるとやっぱりいい。
先日、長年月2回でコーチングを継続している経営者さんから、こんな感想をもらった。コーチングが終わって次の日程を決めようとしている時にボソッと言ってくれた。
「4月は受けなかったんですが、その期間があったからこそわかりました。コーチングって、なくても日々平気なんだけど、受けるとやっぱりいいなぁって。少なくとも僕には合っている、必要だと思いました。」
この方、会社も経営しているし、既存事業に加え新しい事業も立ち上げているし、赤ちゃんも生まれたばかりだし、とても忙しいのが想像できる。コーチングの日時設定のやり取りもメッセンジャーで行う時は、夜中の12時を過ぎての連絡もしょっちゅうだ。昼間に連絡してくることはほとんどない。それでも、上述の4月は別として受け続けてくれている。
とても嬉しかった。
「なくてはならない」でも「すごく変わった」でもなく、「平気だけど、やっぱりいい」。
私はこう返した。「緊急の課題があるときはともかく、まあまあ順調なときは、受けなくても日々つつがなく過ぎていくのはそうだと思います。私がコーチングのトレーニングを受けたお師匠さんにこんなことを言われたことがあるんです。『コーチは、成長の角度を少しだけ上げることができる』と」
「それは、長期的には大きな違いですよね」と彼は言ってくれた。
そう。劇的な変化じゃない。今日明日が激変するわけでもない。でも、角度が1度違えば、10年後にいる場所はまったく違う。
なぜ角度が上がるんだろう? 私なりに考えると、理由はいくつかある。
①人に見られている、という効果。
②報告する相手がいる、という効果。
そして一番大切なのは、③だ。
③重要だけれど緊急度の低いことについて、半ば強制的に考える時間ができる、ということだ。忙しい経営者ほど、日々の緊急案件に追われて「大事だけど急ぎじゃないこと」は後回しになる。幹部同士のチームワークをどう作るか。従業員との関係をどう保つか。新規事業を具体的にどう動かすか。——どれも「今日中に決めなくていい」から、いつまでも引き出しの奥に入ったままになる。
コーチングのセッションは、強制的にその時間になる。
少なくとも私はこう尋ねる。
「いま、敢えて先のことを考えてみませんか?」